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変わる企業、市場が期待 日経平均15年ぶり1万9000円台

2015年03月14日 04時38分17秒 | 経済
 株高が一段と加速している。日経平均株価は13日、2000年4月以来ほぼ15年ぶりに1万9000円台を回復した。業績改善を追い風に企業が相次いで賃上げや成長投資にお金を使い始めており、消費を刺激し景気を押し上げる好循環への期待が高まった。こうした企業の変化が海外マネーを呼び込み、急ピッチな株高の原動力となった。

 日経平均の終値は前日比263円14銭(1.39%)高の1万9254円25銭。2月16日に1万8000円台に乗せ、わずか19営業日での台替わりを達成した。13年春の日銀・異次元緩和直後に18営業日で1000円上昇したのに並ぶ速さだ。

 世界的な金融緩和を背景に市場にあふれた海外マネーが日本株に向かっている。背景には「変化への期待がある」(野村証券の伊藤高志氏)。例えばファナック。これまで投資家向け活動には消極的とされていたが、13日は株主との対話路線に転換すると伝わり株価が急上昇した。海外勢は企業の姿勢の変化を敏感に感じ取っている。

 90兆円超と過去最高の水準に膨らんだ手元資金を上場企業が賃上げや成長投資に使い始めたのも大きな変化だ。今年に入り、キヤノンや旭化成などが大型買収を決め、1~3月の日本企業による海外企業のM&A(合併・買収)は約4兆円と過去最高を更新中だ。


 トヨタ自動車など大手企業は相次いで賃上げにも動く見通し。大和総研によると、家計部門の持つ株式含み益はアベノミクス相場が始まる前の12年9月末に比べ約63兆円拡大した。家計にしてみればこれまでの資産価格の上昇に、賃上げによる所得増という恩恵も加わり、消費にお金を回しやすくなる効果がある。

 構造変化を映すのが内需株の上昇だ。値上げに動いた明治ホールディングスや訪日外国人の需要増を取り込む東海旅客鉄道(JR東海)の株価は今年、3割以上上げた。NTTグループが独社買収に動くなど内需企業が海外で成長を狙う姿勢も鮮明だ。従来の輸出株主導から内需株へと裾野が広がり、持続的な株高につながっている。

 指標面からみた過熱感は薄い。株価が1株利益の何倍まで買われたかを示し、割高・割安の目安となる株価収益率(PER)は14年度ベースでは18倍。だが15年度の業績の伸びを前提にすると15倍程度と米国の18倍などに比べて低い。来期業績を織り込むのが早すぎるとの指摘もあるが、100倍超のIT(情報技術)バブル期のような過熱ぶりに乏しい。

 今後の焦点は順調に米国が利上げできるかだ。日欧や新興国などが金融緩和に踏み切り「米国が世界経済を一手に支える構図」(バークレイズ銀行の門田真一郎氏)だ。

 米国では企業業績の伸びが鈍り、小売売上高など消費に減速感も出てきた。米国の景気回復や利上げが遅れれば、為替が円高ドル安に振れて日本の輸出企業の業績も伸び悩むリスクがある。

 欧州ではギリシャ問題がくすぶり、米利上げをにらみ新興国からは再びマネーが流出し始めた。株高持続には日本企業が手元資金を積極的に使い期待を実績にかえていく必要がある。

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