「先生。『トイレ貸してください。』っていちいち言うのって、おかしいのかな?」
と聞いてきました。
確かに、その生徒はトイレに行くたびそう言ってくれています。
私もふつうに『はい、どうぞ。』って答えていますが、
そういえば、だまって行く子も多いかな?
「どうして?」
「なんか、月謝の中に『施設利用料』?みたいなのも含まれてるんだから、
トイレ使うのに遠慮するのおかしいって言われて。」
「へえ?まあ遠慮する必要はないけれど、べつに『トイレ貸してください』って言うことがおかしいとも思わんけどな。」
「やよね!」
と、その場ではそこまでで会話は終わったのですが。
なんだか自分の中に違和感というか、しっくりこないものがありまして。
その違和感はなんなのかいろいろ考えてみました。
それは、たぶん、
例えばレストランとか、飲食店で、
店員さんに必要以上に横柄な態度をとる人を見かけたときに、不快な気持ちになるのと一緒の感情なんだなあ。
「お金払ってるから」
「こっちは客なんだから」
っていうのが好きじゃないのです。
声に出して「トイレ貸してください」って言うか言わないかは別として、
「お金払ってるから当然の権利」と思うのではなくて、
掃除をしてくれている先生、
お互いにきもちよく使えるよう、汚さないように使ってくれている級友たちに対して、
少なからず「感謝」の気持ちをもって使ってもらえたらうれしいな、と思うのです。
でも、学習塾という「商売」をやっている視点から考えると、
ワタシの立場でお「お客様」にそういうことを言うのは
逆に失礼なことなのだと思います。
子ども達に、そういうワタシの気持ちはどうやって伝えたらいいのか、悩みました。
塾というのは「勉強」を教えるところで、
保護者さんの中にはそういう「しつけ」までは望まれていない方もいるかもしれません。
でも、私は思うのです。
「人に感謝する気持ちを持たない子は、勉強もできるようにならない」と。
「勉強」は自分のためにするものだけれど、
自分のためだけにそんなに頑張れるものでしょうか。
安心してご飯を食べたり寝たりできる家庭を築いてくれているお父さん、お母さん、
塾で自分のために尽力してくれいている先生、
そういう身近な人への感謝が根底になければ、
そしてそれを自分の周りの人や社会にお返ししようという気持ちがなければ、
どうして一生懸命勉強することができるのでしょう。
だから、私は生徒たちに「ありがとう」や「お願いします」を強要します(笑)
プリントを採点してもらうとき、
忘れたテキストを貸してもらうとき、
「『ありがとうございます』は!?」って。
まずは形から入るのも大切かと。
トイレの件は、いちいちお断りしなくってもいいし、
特に女の子は、みんなの前で「トイレ」って言いにくと思うので、こっそり行ってもらってももちろんいいのですが、
できればちょっと「感謝」の気持ちで使ってくれるとうれしいです。
そして、教室やそのほかの備品も、『みんなのもの』ということを忘れずに、丁寧に使ってほしいです。
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