ご心配をおかけしました。無事に帰ってきました。(「突発性難聴」を発症しました)

2013-11-23 11:53:33 | その他


「突発性難聴」という病名を聞いたことはありますか?
ある日突然に、片方の耳もしくは稀に両耳が聴こえなくなる耳の病気です。 
この病気の原因や本態は未だに不明です
その難聴の程度は、急に聴こえにくくなったと自覚する程度の難聴、すなわち中程度から高度の難聴です。 
したがって、難聴を自覚した「日時」を憶えているほどのはっきりした程度の聴こえの悪さを自覚します。
(厚生労働省の特定疾患に指定されている難病である)


私は11月5日の朝でした。
右耳からは運動会等に使うピーという甲高い笛のような頭が割れるような耳鳴り。
左耳からは低音のゴーという音の耳鳴りで目が覚めました。
あまりの音に今おかれている事態に頭がついていきませんでした。
とにかく落ち着こうと、嫁を起こし耳鳴りや耳の聞こえないことを説明しようとしますが
自分の声は異常に頭の中で響くし、嫁の声はわからないしで、
このときに音がまったく拾えていないことに気づきました。
テレビをつけてみましたが当然聞こえるはずの音量では何も聞こえてきません。
かなりパニックになりながらネットで自分の症状を調べてみると
どうやら「突発性難聴」らしいという事がわかりました。
嫁とは大きい紙とマジックで意思の疎通を図ることにしました。


「突発性難聴」を治すためには、早期安静入院が重要です。

少しでも早く入院して治療を受け始めることです。
少なくとも1週間以内、人によっては48時間以内と言う人もいます。
それでも完治する人は3割。
ほぼ治るが後遺症(耳鳴り等)が残る人3割。
元に戻らない人3割ということです。
治療が遅れるとせっかくの治る病気も治らなくなります。
 事実、早期の安静入院を逃すと、後になって入院してもほとんどの場合は手遅れ状態に陥っており、
早期入院と同じ治療を行っても治療効果が殆どない結果となっています。
一刻も早い入院が必要です。

その5日の朝、病院に行き6日から入院です。
入院の日数は7泊8日。
11月13日には良くても悪くても退院しなくてはなりません。
とにかくこの8日間が勝負です。

入院1日目(11月6日)・・発症2日目

朝11時からいよいよ「ステロイド」の点滴の始まりです。
体に劇的にきく反面、そうとうな悪さもするらしい。
看護師さんからこのステロイドの副作用について
あれこれ説明を受けたのですが結果的には
副作用には個人差がありそれぞれが違うので・・・
ということらしいです。
なので、これから私の体に起こりうるすべての悪い事は
全てこのステロイドの副作用のせいにすることにしました(笑)


入院2日目(11月7日)・・発症3日目

はげしい耳鳴りのせいでほとんど寝れませんでした。
それでも睡眠導入剤のおかげでとろとろできたでしょうか。
看護師さんが朝8時に朝食をベットまで持ってきて何かしゃべりかけてくれるのですが
まったく聞こえません。
トイレに行く。ドアを閉める音。水を流す音。
手を洗う音。昨日まで当たり前のように聞こえていた音が
何も聞こえないという違和感と不安がつきまといます。


入院3日目(11月8日)・・発症4日目

あいかわらず夜は寝れません。
ステロイドの副作用なのか首から上は汗をかいているにも
関わらず足が寒くて震えてきたので湯たんぽを借りました。
足首が突然痛み出したり、肩から胸が痛み出したりと
見事なまでの悪さぶりです。
毎日来てくれる嫁から仲間のみなさんからの励ましのメッセージを
聞きます。
あの大銀ドームのG裏に行って仲間と笑い合いたい。
そんな日がくるんだろうかと、ふと弱気になります。


入院4日目(11月9日)・・発症5日目

朝、目を覚ますときに「もしかしたら」と期待を
してしまいますが相変わらずの無音の世界に
ついつい落ち込んでしまいます。
先生が回診してきたので「少しでも改善しますか?」と
聞いたのですが「難しいですね」という答えしか
返ってきませんでした。
今の世の中、治らなければすぐに「裁判だ」となるから
言い方も難しいのでしょうね。
でも入院患者への「心のケア」の勉強も必要なのでは
ないかとふとそういう事を思ってしまいました。

入院5日目(11月10日)・・発症6日目

毎日、臼杵からバスに乗ってやってくる嫁のためにも
何とか良い報告をしたい。
そう思うのですが状況はまったく変わりありません。
先日息子夫婦がお見舞いに来てくれたときに
Rちゃんから言われた「きっと良くなります」という言葉と
嫁の「大丈夫だから、良くなるから」という言葉が
本当に心の支えになっている事を感じます。
弱っている心に言葉は勇気を与えてくれます。

入院6日目(11月11日)・・発症7日目

時々大声で叫びたくなります。
いらいらや不安でどうにかなりそうになります。
でもそれらを押さえる事のできる
もう一つの心の支えがあります。
青葉(孫の名前)です。
入院するときに青葉の写真をたくさん持ってきました。
苦しいときには必ず見ました。
とにかくもう一度声を聞きたい・・


入院7日目(11月12日)・・発症8日目

朝、まったく状況は変わっていません。
明日は退院です。
諦めたくはありませんが、心が折れてしまいそうになります。
ところが昼のご飯を食べたところで左耳から
かすかですが音が聞こえてきました。
その音は通常の音とは程遠いものでしたが
私の中では「もしかしたら」と希望が湧いてくる
そんな音でした。

入院8日目(11月13日)・・発症9日目(退院日)

耳鳴りは相変わらず凄いものの
その中から確かに音が聞こえてきます。
外の風に当たりました。
まだまだノイズのような音ですが確かに風が鼓膜を震わせています。
その事が涙が出そうなほど嬉しく感じました。

11月15日(発症11日目)

突然、本当に突然聞こえるようになりました。
高い音は割れてしまいますが、普通の会話なら
できるようになりました。


11月21日(発症17日目)

退院して2度目の病院です。
MRIの検査結果が「異常無し」でした。
これから3週間の自宅療養の後、12月12日に再度検査をして
数値に異常がなければ完治ということになります。

今現在の状況ですが両方に耳鳴りが残っています。
これは後遺症として残りそうですが
つきあっていくしかありません(笑)
テレビの音や大きい音はまだまだ頭に響きます。
大銀ドームへの参戦も今年は無理でしょう。

しかし諦めかけていた普通の生活ができるまで回復したのも
家族の励ましはもちろんですが「G裏町内会」のみなさん
又、トリニータを通して知り合った多くの仲間のみなさん
の励ましがあってこそです。
一人一人に言葉として返す事はできませんでしたが
本当に感謝をしています。



又、大銀ドームやどこかのアウェーの場所で
会えるのを楽しみにしています。

本当にありがとうございました。







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