2007.5.11(金)快晴
7:00 起床
9:10 高松YGH発~高松城~宇高国道フェリー11:07発~宇野港着12:10~R30~県道62~林~県道21~県道22~県道275~サイクルショップタケチ
~R430~
18:00 倉敷YH着~倉敷市街
四国は日本の縮図である、という貴田君のおおせの通り海有り山有り、都会有り田舎有りである。古代文化で言えば、畿内の文化、九州の文化、中国地方の文化が入り交じり、総満艦飾というところである。さて道路事情だが、山間部は狭くて大型車の通行が多い。
山地が急峻な上、迂回路がない場合が多いからだ。しかし全体的には交通量は少なく、走りやすいといえる。歩道の段差は四県とも少なく、九州、特に福岡の強烈な段差に比べ、人と自転車に優しいといえる。気にくわないのは下り道のスリップよけの縦の線である。急な下りには必ずと言っていいほど切ってあり、マウンテンバイクならともかくロードレーサーでは恐怖だろう。
香川県は過去に9回訪れている、それでも高松城は訪れていなかったので、四国の最後の訪問として行ってみる。この城は秀吉の四国征定後、生駒氏四代、以降松平氏が明治まで城主であった。天守閣は明治17年に取り壊されており、現在発掘調査が進行中である。残った櫓や御門も空襲で焼け、どうも当時のものは月見櫓、水手御門のようである。
旭門から入ったのであるが、この門と枡形は素晴らしい巨石の切り込みハギで、コンクリートでつないであるのではないかと近寄ってみたほどだ。ところが桜御門は切り込みと打ち込みハギが同居しているのだ。途中で改修したものか。空襲時の焼け跡も残っていて生々しい。
左:旭門(切り込みハギ) 中:桜御門(切り込みハギと打ち込みハギが同居)
右:天守台
月見櫓の方に行って、珍しいものを発見する。かんかん石と呼ばれるサヌ カイトが石垣に使われているのだ。ほとんどの石は花崗岩なのだがその中に黒いサヌカイトの断面が覗いている。たたいてみると確かにカンカンと金属音がして、ニヤリとする。その黒い断面を見ると、かつて石器の材料として使われたことがよく解る。鹿櫓跡の方に歩いてゆくと、サヌカイトばかりの低い石段まで出てきた。二の丸跡の石垣にも少し使われているが、天守台には見あたらない。よく観察すると、低い石垣にしか使われていない。
強度的に問題があるのだろうか。また、お城の南側、桜馬場や旭門あたりでは見かけない。これは単なる偶然なのだろうか。
月見櫓で見つけたサヌカイト、その右方にはサヌカイトだらけの石垣もあった。
もう一つの高松城の特色は、堀の水は海水であるということだ。海とつながっているために、潮の干満に左右され、水門を設けて調節をしている。水門を覗くと、凄い勢いで海水が流れ出ており、引き潮の時間なのだろう。
高松城から数分のところにフェリー乗り場がある。高松、宇野間のフェリーは30分おきのフェリーが二社あるので、実質15分おきに出ているそうだ。私が初めて四国を訪れたときは勿論橋など架かっていなくて、宇高連絡船というのが本四間の主要交通機関であった。奇しくも今日乗った栗林丸というのはその時乗った船ではないか。名前だけで船は変わっているのかも知れないが、確認のしようがない。一時間で宇野に着く。やはり橋より船の方が旅情がある。ここで四国でお世話になった四国パスポートを廃棄する。四国四県で通用する割引券が着いており、大きなところでは宿泊料2割引なんてのもあってなかなかお得である。最近こういう類の冊子が流行みたいで、必ず観光案内所のようなところで確認すべきだ。割引もともかく旅のプランを立てるのに参考となるのではないか。
左:玉比咲神社 中:由加神社 右:藤戸源平合戦跡
武智君は私がトライアスロンの審判講習会で全国を回っているとき、鳥取の講習会に参加して資格を得て、その後各地の大会で活躍されたものである。
まじめな姿勢とポリシーのある態度で大変好感を持っていた。サイクルショップをやっているので、行くぞというメールは既に入れていたのだが、おどかしてやろうと思い、いきなりの訪問となった。仕事をしているところへ「こんにちは」なーんて行ったら驚いたこと、私がまさかツーリングしているなんて半信半疑だったそうである。ご両親も交えていろんな話が弾み、今夜は倉敷で一杯飲もうという約束をして、倉敷の宿に向かう。その間私の自転車をいろいろと手入れしてくれて、快調に走ることができた。ちょっとさわるだけでこれだけ調子が変わるか、さすがプロの技である。
1万キロを走行した初恋号を手入れしてくれる武智君。
宿に着くとすぐにシャワーを浴び、倉敷駅に向かう。倉敷らしい居酒屋で昔のこと、今のこと、未来のこと、楽しく話する。そういえば今日は走行1万キロを超えた日である。
走行距離59Km 累計10,048Km 経費4,050円
★倉敷YH 一泊2,940円 スクエアガーデンの南の小高い丘の上にある。市街の夜景が最高。
★峠列伝(56)由加の峠 岡山県県道62号線由加神社付近 困難度2 景色2 水場無し 歩道一部有り トンネル有り 長尾あたりから直線的に登っているので、結構きつい。