へちま細太郎

大学院生のへちま細太郎を主人公にしたお話。

転んで雪だるま

2010-02-09 22:38:52 | へちま細太郎
こんばんは、へちま細太郎です。

昨日からスキーに来ているけど、ぼくはスキーは初めてだ。小さなころにきたことはあるけど、雪の中に埋まってしまって風邪をひいてしまい、心配したおとうさんはぼくを連れていかなくなったんだ。
おかけでぼくはころびっぱなしで、雪まみれ。ふざけたたかのりたちに雪をぶつけられるやら、埋められるやらさんざんなメにあった。 おまけに、
「細太郎く~ん」
と、はるみが寄ってきたので、怖くなって逃げ出してしまった。なんだよ、せっかくのスキー合宿なのに…。
「細太郎くんでも苦手なものあるんだ」
と、野茂に言われてますます落ち込んでしまった。
いいじゃんか、別に…。
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忘れられた息子

2010-02-08 21:43:20 | へちま細太郎
どうも、藤川です

細太郎が今日からスキー合宿で、東北にでかけてしまい、近藤家は祖父母と居候の俺の3人だけだ。
何か変な感じだ。
3人で食卓を囲んでいても、何か足りない。
「やっぱり細太郎の存在は大きいな」
ボソッと呟くと、
「あのバカが子供なしで独身だと思ったら、寂しいことこの上なしだ」
と、おやじさんも独り言。
「一人残してくれたからよかったのよ、二人とも持っていかれたら最悪だわよ」
おふくろさんが、遠い過去を思い浮かべたのかイライラ。
「そりゃあっちも一緒だ」
双子がバラバラで育つっていうのもなあ~。
「ところで…」
と、おやじさんが言った。
「あのバカ息子はいつまで入院している気だ?」
「あ、迎えに来てって言われてたんだ」
おふくろさんが思い出したように、箸をおいた。
「忘れてた」
か、影が薄すぎるぞ、こ~いっちゃん。
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無茶な副住職さん

2010-02-07 23:07:37 | へちま細太郎
こんばんは、へちま細太郎です。

広之おにいちゃんに連れられて、おとうさんのお見舞いに行った。 そしたら病室には、
「何でクソ坊主がいるんだ」
と、広之おにいちゃんが副住職さんの座っている椅子の足を蹴っ飛ばした。
「やかましわい、このくそがきが」
「けっ、クソ坊主」
これが教師と僧侶の会話か…。
「おとうさん…」
見れば、おとうさんは笑っている。
「全く、しょうがねえなあ」
こんな楽しそうなおとうさんの顔は、あんまりみたことがない。
「そんなに、副住職さんといるのが、面白い?」
と、聞いてみると、
「まあな、昔からの知り合いだし」
と笑う。
「昔からの知り合い?」
「カツアゲされたんだよ、このヤンキーに」
広之おにいちゃんが副住職さんのつるつる頭をぺしっと叩いた。
「附属中のガキはいい金ヅルだったしなあ」
副住職さんも笑っている。
この人、いつも苦虫をかみつぶした様な顔をしているくせに、こんな表情もするんだ。
「ふうん」
ぼくが作務衣姿の副住職さんをじろじろと見ていると、
「何見てんだ、クソガキ」
と、すごまれた。
「げっ
一応驚いたけど、ヤンキー慣れしているからあんまり怖くないや。 そんなぼくの様子をみたのか、副住職さんはとんでもないことを言った。
「なかなか肝が座っているガキだ、どうだ、うちの娘と結婚しないか?」
「あ?」
と、ぼくらは一斉に副住職さんをみた。
「あんた、何言ってんの?」
と思わず言うと、
「この口のききかた、なってねえぞ」
と、首根っこを捕まれた。
「どうだ、この甘ったれたおやじから離れて、しばらくうちにこい、鍛えてやる」
とまたまたすごまれた。
「うちの娘はかわいいぞ~、まだ年長組だけど」う
え~っ、冗談じゃねえ~。 おとうさんは笑っているし、広之おにいちゃんは巡回にきた看護師のお姉ちゃんに声をかけていた。
見舞いなんか、こなきゃよかった~。
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休刊

2010-02-06 23:26:49 | 休刊案内
仕事から帰ってきて、寝ちゃってさっきめがさめた。

ねぼけた…

あ~ あ~

静ちゃん、でかっ
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ぽにょ

2010-02-05 22:32:25 | へちま細太郎
こんばんは、へちま細太郎です。

のぶちゃん先生が、優華ちゃんの写真を持って来て、みんなに見せびらかした。
「なんだ、こりゃ」
のぶちゃん先生が優華ちゃんにすりすりしている姿がうつっていた。
「ひえ」
「ぽにょとフジモトだ」
「んじゃ、人面魚と元人間だな」
「今だって人間じゃねえよ」
「つくばった山のとぐろのまけないアホ大将だもんな」
「ハムー」
「ハムー」
みんな言いたい放題だ。
と、ものすごい殺気を背後に感じて、部員全員がおそるおそる振り返った。
「げっ
仁王立ちしたのぶちゃん先生が、ぼくらを睨んでいる。
「だあれが人面魚だあ」
「おめえだ」
そこへ藤川先生が乱入して、写真を引ったくると、
「なんでえ、ただの猿じゃねえか」
と、自分の姪の写真をみてぼやいた。
「さ、さるぅ~?」
のぶちゃんは写真を取り返すと、
「優華はどこにも嫁にやらんからな、とくにおまえらにはな
と、意味不明なことをいって、ぶりぶり怒って教官室に戻ってしまった。
「どうしようもねえ唐変木野郎だ」
藤川先生が嫌そうにつぶやいた。
う~ん、頭がハムーだ。
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教訓

