酒好きなのである。
酒は、飲酒そのものが楽しいのは勿論だが、気の合いそうなものを探したり、出かけた先で初めてのものと出合いがあったりするのも楽しい。
と思っていたところに届いた宮崎の芋焼酎。
株式会社やまやの食卓が提供する『逢初Blue(正春酒造)』だ。青いボトルが美しい。
この名前、酒蔵さん的には「初めて逢う味」という意味も込められているそうで。では「Blue」の意味は?
コレについては、試飲の感想において、この自分が解き明かそうか。
似た色の琉球ガラスのロックグラスで。焼酎を呑る時は大概ロックである。
さて、試飲。
呑むと偏屈になるので、あたしゃ褒め言葉ばっかり書きませんよ。
やまやさんがお勧めの言葉に、すっきり飲みやすいという言葉を用いていたが、まさにその通りというのが第一印象。率直なところ、自分がいつも呑む本格焼酎は25度、30度といったものが多いので、度数の違いによる「軽さ」からか手応えに乏しい感じはする。
そのすっきり感はコレで芋焼酎か?とも思うほどで、これなら、芋オッケー、芋はちょっと…という人が一緒に呑れそうだ。(飲み屋で何か1本入れようよという時、けっこう意見が割れる)
このテイスト。この軽さ、言葉を選べば透明感。透明=水。だからBlue。かな?
なんて、勝手にネーミングの由来に立ち入ったが、「逢初ライト」だったら買わないな(笑)
しかしだ。あえて言わせてもらうとスッキリというのは好きではない。それはあまたある味わいを表現する言葉の一つであり、それそのものが美味しさを保証するものではないと思う。「すっきり」も悪くないが、それだけでは物足りないのだ。
じゃあ呑むなって?
いえいえ、とにかく試して出合いに期待するのが呑兵衛なのだ。
それでもじっくりと味わっていると、何やらコクのような手応えはある。そうか、古酒をブレンドしているというのがこれか。若干ながら熟成感もあり、これなら相当の呑み手にも付き合ってもらえそうだ。
なるほど、ズルイ(笑)というか、よく考えて造っているものだと感心。
肴にはホウレンソウを巻いた卵焼きを拵えた。
理由? 呑兵衛に野暮なことを聞くもんじゃない。焼酎には卵焼きでしょっという思い込みがあるだけだ。
で、確かに焼酎に卵焼きは合うのだが、では逆に、卵焼きにこの焼酎という方程式はどうか。
おおっ、これは卵焼きを一層美味しくしますな~なんて、ベストマッチではないが、両者の味わいは程々中和される。つまり食事とかパーティとか、概ねどんな食べ物にも合う、というか食べ物を邪魔しない、食中酒としては適していそうだ。
後日。友人デザイナーTと試飲。ちなみにT氏も自分と焼酎の指向は似ている。
氏いわく「うむ、20度にしては味が濃い」らしい。
え?T氏の出番はこれだけか(笑)
ところで、利き酒をするが如く偉そうにあれこれ書いたが、酒の旨さはそういうことだけではない、というのが我が酒論だ。
ネーミングに話は戻る。
自分でも調べてみたのだが、この酒の蒸留所のある宮崎県西都市には、古代日向の頃の西都原古墳群など貴重な文化遺産と神話が数多く残されていることで有名で観光スポットにも。「古事記」に天照大神の孫ニニギノミコトが小川で水汲みをしていた後の妻コノハナサクヤヒメを見初めた場所、そこが逢初川となった…という伝説の場所があるそうな(今は水路の形跡が実在)。
やまやさんの説明によれば、もともとの商品名ははそれに因んでいるとのこと。「初めて逢う味」は後付だろう。初めて逢う味にしてはインパクトが…(笑)
そこでどんな声をかけたのかは分からぬが、とかく古代のラブストーリーはロマンチックである。それに因んだ『逢初』はとても良いと思う。郷土の歴史や地域性といったものも地酒の魅力だからだ。
良いネーミングだ(ビンもラベルのデザインも良い)。
以上、試飲感想はこれにて一巻の終わり。
追記
20度では軽いと書いたが、サイトを見てみると25度なんてのもあるんですな。
酒は、飲酒そのものが楽しいのは勿論だが、気の合いそうなものを探したり、出かけた先で初めてのものと出合いがあったりするのも楽しい。
と思っていたところに届いた宮崎の芋焼酎。
株式会社やまやの食卓が提供する『逢初Blue(正春酒造)』だ。青いボトルが美しい。
・ ・ ・
この名前、酒蔵さん的には「初めて逢う味」という意味も込められているそうで。では「Blue」の意味は?
