古代日本国成立の物語

素人なりの楽しみ方、自由な発想、妄想で古代史を考えています。

男50歳からの古代史構想学(12)

2020年09月05日 | 古代史構想学
■ 神武は那智山に来なかった

神武東征と徐福伝説を訪ねる実地踏査ツアーの3回目になります。

勝浦温泉で旅の疲れを癒した3人の2日目は補陀落山寺からスタート。ここは今回のツアー行程に入っていなかったのだけど、極楽浄土を目指して小船で漕ぎ出すという思想に興味があったので立ち寄りました。しかし残念ながら、ここから旅立った人々の名が刻まれた碑を見ても、保存されている実物の渡海船を見ても、本尊の観音さまを拝んでも、その思想は理解も共感もできませんでした。

次はいよいよツアーのメインイベント、熊野那智大社の参詣です。熊野まで来て熊野古道を歩かない訳にはいかないという佐々木さんの強い意向で、大門坂の駐車場に車を停め、歩いて登ることにしました。何度も熊野へ来たことのある私にとっても初体験で、いい思い出になりました。


(大門坂)


(熊野古道)

熊野那智大社は神仏習合が現在もそのまま残されているが如く、境内には西国三十三箇所一番札所の青岸渡寺が隣接して建っています。以前に来た時はお寺で二礼二拍一礼という失態をやらかしてしまったので今回は気をつけました。(由緒ある神社とお寺が並んでいて、しかも先に神社をお参りしたら間違っても仕方ないと思いませんか(笑))
那智大社の主祭神は速玉大社にも祀られていた熊野夫須美大神(くまのふすみのおおかみ=イザナミノミコト)です。


(熊野那智大社)


(青岸渡寺)

この那智大社は他の二山と違って、どうも神武東征や古代史とは関係がなさそうです。那智の滝に対する自然崇拝と修験道の拠点としての山岳信仰が融合し、その後に熊野信仰の対象になったという印象です。そういう意味でここは記紀神話をもとにしたテーマパークとも言えます。青岸渡寺には修験道の開祖とされる役行者(えんのぎょうじゃ)の像が安置されていました。

ここからは再び徒歩で那智の滝に向かいます。那智の大滝をご神体とする飛瀧神社は主祭神として大己貴神を祀っていて、ここも記紀神話テーマパークの一部になっているようです。ちょうど先日9日の日曜日、7月14日に行われる扇祭りのために大滝にかかるしめ縄の張り替えが行われ、ニュースで放映されていました。

さすが日本一の落差。日光の華厳の滝なんかとは比べものにならない迫力と威厳を感じます。別料金を払ってより滝に近づける拝所に上って滝の飛沫を浴びていると心が洗われる気がしました。


(拝所から)

私たちが神社にお参りするとき、お賽銭箱が置かれた拝殿の前で拝みます。そして通常はその拝殿の奥にはご神体が納められている本殿があります。
でも、この飛瀧神社の場合、滝そのものがご神体なので本殿がありません。しかも、ここには拝殿もありませんでした。滝の正面に小さな鳥居があって、その前にお賽銭箱が置かれているだけでした。その意味で、自然崇拝の原始信仰がそのまま残されているように感じました。


ところで、私は「ご神体」というのは神様のことだと思っていたのですが、神社のことを少し勉強してそれが間違いだとわかりました。ご神体というのは神様が天から降りてきたときに宿る依り代なんですね。そんなにわか仕込みのマメ知識を2人に披露しながら那智山を後にしました。

JR那智勝浦駅の近くで美味しいマグロ丼を食べた後はいよいよツアーのフィナーレへ。(第13回へつづく)


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