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雨の記号(rain symbol)

善徳女王 第27話から

新羅27代目の王で韓国歴史上初の女王。出没:?~647年(在位:632~647年)。
苗字は金で名前はトンマン(徳曼)。632年に父の眞平王が息子無で死に、貴族会議によって史上初の女王にたてられた。即位一年前(631年)に柒宿と石品が乱を起こし危機にさらされたけど乱は鎮圧された。即位しては貧しい人を救済したり各地の税金を減らしてあげたりしたが高句麗、百済とは対立していて戦争が止まず中国(唐)の影響下にあった。647年に毗毗曇と廉宗がおこした乱の途中で死亡し、乱は28代目眞徳女王と金庾信によって鎮圧された。善徳女王の死後、660年には百済滅亡、668年には高句麗滅亡、678年の三国統一への土台を作ったと言う評価も得ているようだ。善徳女王の陵は慶尚北道慶州市普門洞山79-2番地(경상북도 경주시 보문동 산79-2)にある。
(韓国ドラマのページより)

 数話前から登場し、トンマンのもとにあって自由で奔放な一匹狼的キャラとして魅力を発揮しだしたピダム(毗曇)は、記述によると647年に時の王室(善徳女王 )に対し反乱を起こしている。この渦中で善徳女王は死亡する。
 これだけで二人がどういう位置関係にあったか想像をかきたててくるが、トンマンはまだ女王にすらなっていないから、ドラマの中にあってそれはまだずっと先(チルスクの乱がまだ発生していないから少なくとも16年以上)の話である。

 王を目指すためのトンマンの旗揚げは小さなものだったが、トンマンへの思慕を断ち切ったキム・ユシンも兵をまとめ配下として仕えることを決心する。
 彼の働きで一大勢力の結集がなり、トンマンはミシルとの対決に乗り出す。
 生来の賢さにくわえ、シルクロードの町で行商に関わりながら育ったトンマンは、自然と人の特性を見抜く力も養っていた。
 人を動かす地位に立ったトンマンは、水を得た魚のごとくにその采配が光り出す。キム・ユシンの尽力で配下(ユシンの束ねたカヤ族は実質は王族であるウォルヤの手にある)を得たトンマンは次々と手を打ち始める。
 トンマンはユシンにチョンピョン王への親書を託す。彼女にとって王室とつなぐパイプ役として信頼を寄せられるのはユシンしかいない。ユシンに始まり、彼の母マンミョン→自身の母マヤ王妃→チョンピョン王と連なる連絡網こそもっとも安全性が高いというのを見越している。
 チュクバンとコドに再会したトンマンは、自分が女であり王女であることを伝え、彼らに生きた鳥と人間の骨をできるだけたくさんつかまえ集めるように命じる。そうしてやってもらうことがあるからだ。ここではトンマンの砂漠での生活体験が知恵として生かされることになる。生きた鳥と人間の骨を集める話にピダムは興味を示すが、少年の野生的感性を残しているからだろう。ピダムは、そういうのは俺得意だぜ、よし俺もやる、と乗り気になる。ピダムにはほかにやらせることもあるのにトンマンはそれを止めない。
 しかし、ユシンが、それでは私も手伝おう、というのは制している。
 トンマンによる適材適所の人事はすでに始まりだしているのだ。
 アルチョンには自身の警護を任せる。堅苦しい一面を持ってはいるが主従関係に厚く、与えられた任務を忠実にまっとうするのがアルチョンという人間なのだ。
 ミシルは自身の能力の誇示と威圧で人身を掌握し続けている。一方、トンマンが経験から身につけた人心掌握術はその人間の特性(長所)を活かしてやるところにあるようである。
(善徳女王の徳という字はここらへんの推測からあてがわれている?)

