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縄文小説家・森裕行のブログです。身近な縄文を楽しみ生き甲斐としています。「生き甲斐の心理学」の講師もしています!

治天の君を想う!(森羅万象 10/10)

2012-04-08 | 第十章「今ここでの恩寵」

 NHKの大河ドラマ「平清盛」を楽しんでいるが、清盛が神輿に矢を射る話は感動的であった(吉川英次の新平家物語も良いが)。

 時代は決して一人の個人が作るわけではないとは思うが、一人がそして今回の場合は神輿への矢が何か時代を象徴しているように見えた。

 7-8世紀に日本(現代に通じる)の原型が形成され、それから藤原摂関政治の時代が約400年続く。そして、その末期12世紀に平清盛が生まれるのだが、本当にこの時代は末期症状であった。藤原氏の政治の間隙を縫うかのように登場した不思議な白河天皇とその政治。院政を始め絶対の権力者(鴨川とサイコロと比叡山以外はOKというような)治天の君となる。

 ただ、この絶対権力者は、ご存じの方も多いと思うが、待賢門院(白河法王の孫の鳥羽上皇の妻)と密通し崇徳天皇を成してしまう。そして、治天の君の負の遺産で時代は大混乱。そして、この異様な状況から保元の乱が、そして平治の乱が生じ、その後源平の時代が生じる。

 今回(先週の日曜)の平清盛の神輿へ矢を放つ事件は、鳥羽法王の心の底に蠢く白河法王への憎しみを怪しげな昇華として描き、清盛が助かる迫真演技を堪能することができ感動した。

 12世紀の時代の病理。そして、そんな時も優しい国民性なのか革命もなく時代が流れていく。

 21世紀の今も、国民全体の生命を脅かした震災と福島原発。これも時代の病理なのであろうが、同じように優しい国民性で曖昧に対応する日本。時代は変わっても日本の文化はさほど変わっていないので、病理に見えても日本社会としては健全なのかもしれない。

 森羅万象 10/10

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