髭を剃るとT字カミソリに詰まる 「髭人ブログ」

「口の周りに毛が生える」という呪いを受けたオッサンがファミコンレビューやら小説やら好きな事をほざくしょ―――もないブログ

「ドラゴンボールZ ~復活のF~」 レビュー

2016-08-29 21:00:09 | レビュー・考察 (総合)
『ドラゴンボールZ ~復活のF~』が製作されている。
脚本は「鳥山 明」氏ってのが公開された時

髭人としては同氏の直近のマンガ『銀河パトロール ジャコ』を読んでいて

「『フリーザ』と直接関係がある『バーダック』をただの良い父親になっちまったなぁ…
 はぁ…
 こりゃ、『鳥山』氏の脚本の『復活のF』は見るべきじゃねぇな」

と、思って映画を見るのをスルーした。金などかけるのは無駄だと判断してだ、
「ドラゴンボール」好きの友人がキチンと映画館で見に言って

「『復活のF』本当に酷いぞ。俺は、映画館に行ってキレそうになったんだ。
 お前、試しに見てみろよ」

と、言われた。

「この靴下、マジで臭いから嗅いでみ?」

みたいなノリだわな。
髭人はそう言われても1年ぐらい待っていればテレビで放送されるだろと思って
タダで見られるテレビ版を見てみたんだけどねぇ…
その友人の頼みだったので匂ってみたら意外性もなくその通りだったわ…

ってな訳で、折角見たから感想などを書いてみましょうか。



そーそー。
大体、酷評していますのでこの作品が大好きな方はとっととブラウザを閉じましょう。
例えるのなら、上記の靴下なんか比にならないぐらいのくっさいくっさい肥溜めみたいなものです。
嘔吐感が突きあげて来るようなゴミ文章なので不快に感じられたらとっとと逃げましょう。
何の得にもなりません。




主な流れとしては…


残存するフリーザ軍は『フリーザ』を失った今でも他の星に侵略していたが
柱となる『フリーザ』を欠いているので弱体化の一途をたどっていた。
そこで現在フリーザ軍を率いている『ソルベ』は
地球のドラゴンボールで『フリーザ』復活しようと動き出した。

『ソルベ』と『タゴマ』は丁度ドラゴンボールを集めを行っていた若返った『ピラフ一味』から
『ドラゴンボール』を奪い、『フリーザ』を復活させるがバラバラであった。
フリーザ軍の医療技術を用いる事で『フリーザ』は復活に成功するが
『悟空』が更に力を上げた事を知り、4か月もトレーニングを積めば

「戦闘力は130万は確実」

という事で4か月のトレーニングを経て『フリーザ』は地球に来襲する。
その事を銀河パトロールの『ジャコ』が『ブルマ』に伝えにやって来た。
『フリーザ』達が到着し、
『悟飯』『ピッコロ』『クリリン』『天津飯』『亀仙人』『ジャコ』がフリーザ軍と戦闘を開始する。

その頃、『悟空』と『ベジータ』は『ビルス』の自宅で『ウイス』に修行していて『フリーザ』の存在を知らなかったのだ。
『ブルマ』からの通信を遅れて聞き、『悟空』と『ベジータ』は『悟空』の瞬間移動によって駆けつける。

『フリーザ』は『悟空』を標的としていたので『フリーザ』と戦うのは『悟空』で『ベジータ』は観戦する形となる。

以前の最終形態となった『フリーザ』と『悟空』は戦い互いに奥の手を出そうという事になり
『悟空』は「スーパーサイヤ人ゴッドの力を持つサイヤ人のスーパーサイヤ人(後の『スーパーサイヤ人ブルー』)」となり
『フリーザ』は『ゴールデンフリーザ』となって戦う。

丁度それぐらいの時に遅れて『ビルス』と『ウイス』が地球に訪れ
『ブルマ』が用意した『パフェ』を食べ始めていた。

初めは『フリーザ』が押していたがまだ『ゴールデン』形態に慣れていない事が露見しパワーダウン。
『悟空』に対し劣勢になる。それに対し『悟空』は

「帰れ」

と、言った矢先、『ソルベ』の光線銃によって重傷を負わされてしまう。
『フリーザ』は『ベジータ』がまだ忠誠心が残っていて『悟空』を倒せというが『ベジータ』は断り
『悟空』と同じく『スーパーサイヤ人ゴッドの力を持つサイヤ人のスーパーサイヤ人』になり『フリーザ』を圧倒。
『ベジータ』が『フリーザ』にとどめを刺そうという所で『フリーザ』は地球を破壊してしまう。

