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貧乏で小学校中退の松下幸之助、なぜ成功しパナソニックを世界的企業へ?

2016年05月19日 03時34分17秒 | お役立ち情報
成功する人と、そうでない人との違いはどこにあるのだろうか。

 ビジネスに真剣な人ほど、「成功する人の考え方」に興味を持つだろう。あやしい自己啓発のノウハウが氾濫する昨今において、今なお不動の成功法則として支持されている考え方がある。それが故松下幸之助氏の教えである。

 松下氏は、説明するまでもなく松下電器産業(現パナソニック)の創業者であり、現在でも多くの経営者から「経営の神様」と尊敬されている。その松下氏が伝えてきた成功法則とはどういうものだったのだろうか。松下氏から直接薫陶を受け、その教えから「陽転思考」を見いだした人物がいる。小田全宏(おだぜんこう)氏である。

 小田氏は東京大学法学部卒業後、松下氏が設立した松下政経塾に入塾。松下氏から直接指導を受けながら一貫して人間教育を研究してきた。現在は全国の企業で陽転思考を中心とした講演と人材教育実践活動を行っている。また、ビジネスパーソンと経営者のEラーニングスクール「ウィズダムスクール」において、自身の活動の集大成となる講座『陽転思考の人間学講座(全48講座)』を開講している。

 今回、小田氏から許可を得て、この講座で紹介されている松下氏の教えを紹介する。

 松下氏は84歳の時に、次世代の国家指導者を育成するための公益財団法人として「松下政経塾」を設立する。小田氏は4期生として入塾した。入塾の面接にて初めて松下氏と対面した小田氏は、松下氏の印象をこう語る。

「松下氏は小柄な方でしたが、優しさと圧倒的な存在感がありました。とてもこの人には嘘をつけない、そう感じました」

 塾生となった小田氏に対して、松下氏は思いがけない言葉をかける。

「吉田松陰先生の松下村塾からは多くの幕末の志士が世に出た。松陰先生という師匠がいたからだ。しかし、松下政経塾には師匠、塾長はいない。君は塾生でありながら塾長だと考えなければいけない」

 意外な言葉に驚く小田氏に対し、松下氏はさらに続けてこう言った。

「塾生だという気持ちでいたなら、『教えてもらう』『リーダーにしてもらう』という受身の姿勢になる。次世代のリーダーになろうという人物がそんな意識ではだめだ。だから自ら塾長であるという考え方が重要なのだ」

 塾生からみれば、リーダーになるための知恵を教えていただきたいという姿勢になるのは当然である。リーダーになるための教えを受ける前から「リーダーであると思え」と松下氏は説いたのだ。この松下氏の言葉には、松下流成功法則の神髄がある。

●確実に利益を生む「ダム式経営」とは?

 小田氏は、松下氏が推奨した「ダム式経営」に関するエピソードを紹介しつつ、松下氏の真意を解説する。

 ある講演会で松下氏が「ダム式経営」について講演を行っていた。ダム式経営とは、経営に必要な人・モノ・金に余裕を持った経営をする方法である。

 工場を例にとって説明しよう。工場で機械が100%動いていなければ利益が出ないようでは、何かがあればすぐに利益が出なくなる。そうではなく、80%稼働でも利益が出るようにしなければならない。人も同様だ。社員の80%が働けば利益が出るようにすると経営に余裕が出る。銀行から融資を受ける時にも、返済に余裕があるようにする。これがダム式経営である。

 しかし、松下氏のダム式経営の講義を聞いていたひとりの経営者が、松下氏にこう言った。

「うちの会社は人も金も汲々としている。松下さんのような大企業はダム式経営ができるかもしれませんが、我々のような小さな会社がダム式経営をできるようにするにはどうすればいいのですか?」

 松下氏はしばらく考えて、こう答えた。

「どうしたらダム式経営ができるようになるのか、方法論は私にもわからない。しかし、そうなりたいと強く思うことが重要だ」

 実に狐につままれたような答えだが、ここにこそ松下氏の真骨頂があると小田氏は言う。

●悩みは常にひとつ

「コップの中に水が半分あるとしましょう。ある人は『半分しかない』と思い、ある人は『半分もある』と考えます。事実は変わらないのに、とらえ方ひとつで見え方が変わるのです。松下氏がおっしゃったことは、まさにこのことです。

