刑務所話(つれづれに)
中学時代
60年位前に、市立宮崎中学校に通学していました。
通学の途中に宮崎刑務所があり、模範囚でしょうが檻の外の畑で受刑者が畑仕事をしていました。
受刑者の傍では刑務官が受刑者を監視していました。
高い塀の中は見れませんが、日常的に刑務所を見ていました。
刑務所の展示会
私が中年の頃、年に1回位、受刑者が作業で作った靴、タンス、日常品など多くの製作品の販売が行われました。
値段は安く、靴、タンスはすべて手作りの立派なものでした。
受刑者が精魂込めて作った作品です。
裁判所での見学
私は、大学卒業後裁判所に入所しました。
書記官として勤務し、60歳からは簡易裁判所の裁判官として10年間勤務しました。
簡裁判事時代に、研修として長野刑務所の見学をしました。
刑務所の印象
刑務所の中は綺麗で清掃が行き届いていました。
大きな作業所では、多くの受刑者が与えられた作業を黙々とこなしていました。
その傍では刑務官が作業を見守っていました。
受刑者の楽しみ
一番の楽しみは食事だと思います。
昔の刑務所は、食事がまずかったと聞いていますが、今は良くなっているようです。
食事は、受刑者が料理して刑務官もその食事を食べるようです。
朝の食事では、多くの受刑者がパンを希望していました。
※麦飯のせいでしょうか?
外の楽しみは、休憩時の運動や入浴です。
刑務官からの話
刑務官は、犯罪を犯した受刑者に厳しく威圧した態度で接しているかと思っていたのですが、反対で温厚で優しい印象でした。
ある刑務官は「早く受刑者を刑務所から社会復帰させたい。」という気持ちを告げられました。
受刑者に対して思いやりの心で接しているようでした。
刑務所の役割
昔は、刑罰を犯した犯罪者に対しては、厳しく「目には目を、歯には歯を」(ハムラビ法典)の応報刑でした。
しかし、それでは犯罪者は、刑務所を出た後犯罪を繰り返して刑務所に戻ってきます。
現在は、刑務所が矯正局管轄下のように、矯正、教育する教育刑に基づいた刑務所になっています。
受刑者を教育して、社会に早期に復帰させて、二度と犯罪を犯さないように教育して行くことです。
犯罪は憎む行為でありますが、犯罪者はその育った環境、家庭、友人など色んな要素で犯罪を犯します。
ヤクザの子がヤクザになり、教育者の子が教育者になる。
必ずしもその人の個人に全責任があるとは言えず、社会的責任もあるはずです。
犯罪を犯した者に、全て個人の責任として報復の刑を科すという考え方はもう古いのです。
もちろん犯罪者を甘やかすのは、被害者のためにもよくありません。
適正な教育的な矯正が必要なのです。
世界各国の先進的刑務所
世界各地では、自由で開放的刑務所があります。
塀がないとか、看守がいないとか、受刑者のことを考えた刑務所があります。
YouTube動画より紹介
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