流星、夜を切り裂いて ~FLY HIGH~ ver.2

米たにヨシトモファン 京アニに興味あり アニメ語りメイン

アニメ雑記 2021/10/19 を語る

2021-10-19 07:00:29 | ■アニメレビューとか
●劇場版マクロスΔ絶対LIVE!!!!!!
見てきました。
デルタの一作目のワルキューレ中心の劇場版が印象的で、
テーマ的なところに触れた作品だったので、
今作がどのような形になるのか楽しみでした。

以下ネタバレ感想。


キービジュアルが銀河争奪歌合戦ということで、
またワルキューレ一強みたいな感じになるのかなと思ったんですが、
ワルキューレもまた一歩後ろに下がって主人公とヒロインの愛の話、
というのがメインだったように思います。
三角関係がマクロスの醍醐味の一つですが、
今回はそこをまた一歩踏み込んで、三角関係が終わったその後、
という形で話が展開していくのが新鮮な気がしました。
ただ前回の中心だった美雲の描写などから、
もう少し歌に関する意地や思いを表現してほしかったかなと思います。

今回はハヤテとフレイヤの2人が中心になって話が進んでいて、
最初に印象的だったのがリンゴ畑での星空ですかね。
裸足で木に登っているフレイヤ見てこれは河森さん的こだわりなのかなと思いつつ、
月明かりを雲で隠して月光で見えなくなっていた星空が見える、
みたいな描写が新鮮に映りました。
普段だったらバルキリーに2人で乗って星間飛行、
みたいな描写だったのかもしれませんが、大地からというのが気になったかな。
家族や先祖が生きた証としてのリンゴということで、
リンゴが命のメタファーとして印象的に描かれていたと思います。

ただリンゴが燃やされて、
リンゴをまた復活させようでハヤテが燃えたリンゴをフレイヤに手渡すのはわかるんですが、
その後にそのリンゴが種子だけを取り出された状態になるのがやや不可解。
そのままにしていたら腐るし、というのもわかるんですが、
燃えたリンゴは命を賭けて歌う傷ついたフレイヤそのものを暗示するものとも考えられたので、
リンゴを種子にした時点でフレイヤの運命も示されていたと思うと、
なぜリンゴから種子を取り出す部分を省いたのかと、
そこだけが非常に気になる感じでした。
そこを描いたのが映画の物語と言えばそれまでな気もしますが、
その飛躍ではリンゴの辿る運命について納得出来なかったというか。

シリーズ作品的に過去作からの引用が結構目立つのも気になったかな。
エキセドル参謀や年老いたマックス、行方不明だったメガロード1の出現、
シャロン・アップルやゴーストなど、旧作の引用が目立つなと。
マックスの登場は老いた監督の姿とも重なるような気がして、
やはりそういうところを意識されているのかなという気がしました。

シャロン・アップルについては敵が生体兵器として歌を使ってくるので、
シャロンの強化版、AIではなく人の意識の延長としてるのが気になる感じ。
アバター問題ではないけど、中の人は同じで歌ってるキャラもそれっぽいけど、
しかし意識はその限りではない、
みたいな描写はVtuber問題などで揺れる現代から見える描写かなと感じたかな。

ただ敵がワルキューレの模範としてダークワルキューレ的なものを出現させますが、
扱いが映画プリキュア5のダークプリキュア的な気がしたかな。
特にフレイヤのコピーがフレイヤ歌に共感して歌い出すのもプリキュア5的だし、
何ならスマイルプリキュアでその延長もやっていたので、
プリキュアはマクロスをとっくに追い越していたのだなぁみたいな気分にはなりました。

フレイヤの、ワルキューレの歌に呼応して敵も味方も歌いだして大団円、
みたいなのはマクロス7的な形で河森さんもついにそこへ至るのかと思ったんですが、
そこに冷静に冷水を浴びせる敵の大将の自爆を見ると、
そんな簡単に人の思いは消せないというのを見せつけられるというか、
河森さんの中の葛藤を見せつけられた気がしました。

最後に結晶化したフレイヤをハヤテが抱きかかえる図は途中から予想できる絵でしたが、
その絵が綺麗で個人的にグッと来てしまったな。
凄くセンチメンタルな絵という気がしましたが、
そこを堂々とやりきるところが凄く素敵だなと感じたな。
絶対LIVE!!!!!!じゃなかったのか、これじゃワルキューレも実質終了かな、
という絵でもあるんですが、
そこより大事なことがあった、ということだったのかもしれない。

Fの復活とワルキューレの終わりは商業的な実情を読んでしまいますが、
監督がテーマとして描ききったなら納得という感じにしたい、かな。
ただ自分は何かを見落としているような気もするので、どうかなと。

最後にリンゴの花に囲われた絵は綺麗で個人的にはグッときました。
デルタで監督がやりたいことが完遂できたかはわかりませんが、
個人的には劇場版で満足感が得られるシリーズだったかなという気がします。


●劇場短編マクロスF~時の迷宮~
デルタ上映前に短編として。
成長したランカを見ると遠いところにきたなと非常に感慨深くなります。
正直そこまで好きなキャラというわけでもなかったんですが、
魅力的に見えてこの感覚は何なんだろうなと思ったりも。
久しぶりに菅野よう子の曲が聴けたのも嬉しかったかな。
3Dという形で幻のライブを見せたりとか実験的な感じで画も良かったかな。
Fシリーズとして続編を匂わせていますが、
デルタが終わって前シリーズのFが続くとなると、
デルタで触れたメガロード1の行方などはまたスルーされるのかなど、
物語的な謎を残したのがちょっとヤキモキさせられる感じ。
また動く3人を見たいのはヤマヤマですが、どうなるか。


今更ですがマクロスシリーズはもう監督の人生をかけたものになっていることに気付かされたので、果たして今後どのような展望があるのか、また何を描いていくのか、非常に気になる形でした。今後どう展開されるのか楽しみです。

コメントを投稿