 松下氏はいつも、『悩みはひとつしかない』と言われていました。人はいくつもの悩みを抱えているようで、実際は同時に複数の悩みを考えることはできず、一度にひとつのことしか悩んでいないのです。あることに悩んでいたとしても、別の悩みが新たに出てくればそれに気を取られてしまいます。つまり、人は常にひとつのことしか集中できないのです。

 いつも頭から悩みが消えないという人は、悩みを打ち消すような強い思いを持っていないからです。松下氏は、強い思いを持つことで何事も成就できると説いていらっしゃいました。強い思いがあれば、悩みも消えていくのです。それを私は陽転思考と呼んでいます。

 こうなりたいという強い思いを持てば、方法論は無限に出てきます。松下氏は、それが言いたかったのです」(小田氏)

 ある日、塾生のひとりが「ご自身は、なぜ成功したと思いますか?」と聞いたところ、松下氏はこう答えた。

「貧乏で学歴もなく、体も弱かった。だから成功した」

 松下氏は貧しい家庭で育ち、学歴も小学校中退。健康状態も毎年10月から3月まで風邪で床に伏せるほど常に悪かった。だからこそ成功したというのだ。普通ならば成功しない理由として挙げられるような要因が、自分を成功に導いたという積極的な考えだ。

 貧しかったからお金の価値がわかった。学歴がないから自分より優秀な人の力を借りた。健康でなかったから人に任せるしかなく、結果的に部下が育った。

 禍を転じて福と為す。まさに、これが陽転思考である。

 さらに小田氏は、松下氏が成功した理由のひとつに、「運の良さ」を挙げる。松下氏は運を非常に大切にしていたという。成功する見込みのなかった松下氏が世界企業をつくり上げたその過程には、数々の幸運があったのは事実だ。しかし、一見つかみ所のない運を成功の要素と考えることは、普通は難しい。

 その背景にはどんな考えがあったのだろうか。次回は、松下氏が経験から導いた「運のつくり方」を紹介したい。
(文=鈴木領一/ビジネス・コーチ、ビジネスプロデューサー)
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シャープを翻弄、鴻海「進駐軍」の無理難題

2016年05月17日 07時21分25秒 | 経済
『週刊ダイヤモンド』5月21日号の第1特集は「背徳のシャープ 液晶敗戦の全顛末」。経営危機に陥っていたシャープは、台湾の鴻海精密工業(ホンハイ)の傘下に入ることになりました。なぜ、創業100年を超える名門企業は転落したのか。ホンハイは本当にシャープを再生することができるのか。社内から聞こえてくる声を聞く限り、シャープの危機はまだ終わっていません。

シャープ支配を着々進めるホンハイ「進駐軍」

 三重県亀山市。シャープの液晶事業の“聖地”に、鴻海精密工業(ホンハイ)の郭台銘会長が突如として現れたのは、大型連休を控えた4月27日の夜だった。

 亀山工場にあるテレビの組み立て工場1階の集会場に、液晶部隊をはじめ工場の管理職200人以上が疲れた表情で集まると、程なくして、軽く手を挙げながら登場した郭会長が口を開いた。

「SDP(堺ディスプレイプロダクト)に出資して、4年がたとうとしている。3年連続で営業黒字になったことはとても喜ばしく、勤勉なSDPの社員を私は誇りに思う」

 通訳を介しながらそう切り出すと、「翻って、今のシャープはどうか。ろくに設備投資もできず、銀行の管理下で自由な経営ができなくなっているではないか」と急に発言のボルテージが上がり、そこから2時間は、郭会長の“独演会”と化した。

「何度も言うが、これは出資ではなく投資なんだ」「あなたたちは、赤字に対する危機感が薄いのではないか」など、社員たちを叱咤する言葉が続く中、話はなぜか日本電産にも及ぶ。

「人材が日本電産に流れるような状態が続いている。あの会社は人を引き抜いて、シャープをつぶそうとでもしているのか!」と批判を始めたのだ。

 折しもその2日前、日本電産はシャープの大西徹夫元副社長が顧問に就くという人事を発表している。シャープの元社長で、現在日本電産の副会長を務める片山幹雄氏が、優秀な人材を集めようと強力に裏で糸を引いていることが気に食わなかったわけだ。

 ただ、この郭会長の発言を、人材の流出を何としても食い止めようという思いから出たものとは、誰も受け止めなかった。

 それもそのはずだ。4月2日の買収契約調印以降、郭会長をはじめホンハイチームは、大阪市の本社にたびたび乗り込んでは、「追加で2000人の人員削減が必要だ」と、強く経営陣に迫っていたからである。

