流星、夜を切り裂いて ~FLY HIGH~ ver.2

米たにヨシトモファン 京アニに興味あり アニメ語りメイン

境界の彼方 10話 を語る

2015-05-05 23:25:30 | <境界の彼方>


積乱雲。
今回は虚構と現実の入り混じった回でしたが、
夏の情景と冬の情景の対比がそのまま作品の持つギャップの体現のように感じたな。
4話までの栗山さんのトラウマ克服までの流れと、
本当は秋人を殺すのが目的っていうその繋がりの無さが出ている感じというか。

秋人が病室で目覚めてから過ごす夏の日々は夢なんだけども、
桜や美月、博臣の登場で奥行きを持った日常のように語られる。
対して冬のシーンは秋人が人形のようであり虚構感が出ている。
どちらがより虚構に近いかというと、
キャラクターの振る舞い的に正しくない冬のシーンなんだけど、
夢としてなくなるのは実体感を感じる夏の日々の方で。
冬のパートは栗山さんの夢かはたまた未来のように見えてくる。

実態を持った過去(4話までの流れ)とこれからの未来の話という感じでしょうか。
だから実体を持つように感じていたシーンというのは確かにあったんだけども、
そこには虚構が同居していたという考え方が示されていたのかなーという印象。

まあ10話は繋ぎの回だったかなーと。
栗山さんが境界の彼方=秋人を殺す依頼を名瀬泉から受けていた、
っていうのが大事なところなんだけど、
そんな伏線最初からあったっけ?と困惑させられる。
1~4話はミスリードで本当はこういうことだったのです、
というのを見せられても、ちょっと困っちゃう感じ。
5話以降は泉姉と栗山さんの間に何かあることが匂わされてますけども、
序盤は栗山さんのトラウマ克服に充填が置かれているので、
その裏で進行するものっていうのに無頓着すぎてちょっと納得出来ない。
OPに繋がる導入でOP自体に伏線がはらんでいるように見せてますが、
それも急ごしらえなイメージになってる感じ。
4話で先輩を最悪消すと答える博臣たちにダメですとつぶやくのとか、
一見して矛盾してるけど栗山さんの心情を推し量るとより重いシーンに、
っていう感じでもあると思うんですが、うーんどうなんだ。

後はあからさまな絵っていうのを入れたくなかったのかなと思ったり。
1~4話の流れって映画的な感じでまとまって見せてるんで、
その流れを無粋な絵を入れて壊したくなかったのかな、とか。
まあ憶測ですが。





パンケーキの見せ方は武本さんチックかなーと。
パンケーキを切った時は境界の彼方を、秋人を殺すことを前提の話になってるけど、
パンケーキを切らない方は秋人を殺さずに境界の彼方を消すことを話してる。
時間的には未来の話なんだけど、秋人を殺すという部分を除外してる。
パンケーキを切らない、っていう後退のイメージが過去を否定している感じ。
これも4話までの流れのイメージに対してもそうである、という話なのかなとか。
The SoulTaker ザ・ソウルテイカー ~魂狩~ 3話 を語る
久々に武本成分を味わったような気分に。

脚本:花田十輝
絵コンテ・演出:武本康弘
作画監督:植野千世子

というわけで武本回。
まあ4話までバリバリ参加されてたんでこの回をやるのは流れ的にやっぱそうかなと。
やっぱ今までを考えると違和感拭えない話になってきているので、
それをどう納得できるように持っていくかという流れでこうなったのかなと思いましたが、
余計ややこしくなった気がするなというか、
自分の見てきたものを否定されてる感じでそこが辛くなる部分かなと。
とりあえず気を取り直して残りの話数は見たい感じですね。


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