その時、『ウイス』が時間を3分間戻せる能力を持っていて、
時間を戻してもらい『悟空』が『フリーザ』にトドメを刺す。

そして「ももいろクローバーZ」という女子集団の
『フリーザの復讐』という題材に対して全くそぐわないさわやか系の主題歌が流れる…



では、色々と気になる点を挙げて行こうか…

・戦闘力の雑さ
・『亀仙人』
・『ブルマ』がウザい
・『ジャコ』
・『ビルス』と『ウイス』
・ラスト


主に気になる点はこれかね。
まず、

・戦闘力の雑さ
 『フリーザ』は4か月のトレーニングで戦闘力130万は確実と言っていたが
 昔の『フリーザ』の第二形態に毛が生えたようなもんじゃねーか。
 昔の第二形態時に

 「戦闘力は100万以上確実か…」

 というような発言をしていたからな。
 第一形態が前の第二形態ぐらいなら
 順当に考えればこうなる。
 
 第一形態=昔の第二形態
 第二形態=昔の第三形態
 第三形態=昔の最終形態
 最終形態≒人造人間19&20号レベル?
 ゴールデン形態≒人造人間17&18号レベル?

 『ゴールデンフリーザ』は『セル』第二形態ぐらいにフルボッコにされる絵しか思えんのだがな。

 ってか、それなら『ネイル』『神様』と同化した『ピッコロ』と良い戦闘が期待できるんじゃないだろうか?
 勿論、フリーザの変身の戦闘力の上がり幅は上記と同じとは限らんけどね。
 
 『ソルベ』が『シサミ』に対して

 「『ザーボン』『ドドリア』にも匹敵する」
 
 とか言っていたので『シサミ』の実力は戦闘力2~3万程度と推測される。
 それに負ける『ピッコロ』…
 『42000』の戦闘力であった単体『ネイル』以下になってしまうというのは実に悲しい。
 『シサミ』に対して『魔貫光殺砲』を撃っていたけど
 初回使った時に山に穴を開けてたほどの威力を持っていたのに
 地面に撃って特に演出なしだもんな…(溜め時間がなかったからって事にしておこう)

 どうやら『ナメック星人』は同化後、訓練を怠ると弱体化の幅がとんでもないって事のようだな…

 ま、その130万と思われる初期形態のフリーザに腹にワンパンチ食らっただけで
 心臓が停止する情けない『悟飯』も同様であるが…

 いや、飽くまでトレーニング前の『フリーザ』の推測だからな。
 実は桁を間違えて130万じゃなくて130億ぐらいになったんじゃなかろうか?
 嬉しい誤算だな。

・『亀仙人』
 良く巷で「復活のF」の話となると

 「『ピッコロ大魔王』にも勝てなかった『亀仙人』がフリーザ軍兵士相手に善戦する訳がない」
 「本当はこれぐらいの実力を持っていた」
 「あれから密かに修行していた」 

 って話題になる。
 まぁ、上記の弱体化でもう戦闘力に関してはもはや言うまい。
 個人的に気になるのはかつての『天下一武道会』の準決勝で
 『天津飯』と戦って後の世代に託してあっさりと負けた『亀仙人』が何でまた戦っているんだよと…
 もう『悟空』達に譲って見守るぐらいでいいのに何でしゃしゃり出て来るんだよ。

・『ブルマ』がウザい
 『フリーザ』に対して

 「くそったれフリーザ」
 「帰ったほうがいいんじゃない?」

 などと挑発的発言。
 その時点でいくら『フリーザ』より『悟飯』が強いと思い込んでいたにしても
 必ず守ってくれるっていう自信がどこから湧いて来るのかと…
 お前の旦那、『悟空』がいるすぐ脇で『フリーザ』に

 「『カカロット』こそスーパーサイヤ人だ」

 だなんて挑発的な事を言っている所で胸貫かれて殺されてんねんで
 (それ以上に『悟飯』の力があると思い込んでいたんか?)

