故郷へ恩返し

故郷を離れて早40年。私は、故郷に何かの恩返しをしたい。

ごちになりっぱなし

2017-09-29 05:20:32 | プロジェクトエンジニアー

「仕事のあとのいっぱい」というタイトルの絵です。


会社勤めをしていると、「天の声」、「鶴の一声」を時々聞きます。
発注先を決めるのに、なぜバッジの先生の声がかかるのか不思議でした。
会社の中でさえ、「天の声」的なものがありました。
私は、名前の挙がった会社は、敢えて採用しませんでした。
その会社から接待漬けにされた契約社員の推薦だったからです。
後に、私の先輩にその話をしたら、こう言われました。
「そんな会社を使え」と。
理由は、その会社を食い物にしてやれということでした。
その会社は、何でも言うことを聞くぞとも。
そんな入り方をした会社は、逃げられないからどこまでもついてくると。

今日のテーマは、「ごちになりっぱなし」です。
プロジェクトの業界は狭く、失敗したり不正をすると、
そのレッテルみたいなものが貼られます。
何処に行ってもついて回る。

私は、接待を受けないように心がけました。
業者と飲むことを断れない時は、身銭を切ってでもご馳走するか折半にしました。
それでよければ飲みに行こうと先に宣言しました。

営業職の時も、顧客と女性がいる場所にはできる限り行きませんでした。
もしその金が使えるならと、関係する顧客全員を招待しました。
我が方も入れ30人近くのどんちゃん騒ぎです。
全員と飲みましょうと言った後に、
予算はこれこれだから貴方が知ってる旨くて安い店を選んでくれと頼みました。
地元の行きつけの店と顧客が交渉してくれました。おまけまでつけてくれてました。
面白そうだから、工場長も参加してよいかと言われ、願ったりかなったりでした。

営業としての私の作戦でした。
大勢の顧客と一時に友達になれるし、
様々な情報(顧客の社内情報、人間関係など)が入ることもありました。
第一、店までの交通費も飲み時間(残業代)も客もちです。
私の会社の主要な人間(サービスや設計)も同席させました。
こちらは、営業経費でみました。
会社には、コミュニケーションで必要な経費だと説明しました。
顧客の工場長も出られるようだから、社長の貴方も出てくれませんか。
喜んでと引き受けてくれました。
飲み会の費用は、数人の顧客と女性のいるお店に行く金額と一緒でした。

何のプロジェクトがなくてもこれ(顧客全員と飲み会)をやりました。
2年後には、こんなことを考えていると話が出ることもありました。
協力しましょうと、本社に提出する計画図面と予算設定を無償でしました。
提案書の代書もやりました。
工場から提出された提案書の採否について、本社から相談を受けました。
まさか自分が代書した提案書について相談を受けるとは。
全国に散らばった各工場でそれをやりました。

本社にも、会社としてどの工場のどのプロセスから改善したら良いか、
どの部分に新しい技術が必要かまた効果はと説明も加えました。
ある時、顧客の工場から呼び出しがあり、
見たことがある内容の文書(私が本社に提案した)を見せられました。
板に水のごとく説明ができました。

不思議なことに、両者(本社、工場)とも情報源は伏せていました。
もちろん、私も言いませんでした。
工場の担当者から私に電話があり、本社の真意を聞いてくれ。
本社からは、工場にこのように伝えてくれと依頼されたこともありました。

「ごちになりっぱなし」の話でした。

両得の こんな良きこと ある訳ない

2017年9月29日
コメント
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