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縄文小説家・森裕行のブログです。身近な縄文を楽しみ生き甲斐としています。「生き甲斐の心理学」の講師もしています!

自分史はまぎれもない宝物!(新鮮 9/10)

2011-06-29 | 第一章「意識と知覚」

  数日間、プロセススケールを通して、自分史をもとに皆様にお役に立てることをブログに書いてきた。そのため、カールロジャースの全集も時々のぞいた。ノーベル賞にもノミネートされたというロジャースの著作は、読めば読むほど新鮮な発見があるものだ。

 その一つは、この理論がセラピストだけに限定したものではなく、著者自身が教師・生徒関係、親子関係、経営相談、地域社会の発達などに応用できるとしている点である。還暦となった私であるが、今更ながら、その幅広い応用範囲が、本当だなと実感できる。難しい表現(もともと英語で、かつ専門用語を駆使していることもあり)なので、殆どの人は、実に価値あるのに敬遠してしまう。

 世界的に有名な理論なのに、日本では傾聴ではカールロジャースは有名だが、この分野では限られた専門家以外には殆ど知られていないようだ。

 もう一つは、プロセススケール自体の信頼性や妥当性の科学的(数理統計)実証である。若い頃に大学の研究室で汗をふきふきを研究してきたころを思い出した。傾聴とか心理療法が科学的には実証しにくい分野であるが、それをしているのである。素晴らしい。

 その研究の中で蛇足ではあるが、ピアソンの相関係数が出てきたのは驚きであった。若いころお医者さんの診断が、どのようなモデルでなされているかなどを、レンズモデルというハンガリーの心理学者ブルンスウィックのモデルで研究したことを思い出した。

 以前はカトリックの修道者であったメンデルがこつこつと遺伝を研究し、そのうち数理統計で遺伝学を発展させ、そして思いがけず遺伝子の研究が進み分子進化学が数理的にも大進歩を遂げた。同じように、臨床心理の研究も、将来数理的に大進歩をする時代がくるかもしれないと、ワクワクした。

 自分史をきちっとした理論で研究していく。これは実に今ここの自分のありようを考えていく上で貴重だ。私もU先生に出会わなければ、他人の事例や心理学の文献を読むだけで、実感のない勉強になってしまったところである。自分史、自己事例研究は本当の宝物だと思う(自己を明るく解釈するためにも大切)。

 因みに、自己事例の中で、7才の時に米国アラスカで、言語も含め全く別の世界に一年過ごしたことは、今から考えるとカフカの変身に出てくる毒虫・ザムザ体験のような貴重な体験である。

 その体験があって、ひょっとしたら、10歳のときに溺れず助かったかもしれない。中学のときに国語を克服したのかもしれない。50歳台になって会社を辞めて新たな世界に突入できたのかもしれない。障がい者当事者団体にとけ込めたのも、生涯教育に携わったのも、この7才の体験があったからかもしれない。

 カールロジャースの19の命題の中に次の命題がある。自分の一生を通じての基本的な傾向と渇望。その原型は意外にも7才の体験だったかも。これを、数理的なモデルで人生の流れをおっていく(分子進化論のように)。そんなことは今はできないかもしれないが、将来は分からない。天国でそれを知ることができれば楽しいなあ!

4:有機体は、一つの基本的な傾向と渇望(striving)をもっている。すなわち、体験している有機体を現実化し、維持し、強化することである。

新鮮9/10

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