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「カジノ解禁」五輪で追い風 経済効果は7兆円超! 「早ければ5年後にも」

2013年09月20日 08時06分18秒 | 経済
 2020年東京五輪が決まったことを受け、日本でのカジノ解禁に強烈な追い風が吹き始めた。観光産業の拡充に迫られる政府が、カジノ構想を推し進める可能性が出てきたのだ。来月には、議員立法の「カジノ関連法案」が臨時国会に提出される見込みで、「早ければ18年にも日本にカジノリゾートが誕生する」という見方や、「経済波及効果は7兆6600億円」とするリポートもある。各方面で商機をつかもうとする動きも活発化しており、期待感は高まるばかりだ。

 永田町ではいま、秋の臨時国会での提出が確実視されている、ある法案の行方に注目が集まっている。

 特定複合観光施設区域整備推進法案。劇場や国際会議場、ホテルを併設する統合型リゾート「Integrated Resort=IR」の整備を推進するためのもので、別名「IR推進法案」、あるいは「カジノ法案」と呼ばれている。

 永田町関係者は「米ラスベガスやマカオなど、海外ではIR型のカジノ施設が主流。法律は、海外と同じようなIRを建設する下地を作るためのものだ。可決されれば、カジノ解禁が一気に加速する」という。

 カジノ構想は、02年に当時の石原慎太郎東京都知事がブチ上げてから、省庁間の利害調整などが障害となって、実現への動きは遅々として進まなかった。だが、今回ばかりは「進展がありそうだ」と見る向きが多い。

 「法案は、カジノ解禁を目指す超党派の『カジノ議連』が中心になって作られたが、この議連の最高顧問には、安倍晋三首相や麻生太郎副総理兼財務相ら政権中枢も名前を連ねている。安倍政権はカジノを『成長戦略の目玉のひとつ』と位置づけており、五輪とともにカジノを経済再生の起爆剤にするべく、強力に後押しするはずだ」(同関係者)

 夕刊フジで『カジノ式馬券術』を連載し、カジノ議連のアドバイザーも務める作家の松井政就氏は「7年後の東京五輪に伴い、世界スタンダードのカジノの需要が確実に高まる」といい、こう続けた。

 「欧米では、競技を賭けの対象にするスポーツブッキングが一般的。競技の勝ち負けを予想するのも、五輪の楽しみのひとつになっている。宿泊施設の拡充が求められる中で、カジノとホテルが一体となったIRの必要性が出てくる。そういう意味では、今回が唯一最大のチャンス。これを逃すとカジノ解禁は難しいと言ってもいい」

 こうした流れを見越してか、カジノ関連企業の動きも活発化している。

 カジノ運営会社の米ラスベガス・サンズとMGMリゾーツ・インターナショナルは、日本でのカジノ建設に向けて、候補地探しに着手していることを明らかにした。

 国内では、ゲーム機メーカーのセガサミーホールディングス(東京都港区)が、韓国・仁川国際空港隣接エリアで、現地企業と協力してカジノを含む複合型施設事業の開発を推進している。日本でのIR事業参入に向けて「運営・開発ノウハウの集積に努めている」(同社広報)という。

 人材の育成も始まっている。

 04年に開校した日本で唯一のディーラー養成学校「日本カジノスクール」(東京都新宿区)では、これまでに400人の卒業生を輩出し、うち約70人が海外のカジノでディーラーとして活躍しているという。

 自らも20年以上、船上カジノなどでディーラーとして活躍していた大岩根成悦校長(43)は「カジノ構想が進まないため、生徒数は年々減少していたが、今年4月から入学希望者が急に増えてきた。東京五輪の開催決定は、カジノ解禁への追い風を感じ始めていた矢先の吉報だった。流れが来ているのを実感する」と話す。

 では、日本版カジノができるのは、一体いつごろになるのか。

 カジノ議連のメンバーで、東京都議時代からカジノ誘致運動に関わってきた柿沢未途衆院議員は「早ければ18年ごろではないか、法整備を完全に終えるのに2年。施設建設や誘致自治体の選定などに3年として、大体5年だ。あるいは、もっとスピード感を持たせることもできる」と語る。

 候補地としては、東京・お台場が最有力で、橋下徹大阪市長が誘致に熱心な大阪・りんくうタウン、沖縄などの地方都市との同時開業もあり得る。柿沢氏はいう。

 「2010年に日本より一足早くIR施設を開業したシンガポールは、観光収入が前年比1・5倍アップし、経済成長率14・5%という驚異的な数字も記録した。日本でカジノが実現すれば、これ以上の成果も期待できる。五輪との相乗効果で経済成長の大きな起爆剤となるはずだ」

