子供の頃は近所に清い水が湧き出るところが結構あった。また、林の縁などには一年中水が染み出ているところもあった。そんな場所には必ずと言っていいほどサワガニがいた。
湧水量の多い所は、コンクリートや石などで囲ったりして。近所の人たちが洗濯したり、野菜を洗ったりしていた。
今では湧水量が減ったり、枯れてしまったりした所もあるけれど、まだあちこちに残っている。そして、サワガニも元気に生き続けている。
サワガニを見つけると、落っこちている細い木の枝などで、その背中をツンツンしたくなるのである。いや~んとばかりにハサミを上に挙げて万歳する姿が、たまらなく好きなのである。サワガニにとっては迷惑この上ない事だろうが、年寄りの楽しみだと理解してもらって、許してもらおう。