2019年11月の葛城・纒向への実地踏査の事前学習のため、池袋にある古代オリエント博物館で開催されている秋の特別展「しきしまの大和へ -アジア文華往来-」を観に行きました。この特別展は奈良県立橿原考古学研究所附属博物館による巡回特別展を兼ねており、同博物館が所蔵する貴重な資料が展示されていました。
実は実地踏査ツアーの行程を検討する中で、橿原考古学研究所附属博物館は絶対に行こうと考えていたのですが、調べてみるとなんと現在は休館中とのことでガッカリ。そして見つけたこの特別展でした。いっしょに実地踏査に行くことになっている古代史仲間の佐々木さんを誘って二人で行ってきました。
古代オリエント博物館は池袋サンシャインシティ文化会館の7階にあります。エレベーターを7階で降りて通路を左に進むとそのまま入口につきます。(※本記事の写真は全て私が当館で撮影したものです)
入館料は900円です。貴重な資料が豊富にあるとはいえ900円は少し高く感じました。
この映像ホールの左手が今回の目的である特別展の展示室で、右手は常設展の展示室になっています。
この石棒はインパクトがあります。
葛城の中西遺跡からの出土物です。京奈和自動車道の御所南IC建設に伴って発見された中西遺跡は弥生時代前期における日本最大級の水田跡です。橿原考古学研究所によって2009年度より継続的に調査が行われ、大規模な水田跡が姿を現していましたが、調査も大詰めを迎えたこの時期に再び現地説明会が行われました(都合で行けなかったのが残念です)。
鐸形土製品は銅鐸との関係でもう少し勉強する必要を感じています。
纒向遺跡の解説パネルです。纒向遺跡は第1回目の実地踏査で行ったので、今回は山麓の古墳群を中心に踏査しようと考えています。
西日本の各地から纒向遺跡に持ち込まれたいわゆる外来土器です。纒向遺跡における外来土器の比率は15~30%で、全国各地のどの遺跡よりも高い比率となっています。
卑弥呼の墓ともいわれている箸墓古墳や西殿塚古墳など、纒向にある初期の前方後円墳からは円筒埴輪の原型とされている吉備の特殊器台が出ています。ここから、古墳の副葬品などの出土物から王権の誕生を辿っていきます。
石釧や車輪石。原型はゴホウラ貝などを加工した腕輪とされており、王家の威信財のひとつです。
特殊器台が発展して円筒埴輪になりました。
舟形埴輪によって当時の造船技術を知ることができます。
古墳時代中期になると鉄製の武器や武具が副葬されるようになります。
古墳時代中期の5世紀に全盛期を誇ったとされる葛城氏の本拠地の航空写真です。ここも実地踏査で訪ねることにしているまさにど真ん中のところです。
葛城の南郷遺跡群からは鉄滓や鞴の羽口など、製鉄が行われたことを示す遺物が出ています。
新沢千塚古墳群からは朝鮮半島や大陸、あるいは遠くペルシャから伝わったとされる豊富な副葬品が出たそうです。この展示を見て、実地踏査の行程にこの古墳群を追加することにしました。
南郷大東遺跡では水の祭りが行われたと考えられています。ここも行くことにしています。
この特別展はまさに今回の実地踏査ツアーの事前学習としてはドンピシャの展示内容でした。この展示内容に沿って行程を組んだと思えるほどです。ただ、今になって思えばもう少しじっくり見ておけば良かったと思う資料や解説がたくさんありました。葛城・纒向への実地踏査ツアーの詳細はおいおい記事にして行こうと思っております。
さて、この特別展を見学したあと、当館の常設展である古代オリエントのコレクション展も見学しました。世界史にもおおいに興味があるものの、この展示を理解するほどではないので、ひとつひとつの展示資料を詳しく見ることはしませんでした。
これは日本古代史とも大きな関連がある好太王碑文のレプリカです。これはじっくり見ました。
これはロゼッタストーンのレプリカです。
午前中の2時間程度の見学となりました。本当はもう少しゆっくりと見たかったのですが、午後から予定が入っていたので致し方なしです。でも、東京ではこのように大和をフィーチャーした展示を見ることができないので、非常に貴重な経験となりました。ここで撮った写真は纒向・葛城踏査ツアーの記事の中でも振り返りで登場させることになると思いますのでお楽しみに。以上です。
