ADHD児の注意転導性における動機づけの影響
~自己調節困難と外的補償の二重性について~
障害科学研究, 34, 169-177: 2010.(オープンアクセス)
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<概要>
ADHD児は妨害刺激(現在取り組んでいる課題に無関係な刺激)によって、課題遂行が妨害されることもあれば、促進されることもあることは、古くから知られていた。その理論的解明がADHD研究において長く課題となっていた。この問題について、ADHD児の2つの動機づけ特性が、それぞれトップダウンとボトムアップに作用し、循環円のような相互作用を生じさせることを提唱した。この考え方により、従来の知見を矛盾なく一貫して説明することが可能である。また、このことはADHDの中核メカニズムであると考えられるため、注意転導性だけでなく、反応抑制やワーキングメモリにも適用可能であると思われる。
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