コレについては、試飲の感想において、この自分が解き明かそうか。
似た色の琉球ガラスのロックグラスで。焼酎を呑る時は大概ロックである。
さて、試飲。
呑むと偏屈になるので、あたしゃ褒め言葉ばっかり書きませんよ。
やまやさんがお勧めの言葉に、すっきり飲みやすいという言葉を用いていたが、まさにその通りというのが第一印象。率直なところ、自分がいつも呑む本格焼酎は25度、30度といったものが多いので、度数の違いによる「軽さ」からか手応えに乏しい感じはする。
そのすっきり感はコレで芋焼酎か?とも思うほどで、これなら、芋オッケー、芋はちょっと…という人が一緒に呑れそうだ。(飲み屋で何か1本入れようよという時、けっこう意見が割れる)
このテイスト。この軽さ、言葉を選べば透明感。透明=水。だからBlue。かな?
なんて、勝手にネーミングの由来に立ち入ったが、「逢初ライト」だったら買わないな(笑)
しかしだ。あえて言わせてもらうとスッキリというのは好きではない。それはあまたある味わいを表現する言葉の一つであり、それそのものが美味しさを保証するものではないと思う。「すっきり」も悪くないが、それだけでは物足りないのだ。
じゃあ呑むなって?
いえいえ、とにかく試して出合いに期待するのが呑兵衛なのだ。
それでもじっくりと味わっていると、何やらコクのような手応えはある。そうか、古酒をブレンドしているというのがこれか。若干ながら熟成感もあり、これなら相当の呑み手にも付き合ってもらえそうだ。
なるほど、ズルイ(笑)というか、よく考えて造っているものだと感心。
・ ・ ・
肴にはホウレンソウを巻いた卵焼きを拵えた。
理由? 呑兵衛に野暮なことを聞くもんじゃない。焼酎には卵焼きでしょっという思い込みがあるだけだ。
で、確かに焼酎に卵焼きは合うのだが、では逆に、卵焼きにこの焼酎という方程式はどうか。
おおっ、これは卵焼きを一層美味しくしますな~なんて、ベストマッチではないが、両者の味わいは程々中和される。つまり食事とかパーティとか、概ねどんな食べ物にも合う、というか食べ物を邪魔しない、食中酒としては適していそうだ。
・ ・ ・
後日。友人デザイナーTと試飲。ちなみにT氏も自分と焼酎の指向は似ている。
氏いわく「うむ、20度にしては味が濃い」らしい。
・ ・ ・
え?T氏の出番はこれだけか(笑)
ところで、利き酒をするが如く偉そうにあれこれ書いたが、酒の旨さはそういうことだけではない、というのが我が酒論だ。
ネーミングに話は戻る。
自分でも調べてみたのだが、この酒の蒸留所のある宮崎県西都市には、古代日向の頃の西都原古墳群など貴重な文化遺産と神話が数多く残されていることで有名で観光スポットにも。「古事記」に天照大神の孫ニニギノミコトが小川で水汲みをしていた後の妻コノハナサクヤヒメを見初めた場所、そこが逢初川となった…という伝説の場所があるそうな(今は水路の形跡が実在)。
やまやさんの説明によれば、もともとの商品名ははそれに因んでいるとのこと。「初めて逢う味」は後付だろう。初めて逢う味にしてはインパクトが…(笑)
そこでどんな声をかけたのかは分からぬが、とかく古代のラブストーリーはロマンチックである。それに因んだ『逢初』はとても良いと思う。郷土の歴史や地域性といったものも地酒の魅力だからだ。
良いネーミングだ(ビンもラベルのデザインも良い)。
以上、試飲感想はこれにて一巻の終わり。
追記
20度では軽いと書いたが、サイトを見てみると25度なんてのもあるんですな。
ここまで分析できるのは
よっぽど!
酒が好きらしい~(笑)
楽しませてもらいました(笑)
美味しく召し上がっていただき、大変嬉しく思います。
とても深く分析していただき、大変勉強になりました!
ホウレンソウを巻いた卵焼きも美味しそうでたまりません!!
あそこはやまやさんに気を使って明太子にする場面でしたね(笑)。