へちま細太郎

大学院生のへちま細太郎を主人公にしたお話。

お盆といえば

2011-08-15 01:10:02 | へちま細太郎

こんばんは、へちま細太郎です。

お盆といえば、例のあの人たちが活発になる時で、うち中と言わず行く先々にもついて来る。
といっても、鎧甲のおじさんが帰らないというお化けのセオリーを無視したおかげで、我も我もとこの世に留まる不届きな連中が増えてきた。
ご先祖代表の近衛少将さんは、たまに現れては子孫を説得するどころか、お盆やお彼岸になると田吾作に喧嘩を吹っかけに行く始末。
田吾作も応戦して、今では須庭寺が戦場と化していて、住職さまは呆れ返るわ、ヤンキー副住職は完全シカトである。
今日も近衛少将さんが須庭寺で田吾作と取っ組み合ってると聞いて出かけてみれば、孝太郎さんが本堂の廊下に寝転んで見物していた。
「聞いたけど、あの雛人形、おまえんちのご先祖さまなんだって?」
「誰が言ったの?」
「自分で話してた、麿は右大臣家の御曹子であるぞ…だってさ」
「…」
生きているならいざ知らずな自慢話を、何考えてんだ。
「田吾作じじいは人参嫌いだから、仏壇にあげといた」
棒斐浄寺の京さんこと尼御前さままで、参戦している。
…んだけど、
「京さま、田吾作さまはご先祖さまなのですから」
って、百合絵さま、あんたまだいたんかいっ。
ある意味、ご先祖さまたちより、意味不明な人である。
う~ん…。


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