

「武士の家計簿」という映画で知られる原作者の磯田道史(いそだ みちふみ)は
歴史学者である。
最近ではコメンテイターやテレビの司会者としても顔が知られるようになった。
私はY新聞の連載記事「古今をちこち」を読んでその存在を知るようになったものである。
書店で磯田道史著の「日本史の内幕」という新書版を見つけて、即、購入したのだった。
この本のまえがきにもあるように、歴史研究の手がかりになるものは「古文書」である。
古文書は歴史の現場に残された遺留品であり、貴重な一次史料であると磯田先生は言う。
さて、今、日本では新型コロナウイルスのデルタ株が猛威をふるっている。
磯田先生は過去に起きた「スペイン風邪」の流行を例にあげ、そのパターンに当てはめると
今の日本はどのあたりにいるのかがわかると言う。
細部については省略するが、それによると日本は現在中盤から終盤の兆候を見せているという。
「古典的だがマスク着用と手洗いをやり、未知の新技術だがmRNAワクチン接種で対抗して
ゆくしかない」と述べているのである。
スペイン風邪のパターンに当てはめれば終盤には「国民の多くが免疫を得て終息する」
ものと思われる。
そうなることを心から願ってやまない。