歴史に学ぶ人事・経営論

横浜の社会保険労務士・行政書士関口英樹です。

役職の件

2023-05-23 12:12:09 | 歴史に学ぶ人事経営論
戦国時代、公家たちは、家は荒れ放題で、かなり衰退している状態であった。
栄華を極めた貴族が没落した理由。それは戦だった。
戦いで世が乱れ、武士が力を増すと、貴族たちは自身の領地を奪われ、存亡の危機であった。

そんな折、貴族たちの期待を一心に集め、近衛前久が公家のトップである関白に就任した。
「現職の関白として、公家の中で最高位である関白に就いた。この状況を、何とかして変えてみせる。」
若き前久は、燃えていた。

そんな前久は、越後の上杉謙信に目をつけた。
「幕府や朝廷の権威を敬う謙信なら、味方についてくれるかもしれない。」
そんな前久に、チャンスが訪れる。
関東平定を進めようとしていた謙信が、その許可を得るため、京に向かっていたのだ。

前久は、謙信と面会。
「私を関東攻めに連れていっていただきたい。」
「はっ?」
「謙信殿は、強力な軍をお持ちです。関白である私と合流することで、関東の武士たちは、武力と権威にひれ伏すはずです。」

かくして前久と行動を共にした上杉軍は快進撃を続け、瞬く間に関東の城を落としていった。
さらに関白が同行していることが知れ渡ると、戦うことなく降伏する武将も現れた。
当初、8千だった上杉軍は、11万の大軍に膨れ上がり、向かうところ敵なしだ。
もはや、関東平定は、時間の問題であった。

そんな謙信に、早馬が驚きの知らせをもたらす。
「申し上げます。甲斐の武田信玄が、謙信殿の留守をつき、越後に攻めてきました。」
「もはや、関東平定どころではない。急ぎ、撤退の準備をせよ。」
しかし、前久は、戦いを断行。
「私は戻らぬ。私には、関白の威厳がある。その権威に、歯向かう者などないはずだ。」

しかし、従っていた武士たちが次々と反旗を翻す。
謙信の後ろ盾がない前久など、
関東の武士にとって、従う理由はないのだ。
「力が伴わなければ、関白の権威など、何の役にも立たない」
27歳の前久は、己の無力さを思い知らされた。

実効力の伴わない、名前だけの役職、立場、階級に、どれほどの意味があるのだろうか?



~中小企業の人事・法務担当~
関口総合法務事務所 社会保険労務士・行政書士
ALPHA FOLKS株式会社 代表取締役
関口 英樹

〒221-0005 神奈川県横浜市神奈川区松見町1-12-12-3F
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