 トンマン自身はユシン、ウォルヤを通じてウォルチョン大師に会った。
「もうすぐ日食が起きるのでしょう、いつ起きるのかその日付を教えていただけませんか」
「何のことだ」
 ウォルヤに力ずくで囚われたウォルチョン大師はとぼけるが、トンマンは正光暦の本を取り出してこれがあれば計算できるはずだと迫る。しかしウォルチョン大師の言葉は冷たかった。 
「お前、ミシルのようになりたいのか、権力に執着する人間はみな同じだ」
「いいえ、私は国を安定させて民を貧しい生活から救いたいのです」
 いくら弁明と説得を続けてもウォルチョン大師は心を開かなかった。
 ウォルチョン大師はどうしたら心を開いてくれるだろう、とトンマンは悩むが、彼が思っていることを彼から聞かせてもらおうと思うな、とのユシンの言葉で彼女の気持ちは楽になる。彼女は王女としての自分の信念に従うことにする。
 トンマンは正光暦の本をウォルチョン大師の前に残して引き下がる。それっきり会うのをやめる。

 日食が起こらないことを知ったトンマンは、これをピダムだけに伝え、彼に任務を与える。一歩間違えば死ぬこともありえる重要かつ危険な仕事だ。ピダムはトンマンの命を不適な笑みで受け入れる。
 それは市中の目抜き通りに出て、天と対話し天の啓示を受ける預言者を装うことだった。
 
 
 ある夜、王宮の上空を鳥が光りながら飛びまわる。これが宮中に知れ渡って大騒ぎになる。何か不気味なことの予兆ではないかというわけだ。
 トンマンはすでにユシンを通してチンピョン王に親書を届けている。その骨子は先の王女に双子の妹がいたことを民の前で明らかにするよう求めるものだった。それには民の心に巣くう大凶事の不安(王族に双子が生まれれば男の血が絶えるとの予言からきている)を取っ払わねばならない。
 その仕掛けの第一弾が宮の上空で乱舞する光る鳥の正体だった。チョンミョン王女の志を引き継ぐ、吉兆を意味する白い鳥の出現だったのか。しかし、ミシル側も負けていない。同じ宮の前でナチョンの壷から血が湧き出す騒ぎを起こした。
 民の同様は都中に広がった。同時に騒ぎの起こった場所は都中の関心を集めた。
 得体の知れない出来事の連鎖で混乱に陥ったのは王室も同じだった。チンピョン王の前に集結して不吉な話のオンパレードになる。
「チョンミョン王女がなくなり、世継ぎも決まっていないのでこうして不吉なことが続くのです。天神皇女であられるミシル公主に天を慰める祭礼をあげていただいて、天心と民衆を治めていただきましょう」
 と進言があり、チンピョン王は苦々しく思いながらも、ミシルの力に頼るほかはないのだった。
「チョンミョン王女の後の椅子をどのように牛耳っていけばいいのか・・・どのようにすれば自分の意に沿った傀儡の王をそこに据えられるのか・・・それがトンマンであっては絶対ならない。あの女が宮に入ってきたら一族は存続さえ危うい」
 取り巻きが喜ぶ中、ミシルは神堂に入った。絶やさぬ笑みの底で、トンマンに対する敵意を燃えたぎらせながら七日間にわたる祭礼と祈祷の行事に入った。
 みなが恐れおののいたナチョンの壷の前にピダムはどこからともなく現れ、何やら儀式みたいなことを始めた。虫眼鏡で紙に火をつけるシーン・・・あれは確か子供時代にトンマンが・・・ビデオに録っていず、記憶もあいまいなのでこれ以上触れないが、いずれにしろ、トンマンがさずけた知恵には間違いない。
 ミシルが信平王の前で、「天のお告げがありました」と恭しい報告をしているところに、神女が慌てて飛び込んでくる。
「王様、大変です」

 ピダムの儀式は続いている。
 ピダムが手を上げたら、土の中から石碑が押しあがってくる。
「開陽天  日有錦之  鶏林天明 新天到来」
 これはチョンミョンの宮の上を飛んだ白い鳥と連動するもので、仕掛けの転結である。と同時にこれはミシル一派のやったトリックの種明かしである。トンマンはミシルのやった方法で天下を取ると言った。その実践でもあるのだ。
 石碑の内容を書かれた紙きれをクシャクシャにし、ミシルは怒りを露わにする。 
「このようなことをしでかした身代わり罪人を牢に閉じこめなさい・・・・ミシルにはむかうとは許せない」
 ポジョンとソクプムがピダムの連行に現れると、
「なにをするんですか!!」
 民の一人は彼らに抗った。刃を向けられて大人しくなったが、彼らにも疑心暗鬼が生じていることを示す場面となった。
 ポジョンらが宮へ引っ立てようとすると、「自分で歩く」と言ってピダムは彼らを振り払った。


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