イキイキと生きる!

縄文小説家・森裕行のブログです。身近な縄文を楽しみ生き甲斐としています。「生き甲斐の心理学」の講師もしています!

一度くらいは小説を書いてみる!(忠誠心 4/10)

2011-10-22 | 第五章「和解と平和」

 大学生になると、工学部なので結構勉強も忙しかったが、2年生になってからドイツ文化研究会に入り、文科系の方とも随分知り合いになった。また、従兄弟との関係から今でも関係がある、創造工学の市川亀久弥先生の著作に親しむようになった。

 1972年は浅間山荘事件もあった(卒業したH高校の私の上級生も関与していて、ちょっと複雑な心境にも)。時代が変わろうとしていたようだ。時代はじょじょにバブルの方向に。

 そんな時代の変化点で、学科の選考があり管理工学科に進学した。創造工学に興味をもったのが一番であった。それから、理工系なのに、東洋思想やキリスト教も当時の最大の関心。何のために生きているのか。浮世ばなれしたことを考えていた。ヘッセやカフカの小説を読んだり、心理学も訳の分からない中でフロイトや夜と霧のフランクルも読んだ。

 そして、大学3年の秋。ドイツ文化研究会の友達や同じ研究室の何人かを誘い文集(小説)を作った。工学部の方が多く、しかも皆はじめての処女小説集。そのために、私も1-2箇月かけて小説を書いたのだ。

 私が書いた小説(短編小説)は今読むと恥ずかしくなるようなものであるが、「生き甲斐の心理学」でいうと、防衛機制の昇華なのかなと今思う。 当時の時代背景や、成育史のもやもやを、それなりに言語化したようだ。それにより不思議に安定を得たようだ。その後、何か踏ん切りがつき、時代の流れに乗っていったようだ。

 昇華というこことの防衛機制は不思議である。他の防衛機制と比べると、プロセススケールが結構高いようだ。

 自分の心の中のうずき。それを言語化したり視覚化したりする。特に若いときのそれは、生涯を貫くテーマと関係するので、後から読むと成育史の記念になる。生涯一回くらいは小説を書きましょう。読者は一人でも、長年にわたって読んでくれる自分がいたりして。

忠誠心 4/10

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しらけ世代の連帯力を大切に!(忠誠心 3/10)

2011-10-22 | 第五章「和解と平和」

 高校から大学の学生時代。思い出してみると、合計7年間のうち2年くらいがロックアウト状態で休講であった(浪人の一年をのぞく)。

 そんな混乱の中、自分のアイデンティティをどう確立できてきたのだろうか?少なくとも大学に入学したとき、自分の将来像が全く見えなかった。その混乱からの脱出のポイントの一つめは連帯力ではなかったかと思う(明日は二つ目に)。

 この連帯力の存在に気づいたのは、連帯力のなさで活力をなくしている世代の存在(若い世代)に気づいたからかもしれない。考えてみれば、1970年ころに、しらけ世代の多くが共感した文言のひとつは、東大全共闘の「連帯を求めて孤立を恐れず」という言葉ではなかっただろうか。この言葉に馴染まない方でも、連帯という言葉にどこかひっかかるのではなかろうか。

 自分の成育史を辿り、青春時代のことを考えると、当時の家族・親戚の絆は今と比べると格段に強かった。私の家の隣にも従兄弟が住んでいて(3人)、大学受験で希望通りに合格できなくても、従兄弟が同じ大学にいっていたので気楽に入学した。戦後の家族(大家族だったり)の絆をバネにしたのか、様々な連帯の絆は強く、生徒総会やクラブ活動なども結構盛んであった。何となく群れる、連帯力はしらけ世代の特長なのだろう。当然ながらロックアウトでもやることは山のようにあった。

 遊びの為に、趣味の為に、家族の為に、生徒集会等の集団の為に・・・連帯する。何か希望が湧いてくる。

 しらけ、生き甲斐がないときに元気になる方法。それは、生き甲斐の心理学でいう3Vの法則で説明がつくかもしれない。例えば小さいことを例にとってみる。

 嫌なことがあって落ち込んでいるときに、楽しい友達との語らいを思い出す(Visualize)。そして、それを実現するためいろいろ考えてみる(言語化する、Verbalize)。そして、「麻雀をやろう」と電話をする(Vitalize)。こんなことで、連帯の輪を広げていく(単なる遊びも)。

 しかし、こうした小さいことや大きいことの繰り返しの中から、現在に至るアイデンティティの道筋がついて行ったように思う。3Vの連鎖なのだろうか?

 連帯というのは、弱い人間に与えられたプレゼントである。一人ではできることは限られているからである。ちょっとした遊びからポーランドの解放に導いた「連帯」まで。連帯はパワーそのものである。

 さて、連帯の見方を変えると、これはフロイトの14の防衛機制の一つ、同一化の防衛機制と関係があるようだ。同一化により、こころの安定を得られるメリットがあり、一方、それゆえ人間的成長がとまってしまうデメリットもある。全共闘の落書きの反対、「孤立を恐れて連帯を求める」という風にもなる。

 でも、そうした連帯でも、将来への貴重なプレゼントになったりするのも確かだ。世の中は不思議でいっぱいである。

 忠誠心 3/10

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