「従業員の雇用維持」という文言が契約書にある以上、出資前に、あくまで現経営陣が自ら判断し、実行したことにしろと言っているに等しかった。

 郭会長の要求はそれだけではない。「夏までに、本社を堺工場に移転したらどうか」「液晶関連の契約は今後、(ホンハイ傘下の)群創光電(イノラックス)を通してほしい」など、無理難題を次々と押し付けている。

創業100年超の名門企業はなぜ転落したか

 2014年12月。年の瀬が押し迫るころ、代表取締役・財務担当で副社長(当時)の大西徹夫が本社の経理スタッフを伴って、液晶事業の「総本山」亀山工場(三重県亀山市)に乗り込んだ。

「無理せんで」

 液晶部門のスタッフは大西の言葉に耳を疑った。折しも、液晶の現場は、年明けの商戦に向けて中国市場での契約獲得に奔走していた真っ最中だ。

 さらに、当時、液晶を指揮していたのは同じく代表取締役で専務だった方志教和。年末に持病の腰痛の手術入院を控えていたとはいえ、事業トップの頭を越えて本社の財務担当役員が日常業務に直接介入するのは異例の事態だった。

 急な大西の介入を境に、張り詰めていた営業部隊の士気が下がると同時に命令系統が乱れ、業績が急激に崩れ始めた。

 なぜ大西は液晶事業の足を引っ張るような愚行に出たのか。背景にはシャープ経営陣の醜悪な権力闘争がある。

 11~12年度のシャープの巨額赤字の元凶だった液晶事業は、13年度に415億円の黒字を計上。液晶だけで全社の営業利益の40%を稼ぎ出し、一転して「復活のけん引役」に祭り上げられた。14年4~9月期には中国のスマートフォン向け液晶で前年比5倍の売り上げを突破し、下期も一段と拡大する計画を立てていた。

 シャープ復活の先頭に立った液晶事業は「花形部門」の地位を取り戻し、そのトップを務めていた方志には、主力行の一部から「社長にしたらどうか」との意見まで飛び出す。目立ち過ぎた方志を、社長の高橋興三や大西らは苦々しい目で見詰めていた。

 そんなとき、事態は急変する。14年10月、台湾のタッチパネルメーカー、勝華科技(ウィンテック)が経営破綻。同社経由でタッチパネルを装着して液晶を出荷していたシャープを直撃した。大口顧客の北京小米科技(シャオミ)向けの供給がストップ。間隙を縫って、ジャパンディスプレイ(JDI)が、タッチパネルを組み込んだ「インセル」型液晶でシャオミの取り込みに攻勢を掛けてきた。

 大西ら本社部隊は、この機を逃さず液晶事業に介入。「ウィンテックを経由するシャオミ向け液晶に損失は出るが一過性のもの」と液晶事業部門は説明したが、大西は受け入れず、「無理せんで、無理せんで」と、事業活動の足を引っ張り続けた。

 15年3月期決算で、液晶在庫と亀山・三重工場の減損で計1072億円の損失を計上。15年5月14日の決算発表で、連結最終損失2223億円の巨額赤字を計上した経営責任を取り、方志は6月の株主総会で退任が決まって失脚した。

 一方、2000億円を超える巨額の損失を出したにもかかわらず、社長の高橋の責任は一切問われなかった。財務責任者である大西は、代表取締役を外れたが、副社長執行役員として残留し、のうのうと生き延びた。(敬称略)
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本当は怖い歯の治療…銀歯を入れるのは日本人だけ?

2016年05月15日 07時40分57秒 | お役立ち情報


銀歯によるリスクをまとめている
金属アレルギーを引き起こす、被せた歯がまた虫歯になる
銀歯の表面は傷がつきやすく、歯周病が悪化しやすい




2016年5月14日 22時45分
All About


欧米諸国では、治療のために歯科医院に通う方が圧倒的に少ないのです
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■銀歯を入れるのは日本人だけ?
欧米諸国では、美しく白い歯や歯並びの良さはとても価値あるものとされ、社会的なステータスを表すものになっています。歯がきたないことが就職にも影響したり、自己管理できていない人だと思われ、仕事の営業成績にも影響があるぐらいです。そのため皆が歯を綺麗に健康に保つために、常に高い意識を持っています。

また欧米では、予防や歯のクリーニングのために歯科医院に通う方が98%、治療をするために通う方が2%と言われています。しかし、なんと日本では98%の人が治療のために歯科医院に通います。「日本人の女の子はとてもかわいいのに、笑うと歯が汚いのはなぜ?」と言われているのです。

