グリザイアの果実、迷宮の続き。
主人公の師匠がかけた暗示っていうのを見て、
暗示からの脱却とか暗示があったらこそっていう展開が今後あるのかなとか、
そういう物語の運び方を想像させる意味でも引っかかるシーンだなと思いつつ、
自分が最近気にかかる作品ってそういう暗示による支配に関するものなのかもなとちょっと思ったり。
パッと思いつくのだと、デスノート、まどか☆マギカ、悪魔のリドル。
暗示によって操られるっていうのはよくあるパターンなんだけど、
今作ではその暗示が主人公が成長する過程で大事な要素なんだろうな、というところにグッと来る感じ。
暗示というのは悪いもので、操られてはいけない、みたいな考え方が根底にあると思うんですけど、
ここではそれをハッキリと肯定的に描かれているのが潔くてグッときたかなと。
今回は師匠が主人公に教育を施す過程が面白くてついついのめり込んでみていたな、と。
主人公に病室で話しかけるところから最後まで、彼女は主人公のことをよく考えていた。
生きる意味を、自分より弱いものを与えることで愛情を注ぐことで明るくなっていったり、
女にもてるという餌で教育をしていく過程がグッと来る感じ。
女にもてるっていうのは欺瞞的な意味合いを含みつつも、
年頃の男子をやる気にさせる言葉として理にかなっているような気もするしと納得しつつ、
小学校、中学校、高校と求めていくものが段階によって変わっていくのもいい。
でもそれを主人公は短期間に取得させようとしているスパルタ教育で。
師匠が主人公と暮らすために主人公を兵士として導く姿は一見して歪んでいるけども、
力と暴力の考え方で語られるように正しさを説いていく姿勢にグッと来る感じ。
やっていることは非常にセンチメンタルなんだけども、
感傷に浸らない前向きさがあって良かったです。
あと演出も見てて面白かった。
銃を撃たせるところで富士山を見せて、日本でそれをやらせるのかっていう異常感を見せたりとか、
四季で時間経過を見せたりとか、美しさの中の異常感が良かったかなと。
あとクマに遭遇するシーンとか。
アオリで熊を見せて主人公の感じた熊の恐怖心を描いたりとか、
音だけで主人公が焦っていく理由を見せたりとか、
熊が振り返ったら犬を咥えていたり、
そしてなぜ熊は振り返ったのだろうかと思ったら視線の先に主人公がいたりとか、
見せ方に無駄がなく流れがスムーズに追えるのがいいなと。
ハエの潰れた絵っていうのがなくてホッとしたりとか。
それはまた違う話か。
最後のやりとり、声はお互いに柔らかくなっていくけども、
師匠の表情は険しいままだったりする。
ミスマッチな気もするけども、声の芝居に左右されていない感じがあってそこも良かったかな。
穏やかな感じになったら穏やかな表情っていうのはわかりやすいけども、
そういう見える優しさだけでは人は立てなくなる、っていうのを端的に描けてる気がするかなと。
教育と支配がやっぱ自分的に気にかかるところなのかなー。
EDも良かったな。
また江畑諒真さんか!っていうのもあったし、歌詞と合わせる演出が良かったなと。
次回以降はまた違う感じになるのかもしれないけど、見続けていくのが楽しみです。
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