年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の宮園雅敬理事長は19日午後、年頭の記者会見で、運用の高度化に向けた施策として、2024年度から新たに外国債券先物と為替フォワード取引を始める計画を明らかにした。
宮園氏は、運用高度化の一環としてリバランス精緻化の取り組みについて紹介。現物に加えヘッジ手段として先物取引も活用することで、GPIFが保有資産をリバランスする際に市場への影響を抑えながら取引量を増やすことができるようになる。すでに株価指数先物の取引は開始している。
また、自社運用では発注や取引処理を統合化したシステム上で行うことにより、業務リスクを削減しているなどと説明した。データマネジメントなどの専門人材を増強する方針も示した。
GPIFは23年9月末時点の運用資産額が約220兆円に上る世界最大の年金基金だ。日本銀行が金融緩和政策の転換時期を探り、日経平均株価がバブル崩壊後の最高値圏に回復する中、巨額資金の運用動向が注目されている。
GPIFでは日本株のアクティブファンドの選定を進めている。宮園氏は採用規模について「どのくらいの数になるかは分からないが相応の数になる」と言及。ただ、採用数の目標は定めないとした。北米株と先進国株(除く日本)では、22年秋以降にそれぞれ19本と14本のアクティブファンドを採用している。
一方、国内金利が上昇傾向にあるなど市場環境が変化する中、宮園氏は20年度から採用している現行の基本ポートフォリオについて、「現段階では見直す必要はない」と述べた。現在は資産配分を国内外の債券と株式に25%ずつ等分に振り向けている。
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