家にFM東京の音源によるCD(オッコ・カム指揮ヘルシンキ・フィルのシベリウス3番+6番の厚生年金ライブ)があってチケットの半券がケースに入っていました。父がFM雑誌でFM東京(現TOKYO FM)主催のTDKオリジナル・コンサートの抽選に応募して当選したので一人で新宿に聴きにいったそうです。
そのときのコンサートでは、まだ日本の聴衆にはフィンランディアと交響曲第2番ぐらいしか知られていないシベリウスの、3番と6番という、当時実演では珍しい曲(両曲とも来日オーケストラとしては初の演奏)が始まるのをみんな固唾をのんで待っていたらしいです。父は3番の開始の瞬間の音をいまだに覚えています。6番に限っていえば、当時はカラヤンのLP(DG)が雑誌では絶賛されていた時代だったらしいのですが、そのLP、終楽章の消え入るようなエンディングが人工的に、電気的にフェードアウトされていたのをはじめ、全体的にわざとらしい録音だったのでなおさら、自然なシベリウスの音に驚いたと申しておりました。
シベリウスの2番以外の交響曲のすばらしさを我が国において広めたイベントの一つがこのチクルスであったに違いないです。
このような、日本の音楽史に残るようなイベントを開催したTOKYO FMさん、いまの時代でこそ再び何かやらかしてくださることをクラシック好きとしては切に希望します~