あまのはらふりさけみれば・・・・

北京で単身赴任生活2年、帰国後も中国ネタを書き綴ります。

雹(ひょう)

2013-06-12 07:53:45 | 燕京歳時記
常住の世の昏みけり雹が降る  草田男※

昨日、夕方、雷とともに雹が降ってきた。
まさに草田男の句の如し。

雹なぞ関西人の私は見た記憶がなく、あったかもしれないが思い出せな
い。別にアルツハイマーではないと思っているが・・・。

さて、雹は夏の季語。そんなこたぁ昔読んだ歳時記で知っていたものの、
ほんまなんや、と感心しきり。
北関東、南東北のものなんでしょう、主に。

畏れ多くも、無謀にも冒頭の句に並べて、駄作をここに掲示する。

疑いし目の錯覚か雹の降る くまねこ

ウーン、無謀だ。


※ 中村草田男 虚子門人。
  教科書にもたくさん載っている。
  ちなみに拙者の中学の教科書には、この句が掲載されていた。

  萬緑の中や吾子の歯生え初むる

  万緑を夏の季語として決定づけた名句であろう。
  中国福建省厦門(アモイ)生まれの彼らしい、漢詩から引いてきた
 もの、と私は思っている。
  なお、どうやら引用元は王安石の詩の中の「万緑叢中紅一点」なので、
 有名な「紅一点」も実はここから(ではないかなぁ・・・)。
  生物の活動が最も活発になる夏、その夏の勢いを赤ん坊の生命力の中に
 感じ取った、のであろう、と思う、のだが・・・。

  しかしそれよりも有名なのは、名セリフ「○○は遠くなりにけり」の
 基となったこちらであろう。

  降る雪や明治は遠くなりにけり

  降り積もる雪に、積もり積もった時間の経過を重ね合わせて感慨にふける、
 という場面を想像するのだが、いかがであろう。

  これを大学(東大文)在学中に詠んだそうで、スゴイもんだと感心
 するしかない。  


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