幼馴染なんです(^^)
KDCもここみゅも彼らの活動をもう何年も応援しています。
こちらの会報もお手元に届きますのでぜひ、皆さん読んで彼らを応援してあげてくださいね!
‐園の庭をはきながら‐
自慢の家・育つ家
たかねっち☆
TOKYO2020(ニーゼロニーゼロ)。1964年に続いて2度目の東京開催。開催まで3年を切った今、東京オリンピック・パラリンピックに関する報道やCMは毎日欠かさず目にするようになりました。また、多くの競技でオリンピックを目指す若いアスリートたちは着実に力をつけてきており、世界の強豪相手に目覚ましい活躍をしています。3年後の本番が楽しみです。
しかし、東京オリンピックの開催にあたっては、エンブレム盗作疑惑に始まり、新国立競技場の建設費、競技会場の誘致や費用負担問題、更にはインフラ整備の遅れなど様々な問題や課題が指摘され、開催そのものに対し賛否両論ありますが、私は4年に一度の世界最大のスポーツの祭典がわが国で開催されることは大変名誉なことであると純粋に思います。
ちなみに1998年の冬季五輪の開催地が長野に決定した日、18だった私は上京して間もない頃で、下宿先テレビを観ながら、故郷での開催という快挙にひとり歓喜の雄叫びをあげたことを今でも覚えています。オリンピック・パラリンピック東京大会を3年後に控え、関係各位の御苦労は並々ならぬものかと思いますが、どうか無事成功に導いて欲しいと陰ながら応援しています。
さて、今回、何故私がオリンピックの話題に触れたかと言うと、実はオリンピック開催年の2020年は、軽井沢学園にとっても大変重要な年となるからなのです。それは何かというと、軽井沢学園園舎建替え計画です。
現在の建物は昭和57年に建てられたものです。かれこれ30年以上が経過して老朽化が進んでおり、その最たるものは雨漏りです。竣工当時はモダンといわれた赤くて大きな屋根も複雑な形状であるが故、今では至る所で雨漏りします。その都度、業者に防水シールなどで補強してもらってきましたが、今なお雨漏り箇所の特定は出来ておらず、また、全てを塞ぐことが出来ないために、台風や長雨の時には廊下のあちらこちらにバケツやたらいが置かれ「ポタッ、ポタッ」と淋しげな音を奏でます。廊下の天井にはカビによるシミもあちこち見られます。
決して粗末に使ってきた訳ではないと思うのですが、その他にも経年劣化による建具やサッシのひずみ、外壁のひび割れ、地中に埋設された配管の腐食や漏水、排煙装置の故障など、修繕に係る費用は年々増すばかり。このような現状ですから、もはや建替えは急務です。
また、老朽化以外にも建替える理由はあります。それは、何度かこのコーナーでもお伝えしてきた、これからの児童養護施設のあるべき姿。少人数で家庭的環境のもと、特定のこどもと大人とで営むごくごく普通の暮らし。“施設の小規模化・地域分散化”という理想の実現です。
その理想の実現に向けて私たちは、平成20年に日本財団とSBI子ども希望財団の寄付をいただき本園の同一敷地内にグループホーム「ほほえみ」を開設し、平成27年には、地域分散化の先駆けとして、国県から安心こども基金という補助金を得ながら佐久市に「Casa佐久花園」というグループホームを開設しています。
このふたつのグループホームの運営が開始されて数年が経ちますが、集団生活とは違った落ち着き感、一人ひとりが主役となれるような個別性の高まり、自然と身に付く生活力。これら環境そのものが持つ力を多くのこどもと職員が実感していることでしょう。このように、こどもたちの健やかな育ちを保障するという観点からも施設の小規模化は急がれます。
では、新しい建物はどのような形態とするのか。大きな施設を小規模化するには主に2とおりの方法があります。“分園型”と“ユニット型”です。分園型というのは、小さな家を敷地内に点在させる方法でコテージのイメージです。ユニット型は、大きな棟の中で各世帯(ユニット)を幾つかに区切る方法。こちらはマンションのイメージとなります。いずれの建物も、玄関に始まり、居間、台所、浴室、トイレなど全てがユニット毎に造られており、一般家庭同様の生活スタイルとなります。分園型もユニット型もそれぞれにメリットデメリットがありますが、私たちの中での有力案は、棟続きのお隣さん同士が助け合うことのできるユニット型で、こども6人定員を1ユニットとし、2ユニットが接続された棟を3棟建設するというものです。現在の定員は40名ですから、この40名を単純に6名で割ると、40÷6=6.666・・・となり7ユニットが必要となりますが、少子化や入所児童数の減少なども加味して5つのユニットで構成された施設となるよう検討を重ねています。
