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尼崎と木津間を結ぶJR学研都市線に乗ったのは初めての私、環状線京橋から乗り換えて15分、野崎の観音さんに来たのである。お寺の正式名は福聚山慈眼寺と言うらしい。
5月1日から始まって8日まで続く法要まつり(世の中の縁の有るもの無いものすべてに感謝する為に催されるおまつりだそうだ。)で、駅前からそれはそれは大変な人出でびっくりした。
落語や「お染久松の恋物語」などの人形浄瑠璃で、知る人ぞ知る江戸時代から続く「野崎まいり」。
私はそれらが演じられている舞台を観た事が無くてあまり詳しく無いが、「野崎まいり」といえば野崎小唄の歌詞の最初は浮かんでくる。
♪野崎参りは 屋形船でまいろ どこを向いても 菜の花ざかり 粋な日傘にゃ。。。♪
勿論、時代は変わって今は屋形船も菜の花もない。駅前から道の両側をびっしり埋める200軒以上あるかと思われる沢山の屋台にキョロキョロ目をやりながら参道を歩いた。いかにも庶民的で親しみを感じるこの光景、大阪のもつ雰囲気かもしれない。近頃めったに見かけないチンドン屋さんのお通りにも出合った。献血を呼びかけていられてなかなかいい発想!
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本堂には行基作の十一面観音菩薩様が祀られ、お堂の壁画には十二星座が「花蝶菩薩」として描かれていた。拝観と撮影の許可ありがとうございました。
本堂右手には「江口の君堂」があって、遊女・江口の君の像が祀られていた。謡曲『江口』で知っていた江口の君に偶然出会えて嬉しかった。
物語の最後を思い出した。絶世の美女であった遊女・江口の君(妙)の幽霊が水面に月の影映す夜、艶なる姿で舟に乗って川遊びに現われる。そしてその憐れな境涯を謡い舞った後、悟りの境地に達すると普賢菩薩の姿となり白象に乗って西の空に去って行くのである。ジーンと胸に残る曲の一つだ。重い婦人病にかかった江口の君がココに参詣して治った逸話から子授け安産など女性を守る神様ということかな。
お釈迦様の高弟16人の像・十六羅漢像(じゅろくらかん)が置かれた「らかん堂」それに「薬師堂」、「三十三所観音堂」、「鐘楼」、「お染久松の塚」といろいろ見所があった。
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このお寺の十六羅漢さんは山崩れが起きた時(S26)に損傷を受け、近年修復が終ったところだそうだ。ひょっとすると私の昔の絵の師のお手によるかもと思い、確認してみるとやはりそうだった。私の先生は本当にすごい方なんだと改めて尊敬の念を強くした。
お参りに来た人は皆、笑顔で楽しそうにそれぞれのお参りをされていて、境内はなんとも言えない和やかな雰囲気が満ち溢れていた。大きな大きなおやかんに入った温かいお茶のお接待にほっこりしながら、見晴台から大阪平野を眺めてみた。川の流れも変わったはず。屋形船はいったいどの辺りを行き来していたのかなぁ~・・・・・
見晴台を降りると南篠神社があって、この神社はこの辺りの氏神さまらしい。
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座禅会や14日君の市や写経会や法話会etc.いろんな行事があって、いつも沢山の人で賑わっているらしいこのお寺。私は毎年2月にご開帳と聞く「釈迦涅槃絵」も一目観たいし、毎月の14日君の市にも一度来てみたいなぁ~と思いながら寺を後にした。
帰りの参道で「卵せんべい」に興味を覚え食してみたり、金魚ならでおたまじゃくしの「おたますくい」を覗き込んだり、掘りたての太い真っ白な柔らかそうな山城の竹の子を買ったりして電車に乗った。29日以来のGWの楽しい一休日・憲法記念日に彼と二人の「野崎まいり」であった!!