イキイキと生きる!

縄文小説家・森裕行のブログです。身近な縄文を楽しみ生き甲斐としています。「生き甲斐の心理学」の講師もしています!

こころの深層にある海!

2008-08-11 | 第八章「魂と聖霊」

 昨日、「崖の上のポニョ」を観た。宮崎駿氏の映画は、娘が幼いころから今日まで、映画館で良く見たが、今回も感動した。

 「崖の上のポニョ」は、ポニョ本人及び父と母が妙に謎めいていて、そこがとても新鮮であった。謎めいていても、愛情深い人というのは、年をとってから妙に有難く思う存在である。また、謎めいていることを受容する重要性も気付かせてくれる。さらに、カンブリア紀の生命が花開く時代の海を、想い描くことができたのは嬉しかった。

 実は、1974年に私が書いた短編小説にも、海が登場する。その時の海のイメージは、伊豆半島での、危うく溺れかかった海、高校生の時に、南伊豆や西伊豆に出かけてその美しさに感動した海でもある。

 しかし、今思うとさらに7歳の時に行ったアラスカの海のイメージも深層にあるように思う。不気味な大きなヒトデや不格好な魚(味は良かったけれど)もいる海。豊かもしれないが、怖い海。

 さらに、個人的な成育史上の思い出の他に、DNAの研究等で次第に明らかになってくる、祖先達の海の経験も思い出した。アフリカを旅たち、紅海をわたりアデン・アラビアへの道。さらに今のアボリジニが住むオーストラリア、そして日本。勿論、それ以前の太古のことも含め、海が人のDNAに及ぼした影響は計り知れないと思う。

 海は、清浄で慈愛溢れる存在であり、一方、破壊的で不気味な死と直結する負の面もある。源氏物語にも住吉神社や明石の暴風雨などがでてくるが、古代より、竜神がいる、神秘的な場所だったのだと思う。ギリシャ神話や日本神話でも海がなければ始まらない。

 「崖の上のポニョ」は、そんな海を深いところで肯定的に描いてくれた作品であった。1974年のころの自分の不安は、2008年のポニョで解消したかもしれない。

<1974年のタイムカプセル 4/4>

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