2019-10-14 大分発・北海道一周 自走車中泊 夫婦旅 ( 北海道新幹線・竜飛岬・たっぴや名物母さん )47日目(東北編・青森)

2019-10-15 09:51:57 | 北海道一周 自走車中泊夫婦旅
2019-10-14(月)
青森県東津軽郡今別町の『道の駅いまべつ』で47日目の朝を迎えました。
台風一過。
天気は晴れ 気温8℃
少し肌寒さを感じますが昼前には暖かくなるはずです(たぶん)

昨夜、龍飛岬で夕陽を観て近くに泊まるはずだったのですが広い駐車場には私たちを入れて車が3台のみ。
ここは経験上移動の一択です。
走ること30分。
こんなところに道の駅があるのか、と不安の中信号を曲がった途端。
まるでホテルかと見間違うような
明るい灯りと大きな建物が目の前に現れてきました。
驚きで声が出ません。


それもそのはずこの『道の駅いまべつ』は北海道新幹線「奥津軽いまべつ駅」と津軽線「津軽二股駅」に隣接しているんです。



この日はここで車中泊です。


少し離れた場所にはおじいちゃんが乗った車が1台。
どうやら車中泊は私たちと2台だけのようです。


でもここは新幹線の駅。
山の上よりは安全です。


AM8時。
道の駅を出発です。


龍飛岬を目指します。



その途中。
嫁が何かを見つけて私にUターンの指示。

『青函トンネル入り口広場』と書いたパネルを見つけたようです。
すぐに引返し広場に車を停めます。




ここは津軽半島の北部にある青森県今別町。


全長53・85キロを誇る青函トンネルの本州側の入り口があり、線路を見下ろせる展望台が設けられています。


その展望台の上にいるとトンネルの中からなにやら音が聞こえてきます。

ちょうど在来線がトンネルから出てくるところです。


でもここは新幹線が走る線路。
なぜ在来線が走れるのでしょうか?



以前北海道の時も少し書いたのですが。

新幹線のレール幅は標準軌と呼ばれ、世界でも多くの国で採用されている1435ミリ。
一方、貨物列車はJR在来線で採用されている狭軌で、幅は1067ミリ。
異なるレール幅の両者が同じ路線を走ることはできないのですがこの区間は全国でも珍しい「三線軌条」と呼ばれる特殊なレール敷設がされているんです。

進行方向に向かって左側に1本、右側には2本。

左の1本は新幹線と在来線が共通で使い、右2本のうち、内側は幅の狭い在来線、外側は新幹線が使っています。


在来線の写真を撮り新幹線の通過時間を確認すると数風後には新幹線が通過する時間となっています。

慌てて展望台に登って新幹線を待ちます。
新青森発 はやて93号がAM8時15分に通過していきました。


速い。
あっという間に通り過ぎて行きました。




その3分後。
はやぶさ12号がAM8時18分に目の前を通過。








北海道と青森。
偶然にも両方で北海道新幹線を観ることができました。
嫁、素晴らしい。
さすが口ナビさま、ありがとう。

さて、気分良く龍飛岬を目指します。

『前略 岬には元気な風が吹いています!』



龍飛のキャッチフレーズです。

AM9時
『津軽海峡冬景色 歌謡碑』到着。



ボタンを押すと石川さゆりさんの歌が大音量で龍飛岬に流れます。






この歌謡碑をよく見ると
 石川さゆりさんは「竜飛岬」と表記しています。


海の安全を見守る灯台は「龍飛崎灯台」と表記。

いったい『龍飛』と『竜飛』
どっちが本当なの?
さらに『龍飛みさき』と『龍飛さき』
どちらが正解なの?

