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ウォン高の奇襲を受けた輸出産業の悲鳴

2012年11月25日 08時18分10秒 | 海外
 朴宰完(パク・チェワン)企画財政部(省に相当)長官は21日、危機管理対策会議で「政府は国内外の金融・為替市場の動向を細かく見守りながら、状況の展開によって必要ならば措置を取る」と述べた。ウォン相場は今年6月初めの1ドル=1180ウォン台から、最近は1080ウォン台へと5カ月で100ウォン上昇した。急激なウォン高で韓国企業の輸出競争力が急激に低下したため、政府は為替防衛に取り組む姿勢を公式に表明した格好だ。


 国全体の関心が大統領選挙に向いており、誰も国内外で何が起きているかに気付いていないが、韓国の輸出企業はウォン高で息ができない状況だ。ウォン高が進む一方で、韓国の主な輸出品目でライバルとなる日本の円は下落しており、世界市場では韓国製品が値上がりし、日本製品が値下がりしている。これでは韓国製品の価格競争力が打撃を受けざるを得ない。ウォン・円相場は6月初めの100円=1500ウォンから最近は1320ウォンまで、180ウォンもウォン高が進んだ。


 さらに、日本の次期首相に有力視される安倍晋三・自民党総裁は「日本銀行の輪転機を回し、無制限に通貨を刷る」と語った。日本の政界は露骨に円安進行を促しており、円はさらに下落する可能性が高い。世界市場で日本企業と競争する韓国の自動車、鉄鋼、造船産業などの輸出企業は戦々恐々としている。


 ウォン高の最大の原因は米連邦準備制度理事会(FRB)が量的緩和第3弾(QE3)に乗り出したのをはじめ、先進国の中央銀行が景気を下支えするために事実上、無制限に資金を供給しているからだ。こうして供給された資金はアジアをはじめとする新興国へと流入し、新興国の通貨価値を無理に押し上げている。韓国は国家格付けが上昇したことで外貨が大量に流入しており、結果として通貨高のペースがほかの新興国に比べ速い。


 世界の景気低迷で来年の韓国経済の見通しは暗い。ウォン高がさらに進めば輸出がさらに厳しくなり、輸出に過度に依存している韓国経済の回復はさらに遅れざるを得ない。韓国政府は投機的な外貨資金の流入を抑えるための対策を急ぐべきだ。政権交代期の混乱したムードで政策的対応のタイミングを失うことがあってはならない。

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