 前作で『ビルス』にビンタしてお返しを食らっていただけだから
 殺される事はないっていう確固たる自信があるのだろうか?
 個人的には大人しく出来ないのなら旦那と同じく胸貫いて殺されて欲しかったのだがな。
 どーせドラゴンボールで生き返れるからここで殺したって問題ないだろ。

・『ジャコ』
 ロクに説明もなしに当たり前のように登場させていることに衝撃だわ。
 しかも『ジャコ』が

 「お前の姉の『タイツ』が『フリーザ』を倒した奴と友達と言っていたがそうだが…」

 なんてサラッという。
 『ジャコ』未読の人は

 「『タイツ』っていう姉が『ブルマ』にいるだと?」

 軽い発言で観客を困惑させるって凄いな…
 一応、髭人は『ジャコ』は読んでいて知っていたけどこの出し方は酷いと思ったわ。
 鳥山作品である『ジャコ』は読んでいて当たり前、読まない奴が悪い。
 そんな考え方なの?
 未読の人可哀想だわ。
 金魚を見るなんてくそどーでも良いシーン出すよりもっと解説せんかい!!
 しかも、そんなポッと出の奴がフリーザ軍兵士と戦う所で尺を取っているし…
 いらんわ。『ジャコ』

・『ビルス』と『ウイス』

 『悟空』と『フリーザ』の戦闘中にのんきにパフェを食うとか…
 食べたイチゴの数を言い争っていたり…
 よくもまぁ…
 宿敵『フリーザ』との戦闘でそんな緊張感を無くすような事出来るもんだわ…


・ラスト

 通常の最終形態に戻ってしまった『フリーザ』が地に伏している状況で
 『ベジータ』がとどめを刺そうとして一歩早く『フリーザ』が地球破壊。
 それを外野とも言える『ウイス』が時間を戻すなんて事をする始末。

 将棋で言えば「待った!」をかけて勝つ主人公ってどうなん?

 しかも「待った!」を成功させたのは本人じゃなくて『悟空』本人じゃなくて知り合いだからな…

 『フリーザ』はまた地獄に戻り、ほんわか空間でミノムシとなって発狂する。

 

こういった印象を受けた。
いや~。友人の言うとおりだったわ。
というか、ガチの熱い『フリーザ』との戦闘を期待して見に行った人たちは
最後のミノムシ『フリーザ』のような心境になったんじゃなかろうか?

いや~。映画館に見に行かなくて正解だったわ。
チケット代や映画館までの移動時間や待ち時間を無駄にするところだったぜ。
危ない危ない。我ながら良い勘していたと実感する。

まぁ、この映画は最初の『フリーザ』の復活シーンが曲と相まってカッコイイ、
他に褒めるべきところって言ったら映画だけあって戦闘シーンがカッコ良かったぐらいだな。

ただ、それは今までの映画の戦闘シーンにも言えるからこの作品独自って訳ではない。
そうそう。『悟飯』達が『フリーザ』の部下と戦っていたがあれ全員で5分ぐらいあるからね。(『ピッコロ』の『シサミ』戦含めると8分ぐらい)
あんな名無しの雑魚と戦っていて飽きるわ。

『仮面ライダー』で戦闘員との戦いでそんな長時間戦うか?

『ピッコロ』が『メタルクウラ』の映画の時に、雑魚ロボットに対して

体から気を発して一掃していたようにサッと倒せばいいのに長すぎ…
ゆっくりトイレに行っても

「まだ戦っているよ…」

ってなるわ。

しかもこの作品の為に出て来た新たな必殺技などもない。
出てきたのは「かめはめ波」や「気功砲」や「魔貫光殺砲」ぐらいだもんなぁ…
せいぜい作画面で彼らが丁寧に動いていたというのが見所だろうか?

でももう少し魅せ場なんか考えられなかったんだろうか?
あれだけ多くの敵がいるのなら『クリリン』なら『サイバイマン』を一掃した
ゲームでの名前だが『拡散エネルギー波』があるし
『天津飯』なら味方の数も多い方がいいのだから独自で編み出した『四身の拳』を使いつつ
戦闘力の低下を『界王拳』で補うなんて事をしていても
『界王』から修行を受けていたのだから違和感もないだろうに…

キャラ同士も単独で戦ってコンビネーションもない。
だからやはり丁寧に動いていたというぐらいしか誉める点はない。

最後に『ベジータ』と共闘はしないっていう意気投合で締めていたけど…
『ラディッツ』戦で『ピッコロ』と共闘していたのはアリなの?