地名には"実際の地名"と"通り名"があります。
実際に登録されているのは『龍飛崎』ですが通り名は石川さゆりさんの歌詞の中にある『竜飛岬』です。
ということで。

"どれも正しい"が正解です。


その時。
『どこから来たの?』
大きな声で話しかけてきたのは元気いっぱいのお母さん。


『大分からです』
そう答えると手にタンバリン?のようなものを持ち、まるでベテランのバスガイドさんのように目の前に見える風景の説明をし始めました。


向こうに見えるのは『北海道』


言葉は綺麗です。
東北弁のナマリがほとんどなく非常に聴きやすいのに驚きました。
お母さん自身もナマリが出ないように心がけているようです。


屋号は『たっぴや』さん。
移動販売車です。
お母さんの元気な声、大きな声、ハキハキした話し方はこの竜飛岬の元気な風に負けていません。

景色の説明と同様に商品の説明も立て板に水。
旦那さんは漁師。
マグロの一本釣りでテレビにも出たことがあるそうです。

何と!商品はお母さんの写真入りです。
『買います』


そのうち嫁と意気投合したお母さん。
プレゼントをいただきました。
お母さんにとっては大切なもの。
お母さんのイラストが入ったファイル。


『1枚しかないけどあげる』と言われたのが顔写真入りの切手シート。




お年を聴くと70歳(あれ? 書いて良かったのかな?)

嫁に言わせると『お化粧のノリが綺麗』とのこと。
男の私にはよく分かりません(笑)


たくさんの芸能人の方の写真がありましたがこのお母さんならテレビに出ても対等、いやそれ以上ではないのかなと(褒め言葉です)




いついつまでもお元気で!
ありがとうございました!

そう言って一旦別れました。

////////////

私たちは灯台へと移動します。
『龍飛崎灯台』










『階段国道339号』
日本で唯一、歩行者専用の国道です。



総延長388m。
362段の階段です。



歩行者専用ということは国道でありながら全ての車両(当然自転車も)が通れないのです。
そんな道路がなぜ国道になったのか?




諸説あるもののこの経緯はいまだ明確にされていないのです。
面白いでしょう?
興味津々です(笑)


その1。
かつては村道の階段であったがのちに県道に昇格。
国道339号が国道指定された際に、「役人が現地を見ずに地図上のみで国道に指定した」

その2。
この部分が階段であることは地元住民や当時の建設省も知っていた。現地の状況を把握した上で、国道に指定された。
(それはなぜ?)

その3。
最も有力とされるものとして「青函トンネル工事のためのバイパス道路を建設する計画があり、道路整備のため階段と知りながら暫定的に国道に指定された」

その4。
国道指定当初は階段ではなく狭い坂道になっていて、周辺の小中学校への通学路として青森県が階段に整備したもの。

いやいや諸説ありすぎでしょう。
私としては『その1』が好きですが(笑)

その階段を降りて行くと途中に箱が置いてあります。
扉を開けると『階段国道339号歩行記念』の紙が入っているので自分でスタンプを押して日付を書きます。




ここを通った証明書のようなものですね。


階段国道339号はこの竜飛岬の立派な観光の目玉になっています。

是非このままの形でいってもらいたいですね。


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観光を終え、嫁が『なっちゃーん』とたっぴのお母さんに声をかけたら『青森いなり』を持って車を追いかけてきてくれました。
その青森いなりの美味しかったこと。

『じゃあお元気で!』
そう言って再びお別れをしましたがバックミラーを見るとずっと手を振っています。

お母さん、お客さんをほっといたらダメじゃん。
私たちのことはいいからお客さんの相手をして。

数時間前までお互いその存在さえ知らなかったのに。

姿が小さくなってもなお手を振り続けてくれます。

嫁に『あなたのお名前を聞かせて』
『いつもは風の強い龍飛が今日は風が無い珍しい日』
『あなた達と出逢えて今日はいい日だった』
そう言ってくれたお母さん。

その姿をバックミラーで見てると切なくなってきます。
それでなくても最近涙もろくなってきてるのに。


『前略 岬には元気な風以上に元気なたっぴの母さんがいます!』




////////////

龍飛岬から『弘前城』へ移動です。

途中で昼食をとったり、昼寝をしたり。

15時15分 『弘前城』到着!


そして今夜お世話になる道の駅へ。

////////////


『またいつか』

そう言って別れた言葉に"また"が無いことは分かっています。
今回の旅で出逢った人と再び会うことはありません。

一期一会の旅。

出逢えたその時を、その人との時間を大切にしたい。

嫁は何も言いませんが、あのお母さんが気になって仕方がないようです。

なぜ分かるのか?
簡単です。

嫁とは夫婦だから!




追伸
なっちゃんお母さんへ!
嫁のブログも見てね!

『おもいっきり、つぶやいてみたりして・・・・』です。










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