蝉の旅立ち
短い梅雨があけたと思ったら
今度は容赦なく、かっと太陽が照りつける。
あ~真夏の太陽だ。
エアコン漬けは、なるべく避けなくてはと
パソコンの手を休めて裏の畑に気分転換。
トマト、きゅうりはもう終わり、いまはゴーヤが元気だ。
かぼちゃもすっかり大きくなって出番を待っている。
植樹してから16~17年ぐらいの八朔の木もある。
今年もいっぱい青い実をつけてくれている。
もう8~10cmぐらいの大きいのもあり楽しみだ。
あ? 八朔の木をよくみると葉に何か、おや、蝉のぬけがらだ。
「うあ~ 数え切れない。あっちにもこっちにも」
一枚の葉に団子のように重なってしがみついているのもある。
昨年は孫がやっとさがした2ひきを喜んで持って帰ったのに。
木の下に目をやると硬い土に、これまた直径3cmぐらいの穴が
無数にあいていておどろいた。
「来て、来て ほら見てごらん!」 夫を呼んだ。
「あ、蝉たい。蝉の幼虫?がおおきくなって土の中から出てきて、
八朔の木の葉で羽化したったい。今年は多かねぇ」
カラカラの硬い土をどんなにして掘って出て来たのだろうか。
飛び立っていっただろう若い蝉の姿を想像しながら
じい~っとながめていた。
子供の頃、夏休みも終わりに近づくと「宿題おわったの?」と
催促されているように聞こえていたような蝉の声。
しかし、わたしは 蝉の鳴き声を今年はまだ聞いていないようなのだ。
「あぁ、朝鳴いていたよ」と夫がいった。
「卵から生まれて7年目の夏の夕方、あぶらぜみは親になるために土の中から出てくる・・・」
(注 ) 「昆虫図鑑」講談社の学習大図鑑を参考にしました。
http://homepage2.nifty.com/saisho/Zikade.html
http://homepage2.nifty.com/saisho/life.html