■銀歯にはリスクがいっぱい
歯医者に行ってなんとなく銀歯になり、また虫歯ができたから銀歯が増えるという悪循環。銀歯以外の詰めものやかぶせものは自費になってしまうから、保険内の治療でいいや……。こんな感じで日本人の口の中は銀歯だらけになってしまっています。

日本で銀歯と呼ばれているものは、金と銀とパラジウムの合金で日本にしかないものです。国民皆保険制度のために最低限の歯の機能の回復ができる、安くて加工しやすい銀歯がその昔、生まれましたが、最近はこの銀歯における悪影響が注目されてきています。

■銀歯によるリスク1:金属アレルギーを引き起こす
口の中には細菌が何百億と住み、銀歯は日々熱いもの冷たいものそして咬合力を受け、過酷な環境に置かれています。そのため銀歯は劣化しやすく、傷つきやすくなっており、また銀歯の表面から金属がイオン化されて溶けだし、体の中の蛋白質とくっつくことで金属アレルギーを引き起こす可能性があります。

金属アレルギーは口の中の異常だけに限らず、体全身の異常をきたす可能性があります。手が赤くただれたり、全身にぶつぶつができたりすることもあるのです。銀歯を入れてすぐに異常が出る場合以外に、何年もしてから体に異常が出てくることも多く、原因不明の皮膚病だと思われることがあります。

とくに銀歯に含まれているパラジウムという物質はアレルギーを引き起こしやすく、パラジウムに対してアレルギー反応を持つ方は100名中20名~30名ほどいると言われています。

■銀歯によるリスク2:被せた歯がまた虫歯になる
銀歯と歯は歯科用のセメントでくっついているのですが、正確にいうとぴったりくっついているわけではありません。銀歯を入れる際に歯との隙間をセメントで埋めて、セメントと銀歯の摩擦力でくっついているだけなのです。

そのため入り込んだ虫歯菌によりまた中に虫歯がひろがっていたということは珍しくありません。中のセメントも劣化してくるので、古い銀歯のなかは気づいたら真っ黒になっていたなんてこともよくあります。銀歯の下の虫歯は発見しづらいですし、レントゲンにも写りにくいのでなかなか発見しにくいのも事実です。神経がない歯の場合には症状も出にくいので、しばらく歯科医院に行っていなかったら、歯を残せないほどにぼろぼろになっているなんてこともあります。このような状態を避けるためにも、定期検診は重要ですね。

一方、セラミックのかぶせものや詰めものは歯やセメントと相性がよく、ぴったりくっついているため、銀歯に比べて再び虫歯になるリスクは格段に少ないです。

■銀歯によるリスク3:歯周病が悪化しやすい
銀歯の表面は傷がつきやすく、その小さい傷に口の中の菌がたくさん寄ってきます。銀歯と歯茎の境目にもたくさん歯周病菌他たくさんの菌がたまりやすく、銀歯を入れてから歯周病の進行が早まったりもします。

奥歯に銀歯を入れて数年したら、歯茎が腫れたり歯周病で歯が揺れてきた、という経験がある人もいるかと思います。銀歯の周りは特に汚れや菌が溜まりやすいので、歯ブラシ以外にも歯間ブラシやフロスを使い綺麗に歯を磨き、定期的に歯科医院での健診やクリーニングを受けていく必要があります。銀歯と歯茎の境目が菌の住処になっていると、口臭の原因にもなります。

保険適用によって日本の歯科の治療は安く、誰でも受けられる利点もありますが、上記のように実は銀歯には様々なリスクもあるのです。

そのリスクをよく理解し銀歯にするかセラミックの治療をするか選択するのも大切ですし、すでに口の中に銀歯がある場合は定期的な歯科検診と毎日の丁寧な歯磨きをすることが必要になってきます。そしてなにより、虫歯のない健康な口腔内を目指し、予防に力を入れることが最も理想的です。

グローバルの時代になり、海外の方と関わる機会の多い昨今、「なぜ日本人の口は銀歯だらけなのだろう……」と言われないようにしたいものです。

【歯・口の病気ガイド:彦坂 実な美】
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ジョージア工科大、TAが人工知能だったことに学生の誰も気づかなかった

