25日午後のニューヨーク外国為替市場で円が主要通貨に対して急伸している。対ドルで一時1ドル=90円85銭近辺とほぼ4週間ぶりの高値、対ユーロでは1ユーロ=118円74銭近辺と約1カ月ぶりの円高水準をそれぞれ付けた。イタリア総選挙の結果次第で同国の財政再建が滞るとの警戒感を手掛かりに、市場参加者が利益確定目的の円の買い戻しに動いた。
円は昨年末以降、安倍晋三政権の経済政策などを背景に下落が続いていた。イタリア政局などをきっかけに海外ファンド勢が売り持ち高の手じまいに動いたとの見方が出ている。外為市場以外でも運用リスクを避ける動きが強まり、米株式市場ではダウ工業株30種平均が前週末比で200ドル超下げた。
円は最近の取引範囲の上限(対ドルで92円、対ユーロで121円前後)を上回ると、損失限定目的の買い戻しも巻き込んで一段高となった。25日のオセアニア市場で付けた安値に比べると、対ドルで4円近く、対ユーロで6円50銭程度、それぞれ一気に円高が進んだことになる。
日銀の次期正副総裁の人事報道を受けた円売り・ドル買いが一服したことで、一段の円売り材料の乏しさが意識された可能性もある。
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