 大阪商業大学の佐和良作教授らの「カジノ開設の経済効果」という論集では、日本でカジノが開設された場合、市場規模は2兆1517億円~3兆4438億円、経済波及効果は4兆7873億円~7兆6619億円、誘発雇用人員は49万1863人~78万7204人と計算している。

 アベノミクスの強い推進力となる可能性は高い。東京五輪の祝賀ムードに乗り、関係者らの悲願達成となるか。
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東電、10年で1兆円捻出 汚染水含む廃炉費用に

2013年09月20日 07時53分17秒 | ニュース
 東京電力の広瀬直己社長は19日、安倍晋三首相との会談で汚染水対策を含む廃炉費用として追加で1兆円を確保する考えを示した。福島第1原子力発電所の廃炉処理を円滑に進めるため。投資抑制やコスト削減などで10年間かけて捻出する。今回は国に追加出資などは要請せず自力で乗り切る方針だが、柏崎刈羽原発の再稼働が遅れている東電には重荷となる。

 安倍首相は事故を起こしていない5、6号機も廃炉にするよう求めた。地元自治体なども東電に繰り返し廃炉を求めてきたが、東電は慎重だった。今回廃炉を受け入れる方向なのは10月にも廃炉の損失に関する会計ルールが変わるためだ。

 従来なら5、6号機を廃炉にするのに今期で2000億円の特別損失を計上する必要があり、財務悪化を嫌って東電は廃炉を決断できなかった。新ルールなら特損は700億円程度で済む見通し。残りの1300億円は10年かけて費用として分割計上し、一挙に損失が出ないようになる。新ルールでは国が認めれば電気料金に上乗せできる。

 5、6号機を廃炉にするのは事故を起こした1~4号機の廃炉作業に集中する狙いだ。そのうえで東電は1~4号機の廃炉処理の資金としてさらに1兆円を確保する方針も示した。年1000億円ずつ別枠で積み立てる。東電は2012年度からの10年間で6.6兆円の設備投資を計画しており一部を別枠に回す。コスト削減も深掘りする。


東電福島第1原発の今後の廃炉の流れ 9月中 汚染水から放射性物質を除去する装置の稼働

11月 4号機から使用済み核燃料の取り出し開始

2014年度
末まで ・原子炉建屋を囲う凍土壁の完成
・汚染水の浄化をほぼ終え、水問題を解決

2020年度
前半 炉内で溶け落ちた燃料(デブリ)取り出し開始

30~40年後 廃炉作業の終了
 東電は1~4号機の廃炉費用として現時点で9600億円を引き当てているが、そのうち2900億円しか使っていない。それでも広瀬社長が「追加で1兆円確保」と首相に約束したのは、「『廃炉や汚染水対策にカネをけちらない』と世の中に宣言する意味合いが大きい」(東電関係者)。

 実際には1兆円をすぐに廃炉費用として使うわけではなく、使った場合も国が認めれば電気料金に上乗せできる。

 東電は14年度中にタンクや地下坑道にたまった汚染水を浄化することも約束した。浄化設備によってトリチウム以外の62種の放射性物質を取り除く。将来の海洋放出に地元の理解を得るためにも浄化は喫緊の課題だ。

 いまある浄化装置は9月中に稼働させる計画。さらに2基の浄化装置をつくる。浄化能力を1日1500~2000トンまで増やし、来年度中の浄化処理完了を目指す。

 東電は昨年、原子力損害賠償支援機構から1兆円の出資を受けた。自己資本は6月末で1兆6000億円とただちに経営が行き詰まる状況にはない。ただ、7月をめざした柏崎刈羽原発の安全審査の申請はいまだにできていない。再稼働は収益改善の最大の柱だが、地元の泉田裕彦新潟県知事が反対している。

 さらに今後は被災地の除染が本格化する。除染で出たゴミをためる中間貯蔵施設の計画が固まれば、東電は兆円単位の債務計上を迫られかねない。東電は昨年11月から除染で国の支援を求めてきたが、慎重な財務省との議論は深まっていない。廃炉に1兆円を追加で準備すれば東電の余裕はさらになくなる。除染費用の分担を巡る議論が今後の焦点となる。
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