2016年05月13日 07時15分45秒 | ニュース
約1カ月、人間のフリをして気づかれず。

この春、ジョージア工科大学インタラクティブ・コンピューティング学部のオンライン講座に、ジル・ワトソンというティーチング・アシスタント(以下TA)がいました。学生は彼女にオンラインフォーラムで質問し、随時回答をもらっていました。ジルがじつは人工知能だとは知らずに。

ジルは学生からの全質問に答えていたわけではありませんが、答えるときは97%の確信度で答えていました。ここでいう「確信度」とは、「正確度」とはちょっと違います。ジルを開発したAshok Goel教授は、彼女の回答が必ずしも毎回完ぺきではないので、確信度が97%以上のときだけ回答するように動かしていたんです。彼女は今年3月末から4月末にかけての約1カ月間、コンピュータサイエンスを学ぶ学生からも気づかれずにその仕事をこなしていました。

学生たちがジルの正体を知ったのは、4月26日でした。ジョージア工科大学のプレスリリースによれば、学生の反応は全体的にポジティブだったそうです。ある学生は「もうびっくりです」と言い、別の学生はジルに「一緒に遊ぼう」と誘ってみたりもしたそうです。

その講座は「Knowledge Based Artificial Intelligence」と題したもので、ジョージア工科大学のオンラインコンピュータサイエンス修士課程では必修となっていました。講座には毎年300人ほどが参加し、フォーラムには1万件ほどの質問がポストされます。人間のTAも8人ほどいるのですが、なかなかさばききれません。そこでGoel教授と大学院生たちは、バーチャルTAを開発したのです。

ジルはクイズ王となったIBMの人工知能、ワトソンのプラットフォーム上に作られました。そしてGoelさんたちは2014年の講座開設以降に寄せられた約4万件の質問・回答データを収集し、ジルに学習させたのです。

「オンラインクラスの秘密は、生徒が増えれば質問の件数は増えるものの、質問のバリエーションはそんなに増えないのです」とGoelさん。「学生は同じ質問を何度も何度も聞くものです。」この状況は、自然言語処理に長け、明確な答えのある質問への対応を得意とするワトソンのプラットフォームにはうってつけでした。

でもプロジェクトが始まった今年1月頃は、ジルの回答にはまだ不自然な部分があり、斜め上の回答もよくありました。不適切な回答は、学生には見せられていませんでした。

「初期のジルの回答は、キーワードにこだわりすぎて不適切になることがありました」と、プロジェクトに参加した大学院生のLalith Polepeddiさんは言っています。「たとえば、ある学生が他の学生と一緒にビデオ講義を見る企画について質問したときです。それに対しジルは、ビデオ講義を補完する教科書をすすめるような回答を出してしまいました。たしかにキーワードは同じですが、文脈が違っていたのです。我々はこうした間違いから学び、ジルをだんだんと賢くしていったのです。」

最終的にジルはこの仕事をうまくこなせるようになり、3月には人手の確認なしで、フォーラムに直接回答をポストしても大丈夫と判断されました。

Goelさんは来期もこの人工知能プロジェクトに取り組む予定ですが、名前は変えるそうです。プロジェクトの目標は、年末までにバーチャルTAが質問の40%に回答できるようになることです。

この件ではまさに、人工知能がTAという人間の仕事を(部分的にしろ)奪ってしまいましたが、悪いことばかりではありません。というのは、これまで多くの学生が、学習へのサポート不足のために退学に至っています。でも機械的に処理できるような質問対応を人工知能に任せることで、人間のTAはより高度で複雑な問題に取り組む余裕ができると考えられます。

ただ長期的には、バーチャルTAにできることが40%どころか100%に近づいていくのかもしれません。そうなったとき、TAだけじゃなく教授も含めて、人間のための仕事があるのかどうか、そこはわかりませんね…。

source: Georgia Tech

George Dvorsky - Gizmodo US[原文]
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「国の借金」、1049兆円…7年ぶり減少

2016年05月11日 06時56分18秒 | 行政
財務省は10日、国債など「国の借金」が2015年度末時点で1049兆3661億円と、14年度より3兆9911億円減ったと発表した。

国がお金を短期で借りるために発行する政府短期証券が大きく減ったためだ。日本銀行のマイナス金利政策などの影響で、利回りが低下した政府短期証券への需要が少なくなった。

残高が前年度より減ったのは08年度以来、7年ぶり。ただ、国民1人当たりの借金は約826万円となる計算で、危機的な財政状況に変わりはない。

財務省は3か月ごとに、国債と借入金、政府短期証券それぞれの残高の合計を発表している。国債の残高は910兆円だった。
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