夏休みシーズンの今、高速道路を使ってクルマで帰省したりレジャーに出かけたりする人は多い。自動料金収受システム(ETC)を搭載していれば、曜日や時間帯、区間などによって料金が割引されるケースがある。支払った料金に応じてポイントが付くサービスもある。普通車で高速道路を通行する際に料金を賢く節約する方法を見ていこう。
「高速道料金のことを考えると日曜日にした方がいいかな」。埼玉県在住の男性会社員Aさん(40)は家族そろってマイカーで遠出する予定。月曜日の方がレジャー施設の人混みは避けられるが、ETC割引のきく日曜日にしようかと思案中だ。
東京、名古屋、大阪の中心部などを除き、全国の主要な高速道路や一般有料道路を運営するのが東日本、中日本、西日本の「NEXCO3社」だ。3社はETC利用を条件に、いくつかの割引制度を共通で設けている(表A)。
レジャーに出かけるときなどにまず活用を検討したいのが「休日割引」だ。土日祝日を対象に終日、料金を30%割り引く。東京近郊(図B)など一部区間は対象外だが、長距離をドライブするときにお得感が強い。
例えば関越道で、埼玉県の東松山インターから新潟県の長岡インターまで走る場合、平日料金は4910円。土日祝日であれば3440円と1470円も安くすむ。ETCを使わず現金で払う場合(5270円)と比べると差はより大きい。
休日割引は適用条件が意外と緩い。図Cのように、高速道に進入した日がたとえ平日であっても、高速道から退出したのが土日祝日、または休日明けの平日なら割引がきく。同様に高速に入ったのが土日祝日であれば、出たのが平日でもいい。
もうひとつ活用を考えたいのが「深夜割引」。曜日などにかかわらず毎日、深夜0時から早朝4時まで、30%割引になる(京葉道路、第三京浜道路、横浜新道などを除く)。同割引もやはり、高速道への進入時か、退出時のどちらかだけでも対象時間帯にかかっていればいい。
例えば東京から長岡まで帰省する場合、出発を真夜中まで遅らせる必要はない。夜10時頃に高速道に入って走行すれば、長岡に着く頃には日も変わり、割引を受けられるはず。進入・退出の時間は、NEXCO管轄道路の料金所を通過した時点で記録される点も覚えておこう。
特定の曜日や時間帯を想定した割引は他にもある。名古屋高速道路は日曜日と祝日が10%割引。通常770円(名古屋線)が700円になる。早朝や深夜の割引もある。阪神高速道路や福岡北九州高速道路などでも割引を設けるケースがある。
首都高速道路の場合、類似の割引はないが、「会社間乗継割引」を覚えておくといい。帰省先からのUターン時などには、関越道や東北道といったNEXCOの道路から首都高に乗り継ぐことが多い。首都高に入ってから最初にある出口か、距離6キロメートル以内の出口で高速を下りると原則100円割引になる。
例えば東名高速から首都高に入った場合、最初に下りられる出口(池尻)を使えば料金は510円。そこから約2.2キロメートル先の出口(渋谷)まで走ると610円に上がってしまう。首都高の入口から出発する場合も乗継割引はある。一般道を走って少し遠くの入口を選ぶだけで100円安くなることがある。阪神高速道路もNEXCO道路などとの乗り継ぎに割引がある。
首都高速では交通量の多い「都心環状線」を避け、外側にある「中央環状線」を走行した場合に100円引きとなることがある。走行距離が長くなることが条件だ。例えば都内の高井戸から埼玉県の三郷に向かう際、都心環状線を使うと料金は930円(距離約39キロメートル)。一方、中央環状線を走る迂回ルートだと830円ですむ。多少の遠回りにはなるが、この例で距離の差はわずか約200メートルだ。
◇ ◇
割引制度の詳細は各社のサイトを見るのが便利。NEXCO東日本が運営する「ドラぷら」は、日時や入口、出口を指定すると料金が検索でき、曜日や時間帯ごとの料金も分かる。
ETC利用者ならぜひ登録しておきたいのが「ETCマイレージサービス」だ。NEXCO3社などで、通行料の支払い額に応じてポイントがつく。たまったポイントは無料通行分として使える。登録手続きはネット上か郵送で可能。登録料や年会費などはかからない。
ポイントの仕組みは各社によって異なる。NEXCO3社の例では、支払額10円につき1ポイントが付き、例えば1000ポイントで無料通行500円分に充てられる。ポイントは付与された年度(4月~翌3月)の翌年度まで有効だ。