ってか、ずっと『悟空』と『フリーザ』との戦いを観戦している『ベジータ』は実にマヌケ。

その後に合流する『ビルス』と『ウイス』
「戦いに参加しない」とは言っていたがより強い奴が傍で見ているって…

絵的には『フリーザ』いじめにしか見えなかった。

あんな状況で戦いだけに集中できるか?
相手の気弾を間一髪で弾いた所に「ビルス」がいてパフェをグシャグシャにしてしまって
「ビルス」が怒って戦いが台無しになるとか、起こりうる事態である。
いらねーだろ。「ビルス」「ウイス」

しかも地球で戦うなんてそんな余裕かましていて地球破壊されるって『悟空』側の完全敗北やん…
惑星破壊を平然と行うような敵を相手にするのならせめて場所を変えろよ。

悟空「フリーザ、強くなったお前と本気で戦いてぇ。
 だから地球を破壊して終わりなんて事はさせたくねぇから場所を移さないか?」

ぐらいの提案をしてほしかった。『フリーザ』がそれに応じるかどうかは別だがね。

状況によって共闘もいいんじゃないかって思うんだけどねぇ…
「メタルクウラ」戦でギリギリの戦闘は熱かったわなぁ~。
再びこの作品見るくらいなら「クウラ」作品2本続けて見た方が遙かに有意義である。

安易に『フリーザ』なんて持って来ずに新規に新しくカッコイイ敵を生み出すべきだったね。

ハッキリ言ってこの作品は『フリーザ』の株を下げただけの作品。
「ビルス」に「様付け」とか…
たった4か月でそれぐらい強くなるんなら数年トレーニング積んだら『ウイス』越えも余裕だろう。
何故それをせずに『コルド大王』は

「『魔人ブウ』と『破壊神ビルス』には手を出すな」

などと怯えているのか…
何やねん4か月っていう中途半端な期間は?
ツッコミ所が豊富過ぎるわ!

というか本作で株を上げたキャラクターがいない。

『悟空』は光線銃にやられるし
『ベジータ』は「カカロットのように甘くない」とかほざいていながら地球を破壊されるし
『ブルマ』はうぜぇし
『ジャコ』はお前誰?だし
『悟飯』『ピッコロ』は弱体化しただけだし
『亀仙人』は年寄りの冷や水でしかないし
『ビルス』『ウイス』は戦闘中にのんきにパフェなんか食ってんじゃねーよだし

後、『悟飯』達『Z戦士』は酷いわな。
『ビルス』が『ブルマ』に

「お前は生かしておいてやるからそばにいろ」

言われてシレッと近寄るZ戦士の情けなさたるや…
地球爆発時に生き残っているからね。
幼い子供がいる『悟飯』や『クリリン』は父親としてどーなの?
自分だけ生き残れさえすればいいの?
少なくとも家族連れて来ようとするぐらいしておけばなぁ…

後で『ブルマ』から

「『ウイス』さんが時間を戻してくれたから何ともないけど
 あんた達の亭主。自分の命惜しさに『ビルス』様のそばにいて助かって
 あんた達を1度、死なせていることになっているんだからね」

なんて言われたら一生肩身狭い思いするよな。
『ビーデル』は故意ではないからって許しそうだけど
『18号』は『クリリン』に

「ダサッ」

っていびり続けるんだろうなぁ~。

そう考えると『天津飯』が置いてきたという『ヤムチャ』や『チャオズ』は出演しなくて良かったと言えるな。(『トランクス』と『悟天』も)
出演したメンバーが軒並み評価を落としているのだから相対的に評価が上がる結果となったな。


それにしても個人的に言えば『フリーザ』はもう悪役としての素材を既に使い切っているんだよね。
元々、「『悟空』に負けるぐらいなら…」とナメック星を破壊しようと試みたり
フルパワーで戦ってみてその後に『悟空』と『フリーザ』についてシーンを振り返ってみると(アニメ版)

