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太陽の南 2003年 全16話
ガン・ソンジェ(チェ・ミンス)は同じ職場の恋人、ミンジュ(ユソン)との
婚約式の日に突然…公金横領の罪で警察に逮捕された。
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ソンジェは身に覚えが無く、訳が分からなかったが…
それは、幼なじみで親友のキム・ヨンテ(ミョン・ロジン)の
策略におちたのだ。
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ミンジュが入社して来た時から、気になっていたヨンテは彼女がソンジェと
結婚すると知って、嫉妬のあまり、彼を陥れようと、企てた。
公金横領は元々、パク理事とヨンテがやっていたことで、それを監査のまえに、
ソンジェが何か変だと気が付いて、提出しようとしていたところだったのだ…
まさか親友のヨンテが関わっていたとは思わなかったソンジェは
彼を疑わなかった。
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幼なじみの二人は常に一緒で剣道も勉強も
ソンジェが上でいつも、ヨンテを助けていた。
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今の会社も彼の助けで入ったも同然だった。
それらを全て、ヨンテがコンプレックスに感じていたのだ…
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ソンジェに不利な証拠をでっち上げ、パク理事も、裁判で証言し、
8年の刑が下った
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悲しむミンジュにソンジェの親友ぶって、親切に近づいたヨンテは
卑劣にも彼女を力尽くで犯してしまった… そして、
ソンジェに二度と会うな、会ったらこの事を話すぞ…と脅迫した。
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会いに来なくなったミンジュにソンジェは手紙を書いた…
返事の来ない相手に書き続けたが…
ミンジュの住んでいたアパートは再開発で取り壊され、その住所に
別の家が建っていたのだ。
(日本なら、その住所に別の名前の住人だったら、
宛名人不明で戻ってくる筈だけど?…)
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そして、その住人がチョン・ヨニ(チェ・ミョンギル)だった。
捨てることも出来ず、保管していたが、貯まる手紙に困って、
中をあけてみた。
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一途な手紙の内容に、放置は出来ないと思い、此処にはもう、
ミンジュという人は住んでいない事をかいて、送った。
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看守から、手紙を受け取ったソンジェは返事が来たと喜んだが…
彼はミンジュからでないことに、がっかりしたが親切に手紙を書いて
知らせてくれた・・相手にお礼の手紙をかいた。
私書箱宛なので、彼が刑務所に居ることは知らない。
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彼は自由な広い海を思い浮かべて憧れていた漁師に
なったつもりで自分の気持ちを書いた…
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広い海で魚を釣っている夢の世界を…綴った…
一方のヨニは数年前に幼い娘を事故で亡くして、その後遺症で、
夫との仲も冷え切った辛い日々を過ごしていた。
だから、子供達に囲まれて幸せな生活…
素敵な果樹園での夢の世界を綴った手紙を…
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お互いに返事を書いているうちに、
何時しか、相手の手紙を待つようになった…
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そして、3年が過ぎた…
やがて、三日間の仮出所の許可がおりた。
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付き添った看守は三年間の彼を見ていて、ソンジェを信用して、
自由にしてくれた「三日後にこの場所で落ち合おう…
但し、必ず夜10時に電話をしなさい。
俺の首が掛かっているからな…信じているぞ…」
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しかし、ソンジェには会わなければならない人がいた。
自分を罪に陥れたパク理事…彼に問いたださなければ気が済まなかった。
理事に電話をし、会いたいと言ったが会議が長引くので会えないと、
断られた。理事は恐れていた…
嘘がばれることを…すぐに、ヨンテに連絡し、助けを求めるが…
ヨンテは冷たく云った。
「会えばいいでしょう4年前の監査結果をそのまま云えばいい…
もう、俺には関係ないことだ」…ヨンテは事件の後、パク理事から、
大金をせしめて、クラブ経営を始めていたのだ。
ソンジェはパク理事に会って、真実を聞こうとするが、
理事は監査結果のとうりだと、言い張る…
ソンジェは激怒してどんなに苦しんだか、何故、俺だったんだ…
掴みかかりながら、覚悟をしておけ、
どんなことをしても、真実を明かすから…
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俺の言葉を忘れるなよ…と立ち去ろうとした…その時…暗闇から…
