大安寺から南へ道路を渡り、元岩清水八幡宮の鎮守の森を通り抜けるとただっ広い空き地がある。その中に大安寺の東西の塔跡がある。
大安寺は、最近の発掘調査により、境内の真ん中を六条大路が通っており、その南側に塔を中心とする塔院があったと考えられている。
大安寺の塔は、大安寺が奈良に移転してから、天平10年頃に、あらかたの伽藍が整えられたのちに、東塔は奈良時代後半に、西塔は奈良時代の末期から平安時代の初めに建てられたらしい。いずれも七重塔であったとされる。
まずは、東塔から見よう。
東塔は、基壇も綺麗に復元されている。
基壇は壇上積で、束石・羽目石・地覆石などで覆われている。この形式は、寺院の基壇の中でも一番格式が高いものと言われており、南都七大寺の筆頭格であった大安寺のものとしてはふさわしい。
基壇の大きさは、一辺21mと当時のものとしてはかなり大きい部類である。
ちなみに、最近発掘された河内の由義寺や各地の国分寺の塔の基壇も同規模であるということだ。
基壇の上には、礎石も復元されていた。
次に、西塔跡に行ってみよう。
西塔跡には、先ほど出てきた道を横切って向かう。
西塔も、東塔と同規模の基壇なのだが、芝生等で覆われているだけで、東塔跡のような整備はされていない。
塔跡の石碑の前に心礎と思われる礎石が一つぽつんと置かれている。
礎石のこの穴は何であろうか。後世のものなのかな。
西塔跡も、塔の基壇があるだけで周囲は何もない広い空間である。奈良市内とは思えないような牧歌的な雰囲気を持つ場所である。
訪れたときは、子どもたちがキャッチボールをしていた。それも可なりではあるな。
このあとは、先ほどの森の中にある元石清水八幡宮を参拝。
大安寺の鎮守社。京都にある石清水八幡宮の元宮という伝承から元岩清水八幡宮と呼ばれている。
奈良の古い鎮守らしき雰囲気がある。パワースポットって感じもするなあ。
これで、大安寺古墳群をあるくもいったん終了。もう一度、野神古墳だけはちょっとチャレンジしないといけないなあ。
早速、調べてみたいと思います。
貴重な情報をありがとうございます。