悟空「やめだ」

と、構えを解いて直立する悟空。

フリーザ「な…何だと!?
 やめだとは、どういう事だ!」
悟空「貴様は100%のパワーを使った反動でピークを過ぎ、気がどんどん減っている。
 これ以上戦っても無駄だと俺は思い始めた。
 もう俺の気は済んだ。
 貴様のプライドは既にズタズタだ。
 この世で誰も超えるはずのない自分を超える者が現れてしまったのだからな。
 しかもそいつは…
 フッ… 
 たかがサイヤ人だった…
 今の怯え始めた貴様を倒しても意味はねぇ。
 ショックを受けたまま生き続けるが良い。ひっそりとな…
 俺は地球に帰る。今ならギリギリ間に合いそうだ」

(上記の「フッ」って嘲笑する煽りは凄い好き。原作にはないアニメオリジナルのようだが…
 「だから滅びた」「今度はこの俺が貴様を滅ぼす」「クリリンの事か―――!」に比べると知られていないけどね)

スーパーサイヤ人を解除し

悟空「フリーザ、もう悪さをするなよ。おめーの面はもう見たくねぇ…」

そういった『悟空』が飛び去ろうとして

フリーザ「ふざけるな!ふざけるな!!
 俺が…俺が…俺が…負けるか―――!!」

『フリーザ』は誘導気円斬を放つ。

悟空「本当にバカな奴だ!オラは最後のチャンスを与えてやったんだぞ!」

振り返り憤る悟空。
執拗に誘導気円斬を使うフリーザ。
だが、『悟空』の機転もあって自滅。
それから

悟空「自業自得とはいえ貴様らしくねえ惨めな最期だな」
フリーザ「…。たすけてくれ。頼む…たすけてくれ…」
悟空「貴様はそうやって命乞いをしたものを一体どれだけ殺したんだ!」
フリーザ「た、頼む…」

と、命乞い。
それで『悟空』から気を分けてもらう。

悟空「俺の気を少し分けてやった。貴様ならその体でも十分動けるはずだ。
 後は勝手にしろ」
フリーザ「フッフッフッフ…
 こいつは意外だったな。俺にエネルギーを分け与えるとは…猿野郎…」
悟空「貴様は宇宙空間でも生きていけるんだろ?
 だったらサッサとこの星を脱出するんだな。
 生き延びて命をありがたさを思い知るが良い」

そのように言われて飛び去る『悟空』に対し
自身はボロボロ、それでもプライドにしがみつき

フリーザ「俺は宇宙一なんだ
 宇宙の帝王『フリーザ』なんだ!
 だから貴様は…猿野郎の貴様は…俺の手によって死ななければならない…
 貴様は俺に殺されるべきなんだ―――――――!!」

と、攻撃を放って

悟空「バカヤロー――――――!!」

と、返り討ちに遭ってやられる。
(この時の『悟空』の何とも言えない複雑な表情が良い。
 『クリリン』の仇や滅ぼされた『サイヤ人』の無念を晴らしたとはいえ
 こんな結末になってしまった事や自身が力を分けてやった事の後悔などを凝縮した表情である)

2度助かるチャンスをもらっておきながら(1度は自身で命乞いをしておきながらである)
自身のプライドによってそれをふいにする敵
それが『フリーザ』という悪党である。

そんな奴、改心するわけないやん。しかも復讐するって地球に来ているのだから…
とっとと殺すしかない。
だから『未来トランクス』が『メカフリーザ』をスパスパ斬って
吹き飛ばしていたがそれが最も正しい行動。
下手に猶予を与えるから地球破壊をされたのだ。

最後は四つん這い状態の『フリーザ』を時間戻してもらって攻撃して倒すとか…
絵的に酷いぞ。

じゃぁ、隙を見せた『フリーザ』を瞬殺するようなそんな映画が良いかつったらダメだよ。
完全体『セル』に『悟空』は瞬間移動して『かめはめ波』を放っていたがそんな不意打ちで勝利を映画で見せられて
納得する人はいない。

「ドラゴンボール」である以上は激闘に次ぐ激闘で何とか勝利する。
そういうもんじゃないと…
だから、そんな戦闘を見せられないような『フリーザ』は素材として使い切っているんだよ。

紅茶のTバッグを何度も使って薄い紅茶に金箔浮かべて
何かちょっと豪華にみせかけているだけのようにしてとしか言えん。
飲んでみたら中身うっすいぞ!

