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縄文小説家・森裕行のブログです。身近な縄文を楽しみ生き甲斐としています。「生き甲斐の心理学」の講師もしています!

その言葉で世界は変わる!(性格形成  8/10)

2010-09-13 | 第一章「意識と知覚」
 奈良時代の末期、藤原仲麻呂が太政大臣として暗躍していたころ。時の孝謙天皇が、ある日五位以上の貴族を平城京の朝堂に集め、尼僧姿で演説をする。その時、孝謙天皇は自分の血統をとうとうと語る。≪・・草壁皇子の血筋は絶えようとしている・・・≫

 殆ど仲麻呂の独裁と思しき状況が、どうもその時から変わっていくようである。その演説により、孝謙天皇の存在感がまし、仲麻呂で良いかという不安が貴族の中で増殖していく。

 例えば、孝謙天皇が草壁皇子(実際は続日本紀によると≪おかのみやのあめのしたしろしめししてんのう≫)と言ったとき、集まった貴族のおのおのは、その言葉をどう知覚したのだろうか。持統天皇、天智天皇、壬申の乱などを想起したのだろうか。そして、それが結果として大きな流れに変わり、ついには仲麻呂が滅びる。

 言葉は本当に不思議である。

 例えば、自分の名前は、言葉を覚え始める初期から知覚されるようである。そして、それは抽象的なものではなく、リアルなものであり、今ここに生きる場そのもののように感じる。

 次のカールロジャースの2番目の命題は、とても参考になる。

2) 有機体は、場に対して、その場が経験され知覚されるままのものに、反応する。この知覚の場は、個人にとって実在(reality)なのである。
 ロジャーズ全集 パースナリティ理論8 伊藤博訳 岩崎学術出版社 94p 

 言葉のもつ喚起力は、本当に神秘的だと最近感じている。ちょっと脱線するが、ある人から、自分の持ち物に全てあだ名をつける人がいると聞いた。へぇ~と思ったが、身近なAさんが自分のパソコンに「次郎」と名付けて楽しんでいたことを思い出した。なるほどと思って、私も昨晩いろいろ考え実行してみた。まずは、自分の部屋を「白妙」と名付けてみた。つけばかりであるが、何か違う部屋のように知覚されるようだ。大切さや愛おしさが増すようである。お金のかからない人生の楽しみかたかもしれない。
 

 まもなく民主党総裁選挙であるが、その行方も、1300年前とおなじように、言葉による喚起力なのだろう。歴史に残る言葉がでてくるだろうか?

性格形成 8/10(信じて見える世界 28/30)

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