WATERCOLORS ~非哲学的断章~

ジャズ・ロック・時評・追憶

エイミー・ベルという歌手

2021年01月17日 | 今日の一枚(Q-R)
◎今日の一枚 462◎
Rod Stewart
Foot Loose & Fancy Free
 これは凄い。何気なくYou Tube をいじっていてたまたまタッチした動画に思わず声を出してしまった。ロッド・スチュアートの2004年のロイヤルアルバートホールでのライブ映像である。曲は名曲「もう話したくない」(I don’t want to talk about it )、ロッドとデュエットしているのは、当時22歳で無名の、エイミー・ベル(Amy Belle)という歌手らしい。スコットランドのグラスゴーの路上で歌っているところを見いだされ、この一夜限りのライブに招待されたということだ。清楚でキュートでかわいらしい雰囲気もさることながら、歌の表現力がすごい。その情感溢れる歌唱は、完全に、ロッドを食っている。ロッドファンやコアなオールドロックファンの間では、すでに知れ渡ったことだったようだが、ロックから離れていた私はまったく知らなかった。とにかく、いい。

 というわけで、今日の一枚は、ロッド・スチュアートの1977年発表作『明日へのキックオフ』(Foot Loose & Fancy Free)である。「もう話したくない」は入っていないが、私の一番好きなアルバムである。高校時代、何年生の頃のことかは忘れたが、後ろの席だったバンカラのF君の影響で、ロッド・スチュアートを聴きはじめた。制服自由化の高校で、頑なにバンカラを守り通しているF君がロッド・スチュアートのファンだということが新鮮で興味深かった。彼からは、ロッド・スチュアートについていろいろと教えてもらったが、私には比較的新しかった『明日へのキックオフ』が一番しっくりきた。ロッドの抒情的な側面が強くでているアルバムだったように思う。このアルバムには後にロッドの名曲と評価され、ライブで繰り返し演奏されることになるナンバーがいくつも収録されている。① Hot Legs ③ You're In My Heart(胸につのる想い) ⑤ You Keep Me Hangin' On ⑧ I Was Only Joking(ただのジョークさ)などがそれである。
 しばらくぶりに聴いたが、今聴いても十分に魅力的な一枚であると思う。F君とは、高校卒業以来一度も会っていない。今、何をしているだろうか。



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