幻の米が溶け込む唯一無二の味「多古米白湯」
成田空港の東側に位置する香取郡多古町。田園風景の広がるこの町は良い土壌に恵まれ弥生時代から稲作が盛んで、全国食味日本一にも輝き「おかずのいらない米」とも評されるコシヒカリのブランド米「多古米」の産地として知られている。ただ成田に近いものの町内に鉄道の駅がないため、アプローチには少々難儀する。
最寄り駅という事では芝山鉄道の芝山千代田駅になるが運行本数が少なく、町の中心部まで6~7キロ離れているので便は良くない。また多古台バスターミナルとJRの成田駅、八日市場駅、佐原駅、そして成田空港第2ターミナルを結ぶバスがあるが、こちらも便利とは言えない。やはり車で訪れるのが一番良いだろう。
さて、きょうは車で銚子に向かう道すがら、多古町の県道106号=八日市場佐倉線沿いにある「みんなのらぁめんバンブー」に立ち寄る事に。漆喰壁でお洒落なレストランのようなエントランスが目印だ。奥様の実家はこの地で竹屋を営んでいたそうだが、2015年4月にラーメン店を創業。それが屋号の由来にもなっている。
店内はカウンター4席に加えテーブルと小上がりで30席ほど。麺メニューだが、多古米がスープに溶け込んだオリジナル「多古米白湯ラーメン」が魚介醤油、味噌、岩のり塩の3種あるほか、アッサリ系の中華そば、背脂濃口醤油らぁめんもラインナップする。さらに多古米白湯を少量使った「まぜそば」「カレーまぜそば」も提供。
そして小学生までの限定メニューで麺量80gのミニサイズラーメンにジュースとおもちゃが付く「ファンキッズ★らぁめん」もある。タオルエプロンや麺切ハサミ、お子様用割り箸なども用意している上、授乳室も完備しているので子供連れでも安心だ。さすがコンセプトが「家族を大切にするラーメン屋」だけの事はある。
一方のサイドメニューだが、山口農場の多古米をそのまま白飯で、あるいは卵かけ御飯、チャーシュー丼、てりたま丼で楽しめるのは嬉しい。焼餃子、ネギ餃子も魅力的だ。今回は人気No.1という「魚介醤油バンブーらぁめん(1250円)」に、豪勢に「旨辛ネギ餃子(600円)」と「半ライス(150円)」を付けてオーダーした。
まずは旨辛ネギ餃子と半ライスが到着。特製の銅板で胡麻油をたっぷり使って焼き上げたという餃子は、餡に多古町で育てた元気豚を使用しておりジューシーで絶品だ。おとなり匝瑳市産のネギを山盛乗せて、さらに食べるラー油とマヨネーズもトッピング。粒が立って香りも良い多古米と交互に口に運べば至福の時間が。
そして注文から15分ほどで待望のラーメンが到着。スープは千葉県産のマーガレットポークと魚介、多古米などを炊き込んだ白湯だ。粘度が高くクリーミーな飲み口で想像以上にヘビー級。豚も魚介も前面に出過ぎず、米の旨味もしっかり感じられる絶妙なバランスだ。そこに合わせるのは京都の麺屋棣鄂から取り寄せた太ストレート麺。
コシがあり食べ応えも十分である。そしてチャーシューにもマーガレットポークを使用しており大判でホロホロのバラロールが1枚乗。ほか黄身トロリの味玉、山盛のネギ、海苔、魚粉が乗る。米白湯で白飯を食らうもまた良し。唯一無二の味わい、あっという間に完食した。多古町方面にお出かけの方は一度立ち寄ってみては。
<店舗データ>
【店名】 みんなのらぁめんバンブー
【住所】 千葉県香取郡多古町多古3893-1
【最寄】 芝山鉄道「芝山千代田駅」から約6km