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反日暴動の裏で広がる中国“崩壊危機”…不動産バブルはじけたら…

2012年09月26日 07時50分41秒 | ニュース
 悪化の一途をたどる日中関係。中国では日本企業の工場操業停止が長引き、日本製品の不買運動も起きている。しかし、専門家からは「本当に深刻なのは中国経済の方だ」との声も聞かれる。急成長を続けてきた中国が、いまやハードランディング(急減速)の崖っぷちだというのだ。

 沖縄県・尖閣諸島を政府が国有化して以来、経済面でも中国の「反日」はエスカレートしている。ネット上では日本製品の不買運動が呼びかけられているほか、「日本からの輸入品の通関の遅れや日本企業の入札締め出しなどが数カ月間は続くだろう」(大手証券ストラテジスト)という。

 当然、中国に製造拠点を持ったり、中国市場に展開したりという日本企業にとっては打撃となる。米ゴールドマン・サックス証券のリポートでは、中国との関係悪化により、東証1部上場企業の2012年度の経常利益成長率に8~11ポイントのマイナス影響が及ぶ可能性があると分析した。

 一方、ゴールドマンはこんな指摘もしている。日本の対中国直接投資は2011年に前年比74%増の126億ドル(9800億円)にのぼるが、日中関係の悪化を受けて「日本企業が対外直接投資の一部を中国からASEANなど域内の他市場に振り向ける判断を下す可能性がある」。外国企業の対中投資は1~8月累計で3・4%減と、すでに世界各国の“脱中国”が加速している。

 株式市場でも、投資家の中国離れが進んでいる。中国の代表的な株式指標の一つである上海総合指数は反日暴動が拡大した9月中旬以降下げ足を早め、リーマン・ショック直後以来となる2000割れに迫った。

 8月の工業生産は前年同月比8・9%増と3カ月連続で鈍化、「国内外の需要の鈍化と過剰な生産能力の『二重苦』で在庫が積み上がっている」(銀行系証券アナリスト)。8月の輸入は前年同月比2・6%減と7カ月ぶりのマイナスに。輸出も2・7%増にとどまった。4~6月の外貨準備高は20年ぶりに減少に転じるなど資本流出も始まっている。

 米物流大手フェデックスのフレッド・スミスCEOが「一部の中国ウオッチャーは中国の輸出減速の影響を軽視しすぎている」と警鐘を鳴らしたことも注目された。

 前出の銀行系証券アナリストは「最大の懸念要因が不動産バブルの崩壊。不動産開発業者に資金を出している銀行が巨額の不良債権を抱え、ハードランディングは避けられない」とみる。

 中国の成長率見通しを引き下げ、ハードランディングすると予想する外資系金融機関も出始めた。

 中国の強硬な反日姿勢はこうしたタイミングで起きており、「中国経済の減速がコントロールできないことへの批判をかわす狙いもあるのでは」(米系運用会社)と疑心暗鬼は広がっている。

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