🌸ピグマリオン効果🌸
学校で、ひとクラスをAとBの2つグループに分け、テストをする。
Aグループの生徒には一人ひとら
採点した答案用紙を返す。
Bグループの生徒には答案用紙は返えさず、そのかわり一人ひとり生徒を呼んで
「この間のテストはよくできた。
職員室の他の先生たちもびっくりしていたよ」
などと言ってほめる。
しばらくして、またテストをする。
答案用紙を返すのはAグループだけ。
Bグループの生徒には前回同様、
「今度もよくできていた。おまえ、最近すごいなぁ。
やる気が出てきたみたいだなぁ」
と言う。
こういうことを3、4回繰り返した後で、ABそれぞれの平均点を出すと、Bグループのほうが目に見えて成績が上がっているという。
これは「ピグマリオン効果」とも呼ばれるもので、
人は、ほめられると頑張ろうという意欲が増し、
学力向上や技術習得の上達に大きく作用するといわれている。
ただこれには注釈があり、
怠けている人や、努力不足の人をむやみやたらにほめても逆効果になる。
大切なことは、「ほめること」ではなく「ほめ方」なのだそうだ。
「ピグマリオン」とはギリシャ神話に登場するキプロス島の王様で、彫刻の名手である。
心が純粋すぎて、女性に欠点が1つでもあると許せず、そのため「結婚はするまい」と心に誓っていた。
しかし、若さ故にほとばしる欲情から美しい乙女の裸婦像を彫り上げる。
それがあまりにも見事な出来栄えだったので、ピグマリオンは神に祈る。
「この像に生命を与えてください。
願わくば、私と結婚させてください」
と。
するとある日、彫刻の女はほんとに生身の人間となり、ピグマリオンの妻となって子供までもうけてしまう。
この場合の「ほめる」とは、ピグマリオンが彫刻の女にした行為だろう。
彼はまず、その女に「ガラテイヤ」という名前をつけ、
服を着せ、耳飾りやダイヤの指輪、真珠の首飾りで装飾した。
ガラテイアは次第に「その気」になり、人間になってしまったのである。
外山滋比古さんの『知的文章術』という本の中で、この話を読んだとき、最近経験したこんなことを思い出した。
実は今、宮崎県限定なのだが、「JAバンク宮崎」のテレビCMに出ている。
相手役は吉崎綾という若手の女優さんで、
彼女がJAバンクのCMのオーディションにやってきて、
審査員役の筆者とやり取りするという、わずか15秒のCMだ。
撮影の際、ワンカットの度にディレクターが言う。
「はい。ばっちりです。
言うことありません。
とてもいいです」
と。
そして、その後で彼は必ずこう言うのだ。
「えーっと、強いて言うなら水谷さん、もう少し自然な感じでお願いします」
とか
「もうちょっと笑顔を…」
とか。
つまり、全然「ばっちり」でも
「言うことありません」でもなかった。
だから同じシーンを何度も撮り直した。
でも、その度にまたほめられるので気落ちすることもなく、
むしろ「ディレクターの要求にもっと応えよう」という気持ちになった。
撮影というのは、かなり時間がかかるものである。
たった15秒のCMでも、初日は約3時間も1時間ほど現場にいなければならなかった。
それでもディレクターのほめ言葉で終始和やかな雰囲気だった。
人生にはほめ言葉が必要である。
自分の周りに、ほめ上手な人を1人か2人「置いておく」といい。
逆にあなたがほめ上手になると、必ずあなたは必要とされる人になるだろう。
時々、「すごい」、「立派」、「きれい」などと言ってほめると、
「いえいえ、そんなことありません」と、言われほめ言葉を否定する人がいる。
もったいない。
大事な事は「ありがとうございます」と言って「その気」になることだ。
そうすると、そのお世辞通り、いつか「すごい人」「立派な人」「きれいな人」になっていく。
ピグマリオンの神話は事実ではないが、真実なのである。
(「みやざき中央新聞」H29.11.17 水谷さんより)
学校で、ひとクラスをAとBの2つグループに分け、テストをする。