↓↓↓↓↓↓↓電子出版しました。ぜひご覧ください。
実は実地踏査ツアーの行程を検討する中で、橿原考古学研究所附属博物館は絶対に行こうと考えていたのですが、調べてみるとなんと現在は休館中とのことでガッカリ。そして見つけたこの特別展でした。いっしょに実地踏査に行くことになっている古代史仲間の佐々木さんを誘って二人で行ってきました。
古代オリエント博物館は池袋サンシャインシティ文化会館の7階にあります。エレベーターを7階で降りて通路を左に進むとそのまま入口につきます。(※本記事の写真は全て私が当館で撮影したものです)
入館料は900円です。貴重な資料が豊富にあるとはいえ900円は少し高く感じました。
この映像ホールの左手が今回の目的である特別展の展示室で、右手は常設展の展示室になっています。
この石棒はインパクトがあります。
葛城の中西遺跡からの出土物です。京奈和自動車道の御所南IC建設に伴って発見された中西遺跡は弥生時代前期における日本最大級の水田跡です。橿原考古学研究所によって2009年度より継続的に調査が行われ、大規模な水田跡が姿を現していましたが、調査も大詰めを迎えたこの時期に再び現地説明会が行われました(都合で行けなかったのが残念です)。
鐸形土製品は銅鐸との関係でもう少し勉強する必要を感じています。
纒向遺跡の解説パネルです。纒向遺跡は第1回目の実地踏査で行ったので、今回は山麓の古墳群を中心に踏査しようと考えています。
西日本の各地から纒向遺跡に持ち込まれたいわゆる外来土器です。纒向遺跡における外来土器の比率は15~30%で、全国各地のどの遺跡よりも高い比率となっています。
卑弥呼の墓ともいわれている箸墓古墳や西殿塚古墳など、纒向にある初期の前方後円墳からは円筒埴輪の原型とされている吉備の特殊器台が出ています。ここから、古墳の副葬品などの出土物から王権の誕生を辿っていきます。
石釧や車輪石。原型はゴホウラ貝などを加工した腕輪とされており、王家の威信財のひとつです。
特殊器台が発展して円筒埴輪になりました。
舟形埴輪によって当時の造船技術を知ることができます。
古墳時代中期になると鉄製の武器や武具が副葬されるようになります。
古墳時代中期の5世紀に全盛期を誇ったとされる葛城氏の本拠地の航空写真です。ここも実地踏査で訪ねることにしているまさにど真ん中のところです。
葛城の南郷遺跡群からは鉄滓や鞴の羽口など、製鉄が行われたことを示す遺物が出ています。
新沢千塚古墳群からは朝鮮半島や大陸、あるいは遠くペルシャから伝わったとされる豊富な副葬品が出たそうです。この展示を見て、実地踏査の行程にこの古墳群を追加することにしました。
南郷大東遺跡では水の祭りが行われたと考えられています。ここも行くことにしています。
この特別展はまさに今回の実地踏査ツアーの事前学習としてはドンピシャの展示内容でした。この展示内容に沿って行程を組んだと思えるほどです。ただ、今になって思えばもう少しじっくり見ておけば良かったと思う資料や解説がたくさんありました。葛城・纒向への実地踏査ツアーの詳細はおいおい記事にして行こうと思っております。
さて、この特別展を見学したあと、当館の常設展である古代オリエントのコレクション展も見学しました。世界史にもおおいに興味があるものの、この展示を理解するほどではないので、ひとつひとつの展示資料を詳しく見ることはしませんでした。
これは日本古代史とも大きな関連がある好太王碑文のレプリカです。これはじっくり見ました。
これはロゼッタストーンのレプリカです。
午前中の2時間程度の見学となりました。本当はもう少しゆっくりと見たかったのですが、午後から予定が入っていたので致し方なしです。でも、東京ではこのように大和をフィーチャーした展示を見ることができないので、非常に貴重な経験となりました。ここで撮った写真は纒向・葛城踏査ツアーの記事の中でも振り返りで登場させることになると思いますのでお楽しみに。以上です。
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小嶋浩毅 | |
日比谷出版社 |
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