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ジャパネットたかた社長“背水の陣” アマゾンの脅威、脱家電を急ぐ

2012年12月24日 08時54分34秒 | 経済
 地上デジタル放送移行や家電エコポイント制度による“テレビ特需”の反動に、人気のテレビ通販会社「ジャパネットたかた」が苦しんでいる。高田明社長の独特の語り口で、多くの消費者になじみ深い同社だが、主力の家電販売が落ち込み、売上高の低迷が続いているのだ。高田社長は平成25年12月期に最高益を達成できなければ「社長を辞める」と公言、背水の陣で新たな柱を模索しているが、答えはまだ見えていない。

 「今日は京都洛中に現存する蔵元の日本酒『古都』『聚楽第』の原酒を番組限定で販売しますよ」

 10月21日に放送されたジャパネットたかたの番組。司会を務める高田社長の甲高い声がいつものようにお茶の間に響いた。だが、この日の放送は少し様子が違っていた。長崎県佐世保市の本社内スタジオからではなく、京都からの放送だったのだ。取り上げた商品も家電ではなく、日本酒。「(家電に偏った)企業イメージを変えないと」。高田社長の危機感の表れだった。

 国内電機メーカーや家電量販店は、テレビ特需の反動から抜け出せないでいる。パナソニック、シャープは25年3月期に合計で1兆2150億円もの最終赤字を予想。家電量販大手もテレビ販売が7割減となるなど売り上げが低迷、最大手のヤマダ電機でさえ大幅な減収減益を余儀なくされている。こうした状況は、売上高の8割以上を家電が占めるジャパネットたかたも変わらない。23年12月期の売上高は前年比13%減の1531億円で7期ぶりの減収。今期の売上高も前年割れとなることが確実だ。

 現在の国内家電業界について、高田社長は「構造不況に陥っている」とみる。「スマートフォン(高機能携帯電話)の出現でカーナビやデジタルカメラの需要が食われた。だがスマホが普及すれば、その需要も止まる。こうした時代の流れを前提に考えないと何も解決しない」。高田社長は家電以外の柱を早急に見つける必要性を痛感、取扱商品の幅を広げようと懸命だ。

 状況を変えようと、ほかにも手を打っている。東京進出だ。東京オフィスの開設は今年8月。六本木の高層ビル34階に約2200平方メートルのオフィスを構えた。創業の地である佐世保にこだわり続けてきたことが広く知られているだけに、業界関係者からは意外感を持って受け止められた。狙いは東京からの情報発信と人材確保だ。「ITが進化して商品の生産サイクルが早くなり、よりスピードが求められている。そうした動きに対応できる人材確保と情報発信に応えるには、佐世保では限界があった」と高田社長は話す。

 東京では地上波を除くテレビやインターネット向けの通販番組を制作、12月にはスタジオも新設した。動画を組み合わせたネット事業も強化。バイヤーの約9割も東京に異動させ、衣料品や宝飾品、飲食品など家電以外の商品の取り扱いを増やす。早期にインターネットでの売上高を現在の約2倍にあたる1千億円に引き上げ、ゆくゆくは家電以外の商品の比率を、現在の2割弱から3割以上に引き上げる方針だ。

 スタッフは若手中心で、高田社長は東京の事業に直接は関与しない。「来期に経常利益で過去最高の136億円を超えられなければ、社長を辞める。社長に依存せず、自分たちでやったという成果を感じてほしい」という高田社長。東京では自らが引退した後を見据えた若手育成を進める考えで、それは進退を賭けた“覚悟”の表れでもある。

 だが、経営環境は厳しさを増す。家電市場が落ち込むだけでなく、ネット通販という新たなライバルの成長も脅威だ。米アマゾンなどが家電を扱うようになり、卸値に近い安さで顧客を奪い始めているのだ。経済産業省によると、国内のネット通販の市場規模(コンテンツ配信などを含む)は、平成23年で8兆5千億円と、5年前の18年(4兆4千億円)からほぼ倍増。その勢いは本物で、ヤマダ電機の山田昇会長も「店舗がない地域の市場をアマゾンにとられている」と危機感を隠さない。

 家電以外の商品やサービスの展開、ネット販売の強化…。次代の成長戦略としてジャパネットたかたが試みる施策は、いずれもヤマダ電機など大手家電量販店が取り組む起死回生策でもある。社長の座を賭けた高田社長の経営改革の成否は、今後の家電業界の浮沈を占う試金石となる。(西村利也)

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