(ライター 高橋 晴美)
「高速道料金のことを考えると日曜日にした方がいいかな」。埼玉県在住の男性会社員Aさん(40)は家族そろってマイカーで遠出する予定。月曜日の方がレジャー施設の人混みは避けられるが、ETC割引のきく日曜日にしようかと思案中だ。
東京、名古屋、大阪の中心部などを除き、全国の主要な高速道路や一般有料道路を運営するのが東日本、中日本、西日本の「NEXCO3社」だ。3社はETC利用を条件に、いくつかの割引制度を共通で設けている(表A)。
レジャーに出かけるときなどにまず活用を検討したいのが「休日割引」だ。土日祝日を対象に終日、料金を30%割り引く。東京近郊(図B)など一部区間は対象外だが、長距離をドライブするときにお得感が強い。
例えば関越道で、埼玉県の東松山インターから新潟県の長岡インターまで走る場合、平日料金は4910円。土日祝日であれば3440円と1470円も安くすむ。ETCを使わず現金で払う場合(5270円)と比べると差はより大きい。
休日割引は適用条件が意外と緩い。図Cのように、高速道に進入した日がたとえ平日であっても、高速道から退出したのが土日祝日、または休日明けの平日なら割引がきく。同様に高速に入ったのが土日祝日であれば、出たのが平日でもいい。
もうひとつ活用を考えたいのが「深夜割引」。曜日などにかかわらず毎日、深夜0時から早朝4時まで、30%割引になる(京葉道路、第三京浜道路、横浜新道などを除く)。同割引もやはり、高速道への進入時か、退出時のどちらかだけでも対象時間帯にかかっていればいい。
例えば東京から長岡まで帰省する場合、出発を真夜中まで遅らせる必要はない。夜10時頃に高速道に入って走行すれば、長岡に着く頃には日も変わり、割引を受けられるはず。進入・退出の時間は、NEXCO管轄道路の料金所を通過した時点で記録される点も覚えておこう。
特定の曜日や時間帯を想定した割引は他にもある。名古屋高速道路は日曜日と祝日が10%割引。通常770円(名古屋線)が700円になる。早朝や深夜の割引もある。阪神高速道路や福岡北九州高速道路などでも割引を設けるケースがある。
首都高速道路の場合、類似の割引はないが、「会社間乗継割引」を覚えておくといい。帰省先からのUターン時などには、関越道や東北道といったNEXCOの道路から首都高に乗り継ぐことが多い。首都高に入ってから最初にある出口か、距離6キロメートル以内の出口で高速を下りると原則100円割引になる。
例えば東名高速から首都高に入った場合、最初に下りられる出口(池尻)を使えば料金は510円。そこから約2.2キロメートル先の出口(渋谷)まで走ると610円に上がってしまう。首都高の入口から出発する場合も乗継割引はある。一般道を走って少し遠くの入口を選ぶだけで100円安くなることがある。阪神高速道路もNEXCO道路などとの乗り継ぎに割引がある。
首都高速では交通量の多い「都心環状線」を避け、外側にある「中央環状線」を走行した場合に100円引きとなることがある。走行距離が長くなることが条件だ。例えば都内の高井戸から埼玉県の三郷に向かう際、都心環状線を使うと料金は930円(距離約39キロメートル)。一方、中央環状線を走る迂回ルートだと830円ですむ。多少の遠回りにはなるが、この例で距離の差はわずか約200メートルだ。
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割引制度の詳細は各社のサイトを見るのが便利。NEXCO東日本が運営する「ドラぷら」は、日時や入口、出口を指定すると料金が検索でき、曜日や時間帯ごとの料金も分かる。
ETC利用者ならぜひ登録しておきたいのが「ETCマイレージサービス」だ。NEXCO3社などで、通行料の支払い額に応じてポイントがつく。たまったポイントは無料通行分として使える。登録手続きはネット上か郵送で可能。登録料や年会費などはかからない。
ポイントの仕組みは各社によって異なる。NEXCO3社の例では、支払額10円につき1ポイントが付き、例えば1000ポイントで無料通行500円分に充てられる。ポイントは付与された年度(4月~翌3月)の翌年度まで有効だ。
(ライター 高橋 晴美)
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