検討は、数年前から「あり方検討委員会」という会を施設内で結成して定期的に行っているのですが、部屋数や間取りの他、職員の勤務体制や、新しい施設にはどの様な機能を持たせるのか、どの様な事業を行っていくべきかなど、決めなければならない事は沢山あります。そのため、最近建替えたばかりの施設や先進的な取り組みをしている施設を視察したり、地域の子育てに関するニーズを探ったりもしています。
更には資金繰り。これも大きな問題です。むしろ一番大きな問題と言っても過言ではありません。一般的に定員40名規模の児童養護施設を建てるためには、土地代を除き安く見積もっても5億円以上の建設費用がかかります。しかし、軽井沢学園は社会福祉法人法延会という非営利目的の公益法人に属しており、正直言って積立額はわずかです。そのため、国・県からの補助金に頼らざるを得ませんが、補助額は設計監理、土地の造成、外構工事などを除く建設費の最大でも3/4程ですから、自己資金も億単位の額を確保しなければなりません。
こだわりを捨て、予算をケチって安普請でこしらえることも出来ますが、この学園には軽井沢という土地柄もあり、毎年大勢の視察者が訪れます。私は、視察に来られた方々から「さすが!軽井沢の施設は違いますね~」そう言われたい。就職を迷っている若者から「あんな素敵な職場で働いてみたい!」と思われたい。それ以上に、こどもたちがたくさん友達を連れて来たくなるような自慢の家にしたい。だから、これから末永く活躍していただくスタッフたちに対し、お金の心配はしなくていいので、とにかく後悔せぬよう自由に意見を述べて欲しいと言います。
・・・なんて、かっこつけて言ってはみるものの内心ヒヤヒヤ。やはり金銭面は深刻です。金の成る木がある訳もなく、最近はお金のことが多く夢に出てくるようになりました。バブル絶頂期川崎市内の竹やぶに2億円が落ちていた事件を想像してみたり、気が付けばそんなことばかり考えてしまう今日この頃です(笑)
もちろんこの一大プロジェクトは、こどもたちも承知しています。「ボクが中学3年生の時に新しくなるね」とか「私は卒業しちゃうから住めなくて残念」「やっぱ2階建てがいいな~」「1人部屋は怖いから○○君と一緒の部屋にしてね」など、時折建替えについてこどもたちとも話をします。中には「お金が必要ならボクの貯金を使っていいよ」なんて私財を差し出そうとする忠義者もいます。こどもたちも楽しみにしてくれているので頑張らない訳にはいきませんね。
3年後に控えたオリンピック・パラリンピック東京大会。関連ホームページには、開催まであと○○日とカウントダウンも始まっています。紆余曲折を経ながらも、多くの人々の尽力により着々と準備は進められ、きっと無事開催まで漕ぎつけることでしょう。それとは比較にならないくらい規模の小さな話しではありますが、私たちも3年後に控えた施設の建替えという一生に一度経験するかしないかの時期を迎えるにあたり、不安や重圧を感じながらも皆で知恵を出し合って多くの人に喜んでもらえる建物にしたいと検討を重ねています。
・・・今回はいつもと違って施設運営に関するお話をさせていただきました。興味のない方にとっては退屈でつまらない話しだったかもしれません。しかし、こどもたちの暮らしの舞台となる“器(うつわ)”にまつわるお話しも、日々応援して下さるみなさんには知っていただきたいと思いこのような内容とさせていただきました。3年後に生まれ変わる“新軽井沢学園”をオリンピック同様、どうぞ楽しみにしていてください。
おわり
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