ゴツン
痛ッ
午前5時、目がさめた
ガラス戸をあけると、ひんやりとした風が、
あ~涼しい・・・
そのままカメラを持って畑に向かった時のことだ
「なに? あらぁ~ 」
八朔の実が ちょうどテニスボールぐらいに
なっていて、ちょっと揺れていた。
今日は8月15日、64回目の終戦記念日 。
ふと思い出した
警戒警報のサイレンを聞くと、ばあちゃんの手をひいて、
暗い坂道を、はぁはぁと息を切って防空壕へつれていくのが
6才の杏子の役目だった。
手探りで、枕もとの綿入れの防空頭巾をかぶって・・・
涙よりも、今日は
笑みがさきにこぼれてしまって
「ごめんね、いたかったやろ?」八朔の実に
今、元気に生きていられる喜び、みんなに「ありがとう」…