『婦人公論』1958年11月号より、六本木のフランス料理店で食事をする作曲家・芥川也寸志(1925-1989)と声楽家・砂原美智子(1923-1987)です。
↑ お二人とも30代半ば。久しぶりに一緒に食事をしたそうです。
砂原美智子さんのコメントです。
「メニューを見てるうちに、まず食前酒を注文しようという気になった。隣りの芥川さんに勧めたけど、彼、アルコールは一滴も駄目なのかどうかしらないけど、あっさり断られ、女の私がお酒、男の彼が水を注文してる図は余りいい恰好ではない。
ちびりちびりオードゥブルをつまみながらしゃべっているうちに、たがいに話に熱が入り、たべものの話から、日本語と音楽の問題に話題変更、強情っぱりの持前精神を互いに発揮し、あわやケツレツ寸前までいったが、そこはいい気なもので、お互い自分の説が通った積りでニコニコ、全く自分勝手である。」
。。。芥川さんはお酒が飲めなかったんでしょうか?
このお店は「レンガ屋」といって、東京・港区今井町交番前(現在の六本木交番か)にあったそうなのですが、ネットで探した限り現存していないようです。ざんねん。