動かぬ原発、進まぬ再稼働 東日本大震災8カ月、どうなる冬の電力供給(産経新聞) - goo ニュース
原発の再稼働が進まないため、事あるごとに日本は電力不足の影に怯えなければならない状況に陥っています。
経済界では原発の早期再稼動を促す提言がされたとか。
しかし、原発ありきで計画された日本の電力網ですので、原発が止まれば今の状況は当然の成り行きですね。
ヨーロッパと異なり、地続きの隣国から電力が供給可能でないため、日本国内の電力は日本で賄わなければならないって事もありますが。
言うまでもなく安定した電力は日本の産業には不可欠です。
だからこそ、震災前まで原発必要論も力を持っておりました。
そして電力会社だけではなく国や地域を挙げて「原子力は安全だ」というプロパガンダに近い宣伝を打っており、
我々国民も原発が安全でクリーンなエネルギーであることを信じておりました。
そして何時しか「原発は国の根幹に関わる事業だから、安全だ。」と妙なロジックすら成り立っておりました。
ところが、3.11の震災で安全なはずの原発がチェルノブイリ並みの事故を引き起こしてしまいました。
事故というものは
事故が起こる前、「こんな事故は起こるはずがない」とだったものが
事後が起こった後は、「起こるべくして起こった事故」に変わります。
「想定を超える津波はくるはずがないから安全だ」は「想定を超える津波がきたらギブアップだった」に、
「電源を喪失する事態は起こり得ない」は「電源を喪失する事態を想定することをやめていた」へと、
評価が180度がらりと変化しました。
これが事故被害の規模が小さな施設ならばいざ知らず、
原発事故の被害は広域に渡り、しかも収束がとても難しいのです。
原発と原発の安全性を唱えてきた人達に対する信頼は、一気に地に落ちました。
「絶対に安全だといわれてきた福島第一原発が事故を起こして、大損害を与えたのだ。
今更『原発は安全だ』といわれても信用できない」と、
これまでの電力会社や国の過失を楯にした反対意見は簡便かつ説得力があります。
そのためにも、まずは今までの過ちの清算をしなければなりません。
国民を裏切り、これまでの原発の安全神話が誤りであったことが露見してしまった以上、
今までの過ちを認めなければ、どんなに原発の安全性を唱えても説得力がありません。
それが出来ないのであれば、原発の再稼動は更に遅れることになるだろうと思います。
更に言えば、これまでのプロパガンダに加担した者や事故対策を怠った戦犯者を裁くことも必要だろうと思います。
パフォーマンスと言われようとも責任の所在を明らかにすることで、国民の信頼を得、次の安全を保障することにも繋がるはず。
経済界は電力の安定供給を急ぎたいならば、単に「原発の再稼動を急げ」と言うだけでなく、もっと具体的な提言をすべきでだと思います。