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韓国ドラマ「30だけど17です」(連載28)

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韓国ドラマ「30だけど17です」(連載28)


「30だけど17です」第3話(期限付き同居の始まり)⑧


☆主なキャスト&登場人物


○シン・ヘソン➡(ウ・ソリ)
○ヤン・セジョン➡(コン・ウジン)
○アン・ヒュソプ➡(ユ・チャン)
○イエ・ジウォン➡(ジェニファー(ファン・ミジョン)
○チョ・ヒョンシク➡(ハン・ドクス)
○チョン・ユジン➡(カン・ヒス)
○ユン・ソヌ➡(キム・ヒョンテ)



★★★


 ソリは両親と過ごした日々を思い出しながら言った。
「この家は…パパとママとの思い出が残る唯一の場所なんです」
「…」
「私には博物館みたいなものだわ」
 いったん頷いたチャンは怪訝そうにソリを見た。
「さっきは叔父さんと暮らしてたと」
「両親は私が14歳の時、トンネル事故で死んだの。それからは叔父さん夫婦と暮らしてきたの」
「だったらどうして―叔父さんは急いで家を売ったんでしょう」
 ソリは表情を曇らせた。
「私もそれが気になります」
「…」
「ここにいるとばかり思ってたのに…警察に行っても動いてくれないし、友達の行方も分からない。私の知ってる人は―全員この世から消えてしまった感じ」
 残った家族と友達はペンだけとばかり、ソリはトックの頭を撫でた。


★★★


 眠りのこないウジンはカバンの中を見た。デッサンのノートを取り出すためだった。
 その時、チョコケーキが目についた。ウ・ソリにあげるためだったチョコケーキだった。べとつきがないか気になった。しかし、自分で食べる気も捨てる気も起きず、そのままにしてノートだけを取り出した。



「話を聞いてくれてありがとう」
 部屋に戻ったソリはチャンに礼を言った。
「ドント・シンク・フィール!」
 チャンは元気ポーズでソリを励ます。
「叔父さんはきっと見つかるさ」

 ソリは笑顔を返す。
 そこにジェニファーがやってきた。
「空腹で倒れないようにこれを持って行きなさい」
「おばさん…」
「ノオノーっ! ”ジェニファー”と呼んで」
「ありがたく頂戴します」
 ソリは紙バッグを受け取った。
「感激です。ジェニファー」
「サンキュー」とジェニファー。


 晴れた朝になった。
 チャンが玄関まで見送りに出てきてくれた。
 ソリはドックを抱いて出てきた。別れの挨拶を外でするためだった。
 頭を撫でて語りかける。
「ペン、これでお別れ。元気にしてるのよ」
 ソリは顔をあげた。チャンは腕を伸ばした。
「おいで」
 ソリからドックを抱きとる。
「この家とこの子をお願いします」
「はい。ドックに…、ああ、腹が空いた時、困った時、ペンに会いたくなったらいつでも会いに来て」 
 ソリは笑顔で頷く。
「けど…これからどこへ?」 
「さあ~、まずは叔父さんを捜さないと」
 チャンは口を曲げた。ため息をついた。
「できることなら、ここに居させたいんだけど…」
「いいの。気持ちだけで充分です。行きますね。ありがとう」
 ソリはペコリと頭を下げ、背を返した。
 歩き出したソリにチャンは呼びかける。
「おばさん」
 ソリは振り返る。
「知り合いが消えたと言ってたけど、1人はいますよ。この俺」
 チャンは自分を指さした。
「もう知り合いでしょ」
 ソリは笑顔で応じた。
「私は”おばさん”じゃないわ」
「わかってる」チャンは応じた。「でも初対面で”おねえさん”とは呼びづらい」
 チャンは頭に手をやった。
 この時、ソリの背後で人の声がした。
「どうぞ、入ってください」
 振り返るとスーツ姿の人たちがコン家の庭にドカドカと入ってきた。
「いい物件ですよ」
 ソリを見向きもせずに中へ進んでいく。 
「家を取り壊して敷地いっぱいにビルを」
「ああ、それがいい」
 折しもコン・ウジンが玄関を出てきた。
「ここの息子さん?」
 スーツ姿の一人がウジンに話しかける。
「はい、父から聞いています。どうぞご覧ください」
 チャンはウジンに駆け寄った。
「あの人たちは誰なの?」
 ウジンは説明する。
「父さんたちも年だし、管理するのが大変だろ」
 ウジンの話にソリも駆け寄った。
「この家を売って取り壊すんですか?」
 ウジンは握られている腕を振りほどいた。
「僕もよく知らない。済州島にいる父が家を売りに出したんです」
「ダメ! 家を壊さないで。売るなら私に売って」
 ソリはウジンの前に立ちはだかった。
「叔父さんに買い戻してもらいますから」 
 しかし、ウジンはクールに言い放つ。
「僕には何の権利もありませせん。それを僕に訴えても無駄です。買うつもりなら業者を通じて父と話してください」
 あとはソリの話を聞こうとせずに通りへ出ていってしまった。
 ソリは家を眺めて呆然と立ち尽くした。
 チャンがソリに歩み寄った。
「ちょっと待ってて。僕がお祖父ちゃんに聞いてみますから」
 携帯を手にした。
 業者らが出てきた。
「いい物件でしょ?」
「確かにそうだが…」
 細かいやりとりをしながらソリのそばを玄関に向けて歩き過ぎる。
「待ってください」
 ソリが業者を追ったのを見て、ドックはチャンの懐から脱け出した。そのままソリの後を追いかけた。
 ソリは通りに出て業者を呼び止めた。
「待ってください」
 
 車を出そうとしていたウジンはドックが通りに飛び出して来たのを見て驚いた。
「トックがどうして」
 ウジンは慌てて車の外に飛び出す。トックのもとに駆けつけようとする。
 業者らは道路を横切った。ソリも横切った。
 ドックも渡ろうとするところへバイクが走ってきた。ウジンの横を走り過ぎる。ウジンはもう間に合わない。
 道路を渡ろうとするドックと走ってくるバイクの位置に気づき、慌ててそこに飛び込んだのはソリだった。

「あっ!」
 チャンとウジンが叫ぶ間もなく、バイクとソリらの身体は交錯した。
「気をつけろっ!」
 バイクは男の捨て台詞を残して走り去った。
 ウジンはソリの許に駆け寄った。
「大丈夫?」
 バイクを目で追ってチャンも叫んだ。
「そっちこそ気をつけろ!」
 チャンも身を挺してドックを庇ったソリのそばに駆け付けた。
「おばさん、だい…あっ、血、血が!」

 チャンが叫んだ。
 確かに”赤い血?”みたいなのがソリのお腹から辺りに流れ出ている。
 2人の顔から血の気が引いた。




 

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