西乗鞍古墳から道を挟んだ向かい側、天理市の浄水場の奥に二つの丘の高まりがみられる。
これが、小墓古墳と言われる古墳で、6世紀の前半、古墳時代の後期に築造された前方後円墳である。墳丘は三段築成であり、現在は全長80mほどであるが、本来は、周濠等を持つ全長95mを越える古墳であったと考えられている。航空写真などを見ると、墳丘の周りに周濠の跡が残っているのがわかる。
小墓古墳は、過去2回ほど天理市教育委員会により発掘調査がなされており、周濠跡から多量の埴輪や木製品が出土している。
特に木製品は、蓋形・盾形・刀形・翳形・鉾形木製品などが見つかっており、木製の埴輪とも呼ばれている。おそらくは、墳丘の上に埴輪同様に飾られていたのだろう。
ちなみに、前述の西乗鞍古墳、東乗鞍古墳の関係については、西乗鞍古墳、小墓古墳、東乗鞍古墳の順に築造されたと考えられている。ということは、被葬者についても物部氏の一族と言えそうである。
埋葬施設についても、明らかになっていない。西乗鞍古墳、東乗鞍古墳が(西乗鞍古墳は未確認ではあるが、それらしきものがレーザ踏査で判明している。)横穴式石室を持っていることを考えると、小墓古墳も横穴式石室である可能性は高そうではある。
今回、小墓古墳については、上水道の奥に位置し、アクセス道もはっきりしなかったので、道路から棟目に観察するにとどめた。
ただ、西乗鞍古墳の道を挟んだ向かいぐらいに、この古墳の説明板が立てられていた。
なお、何故か知らないが小墓古墳については、杣之内古墳群からは外されて国の史跡指定は受けていない。まあ、将来的には受けるのかもしれないけどね。
今回の杣之内古墳群めぐりはこれで終了。この後国道25号線を歩いて天理駅へ向かう途中、西山古墳の天井石と言われる石がある市座神社があるのだが、立ち寄るのを忘れてしまうというミスをしてしまった。(笑)
非常に残念である。
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