突然車が猛スピードで走ってきて理事をはね飛ばした…
ソンジェは驚き、理事を助け起こしたが、既に虫の息で、
「ヨンテに会え…」と、言い残して息を引き取った…
ソンジェは放心状態で暫く、歩き回ったが…
やがて、看守に約束通り、電話をした。
元気が無いな…と云われたが、歩き回ってつかれたと、言い訳をした。
一方ヨニは夫の愛人とホテルで鉢合わせしてから、気丈に振る舞ったが、
やはり、気晴らしがしたくて、旅行に出かけた。
彼の手紙にあった海に行きたくなった。
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偶然二人は同じ列車に乗り合わせたが、まだお互いを知らずにいた。
そして、同じ駅で降りた。彼女は海に行く為にタクシーに乗り、
「この辺りに鯨の墓って、有りますか?」と訪ねた
「10年タクシーをやってますが初耳です…」
ソンジェは父の墓参りに来た…そして、ミンジュとの思い出に浸る…
父と彼女と三人の幸せな時間を…
あの事件さえなければ…父もショックで死なずに済んだのに…
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「父さん、ソンジェが来ました…」
墓参りの後、彼は親友のヨンテのクラブを訪ねた。
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ヨンテが部下に命じて、理事をひき逃げさせたとは、
知らないソンジェは理事に会った事、
そして、理事が何者かにひき逃げされた事を彼に話した…
ヨンテは親切なふりをして、彼に「必要だろう」と言ってお金を渡した。
そして、ソンジェがクラブを出ると、部下に後を付けさせて、
どこに泊まるかを調べた。
そして、警察にひき逃げ犯が泊まっていると、通報をした。
警察に追われた彼は切羽詰まって、隣の部屋に逃げ、偶然其処にいたヨニに
騒がないで、訳が有るので…暫く静かにしてください…と口をふさいだ…
ヨニは驚いたが、ソンジェが悪い人に見えなかったのか、おとなしく従った。
警察がきて、部屋を調べ、出て行った時「ありがとうございます、」
と、出て行こうとしたら、外にまだいる声が聞こえたのでヨニは
彼を追い出せなかった。
引き留めて、話しているうちに、同じ列車に乗っていた人だと気が付いた。
何故此処に?…俺は此処で生まれました。父の墓参りに来たんです。
父は漁夫でした。
学生の時、家に帰ると父は俺を船に乗せ、漁をさせました。
手伝わないと学費は出せないと…
あの頃は息子を側に置きたかった父の気持ちを気づいてやれなかった…
後に父の気持ちを理解して漁も楽しくなりました。
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深夜に海に出て、網を引き上げる頃には太陽が昇るんです…
降りそそぐ陽ざし、
黄金に輝くウロコ…「本当に美しそうですね」…
はい、網からあふれる透明なガラスのように
輝く黄金のウロコ…
「透明なガラスのようにですか?」その頃は幸せでした。
何の心配もなく毎日が幸せで…
とても幸せでした…ヨニはその時文通相手の手紙の文章と
同じだと気が付いた…「じゃあ、その時誰か好きな人がいませんでしたか?」
はい、とても愛した人がいました。今は行方が分からなくて会えないけど…
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ユニは確信した、これは文通の相手だと…
ヨニは朝まで部屋に居るように云ったが彼はそっと、
気づかれないように出て行った。手紙を残して………
空き家で眠ったソンジェは翌朝ヨンテに電話をし、呼び出した。
知っているのはお前だけだと…ヨンテはとぼけた…もう、
彼のことは信じられなかった…
ソンジェは海辺を歩いていると再びヨニと出会った。
彼女は嬉しそうに急に居なくなって心配したんですよ。
どこに泊まったんですか?
泊まるところは沢山あります此処は地元ですから…
俺のせいでよく眠れなかったのでは?…いいえ、とても良く眠れました。
ふたりで、食事をしながら、ヨニは
不思議です数時間一緒に居ただけなのに親しみを感じるのです、
とても古い友人のように… そうですか…
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ヨニはこんな詩があります、
海も私も自分の言い分だけしゃべってる、酒は私が飲んだのに
すると、ソンジェが続きを云った。(何故、海が酔うんだ?)
ヨニは嬉しそうにご存じですね「大好きだった詩です」とソンジェが云うと
ヨニは又、嬉しそうに「そうですか」「なぜ、笑うんですか」
とソンジェが聞くとヨニはニコニコしながら
、秘密ですと答えた。あの手紙の文章だったから…
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食事の後、ヨニは地元だという彼に静かなお寺があったら、
案内してくださいと頼んだ。寺で祈るヨニを待ってから、
ソンジェは祈りの瓦にミンジュの名前を書いた。
彼はヨニにお祈りが長かったですね…と言った
娘が居たんです…事故死した娘のことを話した…
彼も好きな女性が居ましたが行方が分かりません…
今は幸せに暮らしていることを祈るばかりですと話した。
……二人は歩き続けた…
ヒールで歩きにくい彼女の為に露店でスニーカーを買った。
そして、また歩いた
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ソンジェは柊の枝をとり、子供の頃よくこれで、
蜘蛛の巣を巻き付けて遊びましたよ
と、懐かしそうに云った…ヨニはなんて云う木ですか?
柊(ひいらぎ)です。「そうですか…知りませんでした…花言葉は?」
「確か、あなたを守ります…だと…そうです。」