2010-02-04 22:08:32 | へちま細太郎
「いいか、お小遣いをもらったら、ちゃんと報告しろよ」
「はい」
「小遣い帳はきちんとつけろ」
「はい」
「金の貸し借りはするな」
「はい」
「他人を殴ったら…あ、いや、何があっても殴るなよ」
「はい」
「悪いことしたら、素直に謝れ」
「はい」
「いくら証拠不十分でも、悪いことは悪いんだからだな」
「はい…でも…」
「でも、なんだ?」
「民意なら悪いことでも、オッケーなんだよね?」
「それなら仕方ないか」
世の中はそんなに甘くないよな、と横綱は辞めたのに、辞めない人もいるんだ。
分別ないね。
へちま細太郎でした。
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鬼はぁ…

2010-02-03 22:27:24 | へちま細太郎
「…はそちょおっ」
と、菜々子が麦チョコをばらまいた。
勘弁してくれ、ハロゲンヒーターの前でやるのは…。
「ふくはぁうちぃ」
あ~あ~あ~。
「べとべとだ…」
俺はとけかけた麦チョコを拾い、チョコがついたカーペットをふく。 何でこんなことをしなきゃならねえんだ、と思い慶子みれば、昼間ダビングしていた“眠れる森”を見ていた。
「あ~ん、キムタクかわいそう」
くそっ、鬼嫁っ。
春になったら女子高生と仲良くしてやる~っ。
…でも、そんなことしたら、ますます鬼の形相になるな。
トホホな広之おにいちゃんでした。
「おにはぁそちょお」
菜々子、頼むからやめてくれ~。
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おとうさん、再び…

2010-02-02 18:04:08 | へちま細太郎

こんばんは、へちま細太郎です。

一面の雪景色を想像していたら、朝で家を出るころには、地面が見えていた。
「転ぶなよ」
とぼくに言ったおとうさんは、玄関を出るなりひっくり返った。
「足いてえ」
と、治りかけの骨折した足を抱えて転げまわって、おばあちゃんが担いで病院に直行することになった。
後からきいたら、また骨折だって。
「なんだそりゃ」
それをきいたタコ壺保健室の匿名希望の東山先生は、呆れた表情をみせた。
「あんたのおやじ、今年、天中殺なんじゃないの?」
「まあなんだな、早く嫁もらわないと、女運も逃げて行くぞ」
と、片山教授もあきれ顔だった。
「だったら、いい女性を紹介してよ。中島教授のところの浅田さんはなんでもなかったっていうし、みんなおとうさんをおちょくっているわけ?」
と、文句を言ってみたけど、
「まあ、いじられキャラだからあきらめな」
遊びにきていた高校の桜井先生が、意地悪く言い放った。
「結婚されてしまうと、いじれなくなる」
「じゃあ何、おとうさんが結婚したらいじめたりしなわけ?」
「しないよ、嫁さんがいるやつはいじめない主義だ」
なんとも呆れた理屈だけど、おとうさんがいじられキャラなのはわかる…気がする。
「まあ、どうでもいいけどさ。ほんと、おとうさん、おかあさんと再会して早く結婚してくれないかなあ」
思わず本音をいってしまったら、
「まあ、本人たち次第でしょ、こればっかりはどうにもならないし」
「でも、あんたのためにはなるよね」
そうだね、ぼくは心の中でつぶやいた。
そしたら、つばさ君と会えるかもしれなし、と思った。

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雪が降ってきた

2010-02-01 22:04:19 | へちま細太郎
こんばんは、へちま細太郎です。

お昼過ぎに雨が降ってきた。あまりにも寒かったので、もしかして雪かなあ、と思ったけど、学校にいる時には降らなかった。 いつものように部活をしていると、外の部活の人たちが駆け込んできて、
「雪だ」
と、叫んでいる。
「え~?雪なんだ」
ぼくたちはクールダウンをしながら、わくわくした気分が抑え切れ無くなってきたけど、のぶちゃん先生が見ているので我慢していた。
やっと部活が終わって体育館を飛び出すと、空からチラチラ雪が舞っていた。
「積もるかなあ」
「積もるといいなあ」
ぼくたちは真っ白な雪景色になることを想像して、おおはしゃぎだ。 そしたら、
「大雪で困っている人のことを考えろ~っ」
というのぶちゃん先生の怒鳴り声が聞こえてきて、ちらっとシラけてしまった。
めったに降らないんだからいいじゃないか、とぼくは少しだけ面白くなく思った。
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