Aグループの生徒には一人ひとら
採点した答案用紙を返す。
Bグループの生徒には答案用紙は返えさず、そのかわり一人ひとり生徒を呼んで
「この間のテストはよくできた。
職員室の他の先生たちもびっくりしていたよ」
などと言ってほめる。
しばらくして、またテストをする。
答案用紙を返すのはAグループだけ。
Bグループの生徒には前回同様、
「今度もよくできていた。おまえ、最近すごいなぁ。
やる気が出てきたみたいだなぁ」
と言う。
こういうことを3、4回繰り返した後で、ABそれぞれの平均点を出すと、Bグループのほうが目に見えて成績が上がっているという。
これは「ピグマリオン効果」とも呼ばれるもので、
人は、ほめられると頑張ろうという意欲が増し、
学力向上や技術習得の上達に大きく作用するといわれている。
ただこれには注釈があり、
怠けている人や、努力不足の人をむやみやたらにほめても逆効果になる。
大切なことは、「ほめること」ではなく「ほめ方」なのだそうだ。
「ピグマリオン」とはギリシャ神話に登場するキプロス島の王様で、彫刻の名手である。
心が純粋すぎて、女性に欠点が1つでもあると許せず、そのため「結婚はするまい」と心に誓っていた。
しかし、若さ故にほとばしる欲情から美しい乙女の裸婦像を彫り上げる。
それがあまりにも見事な出来栄えだったので、ピグマリオンは神に祈る。
「この像に生命を与えてください。
願わくば、私と結婚させてください」
と。
するとある日、彫刻の女はほんとに生身の人間となり、ピグマリオンの妻となって子供までもうけてしまう。
この場合の「ほめる」とは、ピグマリオンが彫刻の女にした行為だろう。
彼はまず、その女に「ガラテイヤ」という名前をつけ、
服を着せ、耳飾りやダイヤの指輪、真珠の首飾りで装飾した。
ガラテイアは次第に「その気」になり、人間になってしまったのである。
外山滋比古さんの『知的文章術』という本の中で、この話を読んだとき、最近経験したこんなことを思い出した。
実は今、宮崎県限定なのだが、「JAバンク宮崎」のテレビCMに出ている。
相手役は吉崎綾という若手の女優さんで、
彼女がJAバンクのCMのオーディションにやってきて、
審査員役の筆者とやり取りするという、わずか15秒のCMだ。
撮影の際、ワンカットの度にディレクターが言う。
「はい。ばっちりです。
言うことありません。
とてもいいです」
と。
そして、その後で彼は必ずこう言うのだ。
「えーっと、強いて言うなら水谷さん、もう少し自然な感じでお願いします」
とか
「もうちょっと笑顔を…」
とか。
つまり、全然「ばっちり」でも
「言うことありません」でもなかった。
だから同じシーンを何度も撮り直した。
でも、その度にまたほめられるので気落ちすることもなく、
むしろ「ディレクターの要求にもっと応えよう」という気持ちになった。
撮影というのは、かなり時間がかかるものである。
たった15秒のCMでも、初日は約3時間も1時間ほど現場にいなければならなかった。
それでもディレクターのほめ言葉で終始和やかな雰囲気だった。
人生にはほめ言葉が必要である。
自分の周りに、ほめ上手な人を1人か2人「置いておく」といい。
逆にあなたがほめ上手になると、必ずあなたは必要とされる人になるだろう。
時々、「すごい」、「立派」、「きれい」などと言ってほめると、
「いえいえ、そんなことありません」と、言われほめ言葉を否定する人がいる。
もったいない。
大事な事は「ありがとうございます」と言って「その気」になることだ。
そうすると、そのお世辞通り、いつか「すごい人」「立派な人」「きれいな人」になっていく。
ピグマリオンの神話は事実ではないが、真実なのである。
(「みやざき中央新聞」H29.11.17 水谷さんより)
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