イキイキと生きる!

縄文小説家・森裕行のブログです。身近な縄文を楽しみ生き甲斐としています。「生き甲斐の心理学」の講師もしています!

愛の原型は?

2009-11-05 | 第一章「意識と知覚」

 昨日、親しいAさんと話をしていると、Aさんの知人Bさんの話になった。

 Bさんは、とても優しい人達に囲まれ、いろいろ世話をしていただいているのに、その愛がBさんには分からず孤独にいるようだという。何で周りの人達の心のうちが分からないのかという話であった。

 その話も気になっていたが、今日たまたま頂いた、知人Cさんの文集を読んでいた。その方は、非常に厳しい人生を歩まれた方であったが、それにもかかわらず、沢山の愛を受け、しかもそれ以上に私たちを愛し、感謝し生き抜いた方であった。

 一見繋がらない、二つの事例であるが、「生き甲斐の心理学」でいう、愛の原型が人生を左右しているのだと個人的に思った。生育史の中で自分が愛された経験が愛の原型として人生を支配し、人それぞれの孤独感(愛の原型に触れないとき)や幸福感(触れるとき)を左右する。Cさんが良いとかBさんが悪いとかではなく、愛の原型がいろいろ影響を与えていると考えることが重要だと思う。

 啄木の次の短歌は、そんな愛の原型に関係する知見を与えてくれる短歌ではないだろうか。

ある朝のかなしき夢のさめぎはに

鼻に入(い)り来(き)し味噌(みそ)を煮(に)る香(か)よ

 あなたの愛の原型は?と、この勉強をして、何回も問われたが、当初、視覚的なイメージが多かったが、他の五感との関わりがより自分を支配しているように思うようになってきた。啄木の詩を一般化して恐縮ではあるが、お袋の味を、姑から嫁に継がせる日本の知恵も、意外とこの愛の原型に対する知恵なのかもしれない。

 ただ、人それぞれの愛の原型。それが重なる部分もあるかもしれないが、人それぞれである。そして、その気づき(日々の)が人間の理解を深め、人生を豊かにしてくれる。

(一握の砂 6/16)

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