新しいボスを用意するべきだったんだよ…


後、『ゴールデンフリーザ』も何なんって言わざるを得ない。

映画での敵と言えばパラレルであるが『フリーザ』の兄『クウラ』がいる。
初回の変身のマスクがカチャッと閉まる演出は非常にカッコイイ。

2回目の『メタルクウラ』は本作の『ゴールデンフリーザ』と比べて
銀と金との違いって感じで金属感がかぶっている。
しかも、『悟空』と『ベジータ』が共闘してやっと勝つという状況の直後にある崖の上の集団『メタルクウラ』
スクリーンの前で絶望感の前に凍り付いた少年たちが想像に難くない。
それぐらい印象的なシーンであったが、本作はそれに匹敵するようなものって…あった?

思い浮かばないのだが…

うう~ん…
結論として

「復活のF」というより「復活しない方が良かったF」

ってトコかなぁ~。

そうだ。
上記の株を落としたキャラの中で本作の脚本家であり原作者でもある「鳥山 明」氏も株を落とした事になるな。
というかハリウッドの実写版の「DRAGONBALL EVOLUTION」の予告編の冒頭で

「脚本やキャラクター造りは原作者としては
 『え?』って感じはありますが、監督さんや俳優の皆さん、
 スタッフなど、現場は超優秀な人達ばかりです。
 ボクやファンの皆さんは別次元の『新ドラゴンボール』
 として鑑賞するのが正解かもしれません。
 もしかしたら現場のパワーで大傑作になっているかもしれません。
 おおいに期待しています!!」

などと言っていた。
この時は映画放映前のコメントで「神と神」では

「ハリウッド映画、実写版のドラゴンボールのとき、
 脚本があまりにも世界観や特徴をとらえておらず、
 さらにありきたりの面白いとは思えない内容だったので、
 注意をしたり、変更案を提示したりしたにもかかわらず、
 向こうは妙な自信があるようであまり聞き入れてもらえませんでした。
 結局できあがったのは、案の定な出来のドラゴンボールともいえないような映画でした。」

とインタビューで言っていたそうだ。
そういった原作者様の出来がコレですか…
実写版よりはマシかもしれないけど実写版はドラゴンボールをあまり知らないアメリカ人がゴリ押しした結果だからな。
日本人だって外国の作品を自分達で描いて批判を受けたなんてケースはあるだろうからさほど責めはせんわ。
失敗は失敗だが…
だけど本作は原作者様だもんなぁ…

まぁ、鳥山氏自身が

「これが私自身のドラゴンボールだ!!」

って言うのなら否定はしないよ。というかしたらアカン。
だって「ドラゴンボール」は鳥山明氏の作品なんだからね。
それを忘れたらアカン。

ただ原作者自身が「みんなが白熱したドラゴンボールの熱さ」を理解してなかったんだなっていう
悲しい真実がこの作品によって明るみに出た訳ですわな。



そういえばドラゴンボールで一時、編集を担当していた「鳥嶋 和彦」氏は
とあるインタビューで

「鳥山さん自身の『描きたいもの』は申し訳ないけどつまらないんですよ(笑)。」

なんて言っていたからな。
故に

「担当である鳥嶋氏がいたからドラゴンボールは人気が出たのだ」
「鳥嶋氏なしの鳥山氏じゃダメだな。」

なんて声も挙がっているって事で物凄く評価されているものな。
(ただし、本作を滅多に誉めない『鳥嶋』氏が誉めたなどと『鳥山』氏が明かしている)

鳥山氏のマンガで「Dr.スランプ アラレちゃん」で鳥嶋氏に似せた『Dr.マシリト』を思い出した。
同キャラは世界征服を企み
幾度となくアラレちゃん達に挑み、悉く敗戦し
最終的に自身を改造し『キャラメルマン』として『アラレちゃん』に戦いを挑んだ結果
『アラレちゃん』に扮した『オボッチャマン』に

「ごきげんようさようなら砲」(アラレちゃんで言う『んちゃ砲』)

で消し飛ばされ死んでいたからな。
皮肉にも自身がキャラメルマンとして作り上げたロボット(実際はアラレちゃんのコピーだが)に
殺されるっていう悲しい結末だった。

そう考えるとある意味、鳥嶋氏こそが復讐を果たしたんじゃないかって思ったりもしている(笑)



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